騎士、複雑。
ようやくルウイさんが元気になったようで一安心だ。
朝食を食べたら、私は仕事だ。
ルウイさんは、明日ギルドで見回りがあるのでその準備をするようだ。
流石、仕事に手を抜かない男・・。
自由時間のことばかり考えている私とは大違いだ。
昼食を用意していると、ちょうどルウイさんが戻ってきた。
「あ、お疲れ様です。そろそろお昼ですよ」
「はい、ありがとうございます」
嬉しそうに笑って、コートを掛けに行く様子を見るといつもと同じだ・・。
ホッとして、料理を続ける。
お肉多めの煮込み料理にして、夜にも食べられるようにしておく。
・・・何度も作るの手間だし・・・。
ルウイさんと昼食を食べて、お皿を一緒に片付けていると玄関の扉を叩く音がする。ルウイさんがお皿を洗ってくれてたので、私が玄関へ行くと、キリルがちょっと扉を開けて立っていた。
「や、早速遊びに来たよ!家だと、親父がうるさくって・・」
「久しぶりに帰って来たんだもん、そりゃ嬉しいでしょ」
ハハっと笑って、後ろを見るとオーウェンさんもいた!
あれ、一緒にギルドから来たのかな?
私がキリルを見ると・・
「明日の打ち合わせ、一緒にしちゃおうと思って・・、オーウェンさんも来てくれたんだ」
「突然の訪問・・すみません・・」
「大丈夫ですよ〜、ささ、どうぞ〜」
二人をリビングの方に通して、ルウイさんを見るとちょっと顔が曇っている・・。分かりやすいです・・騎士団長。
「ルウイさん、明日の打ち合わせに来てくれたようです。お茶淹れますから、そっちで相談して下さい」
「はい、ありがとうございます」
小さく笑うと椅子を一つ持っていって、ローテーブルの側に置いて座ると三人で早速話し始めた。私はその間にお湯を沸かしてお茶を三人に淹れてから、カウンターの方の椅子に座って読書する。
オーウェンさんが、テーブルに地図を広げて・・
「最近、新しい白狼の群れがこちらへ移動して来たそうです。恐らくこの辺りかと・・」
ルウイさんが頷いて地図を指差す。
「・・・以前、魔狼を狩ったので、こちらで生き物が多く生息しているからでしょうね。秋頃は、木の実も多く落ちてましたし、作物の実りも良かった事も関係しているんでしょう。場所として考えられるなら、確かにこの辺りにいそうですね」
ルウイさんとオーウェンさんは、ざっと地図を見て話す。
キリルは、そんな二人を交互に見て・・、
「流石ですね!そんな風にすぐに把握できるなんて・・、お二人とお仕事できて、本当に嬉しいです!」
キリルがニコニコ笑うと、オーウェンさんは嬉しそうに笑うし、ルウイさんも小さく笑う。ね?ね?キリル、めっちゃいいこでしょ?そんな気持ちで、ルウイさんを見ると少し眉を下げて笑われた。あ、すみません・・なんか、圧・・強かった?
「それでは、明日はカイルとあと警備隊を二人連れて・・、六人編成で行こうと思いますが・・、どうでしょう?」
キリルがルウイさんを見て聞くと、小さく頷いて・・
「そうですね・・。狩る訳ではありませんし、その人数で大丈夫だと思います」
「分かりました、明朝6時に回って、帰りは3時の予定です」
テキパキと決めて話すキリル・・。
騎士さんになったんだなぁ・・、格好いいなぁと、幼馴染ながら感動してしまう・・。
オーウェンさんは、ニコニコしながら私を見て、
「トーリ様と幼馴染だったと聞きましたが・・、いやはや頼もしいですね。
ね、トーリ様?」
「はい!自慢の幼馴染です!」
私も笑ってそう返す。
三年間、一度もこちらへ帰らず、ずっと騎士団で頑張っていたんだ・・。素直にすごいと思う。私・・?無理無理、辛いことは前世から嫌いです・・・。
キリルは照れ臭そうに笑って、私を見るので笑い返した。
・・・横で、ルウイさんはまた眉を下げて笑っていた。あれ、圧はかけてないぞ?




