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前世もちは、今日も秘密を隠す。  作者: のん
前世もちと騎士。

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騎士と兄弟。2


新しい趣味を見つける!!と、決心したファティルさん。

一旦国へ戻って身支度をしたら、ルウイさんにしばらく騎士団に泊めろと頼む!と、宣言してから帰っていった。


‥‥大丈夫かな、ルウイさん。


いきなりファティルさんが騎士団へ行って、事情を説明したら驚くのでは‥?と、思ったが、その前にルベルさんの出現にも驚きそうだ。アミルさんや、ファティルさんはよくこっちへ来るけれど、ルベルさんはかなり久しぶりだもんな〜‥。って、王族がホイホイとこちらへ来るのがそもそも普通じゃない。


うーん、普通とはなんぞや?

なんて哲学的思考に浸りながらケーキのお皿を洗いながら、ふとファティルさんが「趣味を見つける!」と、いった言葉を思い出す。


私も何か趣味あったっけ?


家庭菜園は、趣味というより生活が楽になるように婆ちゃんがいた時からやっていたし、そう考えると私も趣味らしいものがないかもしれない?そんな事を考えているうちに、あっという間に夕方になり、ルウイさんが若干疲れた顔をして帰ってきた。



「あ、ルウイさんお帰りなさい」

「ただいま戻りました‥。日中、ファティルやルベルがうちへ来たようで、本当にすみません‥」

「いや大したおもてなしはしてませんよ」

「いえっ!!!うちの兄どもと来たら図々しく押しかけて、ちゃっかりお茶までして!!まったく許せません!しかもファティル‥‥」



言いかけて、はぁーーーーと、重いため息を吐いたルウイさん。

本来なら文句をもっと言いたいだろうに、色々お世話になっている身。どこか申し訳なさそうに私を見つめるその姿は、「ごめんね?」と言いたげな大型犬のそれである。あ、違った夫だった。


そっと手を差し出せば、さっと頭を撫でやすいようにしゃがむルウイさんに、ちょっと笑いつつそっと頭を撫でた。


「まぁ、いきなり来るのは最早慣れっこですから大丈夫ですよ。それにファティルさんのお願いなんて可愛いものじゃないですか」

「‥‥可愛いと言ってよいものなのか」

「ロルタ君なんか喜んでいるんじゃないですか?というか、体調はもう大丈夫ですか?」

「はい。ロルタさんすっかり元気になったようで、ファティルがしばらく騎士団にいると聞いて、飛び上がって喜んでいましたよ」


あ〜〜、目に浮かぶなぁ。

ロルタ君はファティルさんを「師匠!」って呼ぶくらい大好きだもんね。



「ファティルさんもリフレッシュする時間があってもいいかもしれないですね。あ、でもその前にパン屋のケーキを食べ尽くされちゃうかも?」

「それは危険です!ルベルまで買って帰ると言ってました」

「皆、あのパン屋のケーキ大好きですよねぇ‥」

「あの素朴だけれど、どこか懐かしい味が好きなんです。かと思えばすごく美味しくて‥、アミルなんて店主をホルスへ連れていけないかと画策しているくらいです」

「それはかなり困りますね」

「はい!由々しき事態なので全力で止めています」



いつの間にかパン屋さん事態を自国に連れて行こうとする辺り、王族だな。ともかくルウイさんが少しでも気分が明るくなれるよう夕飯後、パン屋さんのナッツケーキを出せば、ルウイさんは嬉しそうに食べ始め、


「この味はオシムの宝‥!絶対に守り抜きます!!」


と、誓っていた。

パン屋さん、王族に誓われていて面白い‥。



そうして、翌朝。

ルウイさんはファティルさんが心配だといって、早めに出勤していった。なんだかんだと心配する辺り兄弟だな〜。一人っ子の私にとってはどこか羨ましくもあり、微笑ましくもある。


「さて、庭の野菜に水をやったら私も仕事をするか‥」


野菜に水をあげてから家に戻り、翻訳のスケジュールを確認しようとすると、ポン!と、音を立ててファティルさんがやってきた。



「あれ?ファティルさん?」

「‥トーリ、趣味が見つからないんだが、オススメはあるか?」



いきなりつまづいている‥‥。

私はスケジュール帳をそっとテーブルの上に置いて、ちょっと困った顔をしたファティルさんを見上げた。


「ファティルさんは、何か好きなものは‥」

「魔術だな」

「魔術のどんなところが好きなんですか?」

「やはり歴史だな。使い方や、使用目的、使う道具、術式、それらを掛け合わせ、人が紡いできた叡智を勉強することが‥」

「なるほど、わかりました」

「まだ全然語っていないが‥」

「いや、これ絶対1日掛かるなぁって思って‥」


私の言葉にファティルさんは少し考え、「確かに」と納得した。

1日掛かるって自分でも思ったのか‥。放っておいたら3日は語りそうだって思ったのは言わないでおこう。それにしてもやっぱり研究好きなんだな‥。



魔術師って、引退とかあるのかな?このままだと引退した途端、気が抜けてしまいそうだ。そうなると、そば打ち?いや‥‥、



「一緒に畑をやってみませんか?」

「へ?」

「野菜や果物を育ててみるんです。肥料の配合などで変わりますし、気温によっても大きく変化します。研究好きなファティルさんにぴったりでは?」



私が提案した途端、雲の隙間からお日様が出てきたようなファティルさんの笑顔。はい!新たな趣味候補決定です!!




トマトを植えれば伸びるだけ。

人参を植えれば雨に流されて倒れた葉っぱしか生えない私。農家の方は偉大だ‥と、毎日感謝と尊敬の念を送りながら野菜を食べています。雑草くらいなら抜ける‥かも!!?(伐採は得意です)

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