騎士、大型犬?
普通は奴隷契約なんてされたら、さっさと解消して自由になりたいよね?
延長可能なんて、騎士団長っていうのは不思議な生き物だ・・。そう思いつつ、ホルスについて書いてある本をベッドに寝転がりながら読む。
金狼、銀狼、白狼・・と長い歴史のある騎士団。
それの団長っていったら、そりゃ貴方・・トップ中のトップ。金も名誉も何でもあり!!みたいな世界だろうなぁ〜・・。
「・・こんな田舎にいて、退屈じゃないのかな・・」
私・・?
仕事もあるし、畑もあるし、まぁ、平和が一番だし。
娯楽は少ないけど、精神年齢50近いからなぁ〜・・、そこまでガツガツ生きなくてもいいかなって・・。18歳だけどね?
鏡の前に置いてある、可愛いトレイの中のルウイさんから貰ったリボンをチラッと見る。
あんな風に女の子みたいな扱い・・、前世でもなかったなぁ〜。
正直嬉しかった!しかも美形だし。
そんな女の子のように扱ってくれるルウイさんも、きっと契約を解消したら、ホルスへ帰るだろう。あんだけ強くて、格好いいんだもん。こんな田舎で過ごすのは勿体無い。
それまで、私はのんびり仲良く過ごせればいい。
「一人になったら、犬でも飼おう・・」
なるべく大型犬で、綺麗なやつ。
そうしたら、一人になっても寂しくないかもしれない・・。そう思って布団に潜り込む。一人が寂しいなんて、随分久しぶりに思ったなぁ・・なんて思いつつ。
翌朝、畑に水やりをしてルウイさんが気に入ってたベリーを摘み取ってジャムにしていると、ルウイさんが川から登ってくるのが見えた。
お、今日は魚釣りしてたのかな?
よく見ると長剣も持っていたので、鍛えていたのかも・・?
キッチンに入ってくるルウイさんに挨拶すると、ニコッと笑って挨拶してくれる。うーん・・、朝から爽やかな風がルウイさんのそばで吹いているようだ・・。
なんかエフェクトかかってるのかな・・。
お魚を捌いて持ってきてくれて、お昼に出しますね〜というと小さく笑って頷く。
私が煮ている小鍋を、ちょっと見てパッと顔が輝く。
「ベリーのジャムですか?」
「はい、勿体無いと言われたベリーをたっぷり煮込みました」
そういうと、嬉しそうにニコニコ笑う。
くぅ・・・!!!可愛い・・!!
成人男性な上に、騎士団長を可愛いとか失礼かもしれないけど、精神年齢50歳近いと可愛いと思ってしまう・・。
50歳近いなら落ち着けよって話か・・。
カウンターの前に座ったルウイさんは、ニコニコと機嫌良さそうに笑って小鍋から出したジャムを、ジャム瓶に入れてカウンターに置くと宝石を見るような目つきでウットリと眺める。
「綺麗ですねぇ・・」
そういって、しみじみ笑うから・・胸がキュンとして・・、
撫でてしまった・・。
頭を・・。
だって、可愛くて。
50近い精神年齢なんだけど、可愛いって思っちゃった。
ルウイさんは、ちょっと驚いた顔をして私を見るので、ハタっとして・・そっと手を離した。
「・・・すみません、つい衝動に任せて撫でてしまいました」
「・・衝動・・」
「成人男性に、つい可愛いと・・」
「可愛い・・」
うう、オウムのように返答しないでいいんだけどなぁー・・・。
ちょっと照れくさくて、目を逸らすとルウイさんは、ニコッと笑って・・
「そうですね、トーリは私のご主人様ですから撫でて下さって構いませんよ」
「いえ、人間としての威厳は保って下さい。そこは求めていません」
奴隷が欲しいわけじゃないんです。
大型犬は欲しいけど。
そこはきっぱり否定しておかねばなるまい。
ルウイさんは、少し考えて私を見ると、
「撫でて下さると、嬉しいのですが・・」
そういって首を傾げて私を見上げるので、一瞬息が止まった。
やべー!!!美形の首傾げ、プラス上目遣いやべー!!!!異世界転生したら、みんな覚えておいて?美形のダブル攻撃はやばいわ。死ぬ。
カウンターの前でしゃがんで、必死に呼吸を思い出した。
ひっひっふーは、転生先でも使えるぞ。




