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前世もちは、今日も秘密を隠す。  作者: のん
前世もちは秘密を隠す

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騎士、狩る。


ギルドで登録を済ませたルウイさんは、メルクさんにお茶を・・と誘われたが、窃盗団退治の準備をするので・・是非次の機会に・・と、丁重にお断りした。


断り方までエレガントで・・、流石だなって思った・・。

なんなら心の中でずっと「ブラヴォー!!!」って拍手してたよ。


ルウイさんはギルドを出るとまた手を繋いだまま、歩き出すけれど・・、いいんやで?介護とか奉仕の精神は・・。自分の好きに生きていいんだけどなぁ・・と、思いつつ、せっかくなので、ルウイさん用のエプロンとお茶を買い足しておいた。


でもって、流れるように買い物袋を持ってくれた。これ、デフォルトっすか?


「トーリ、家にロープなどはありますか?」

「あ、はい、このくらいの太さで・・、20mくらいのがありますけど」

「・・・それくらいなら足りるか・・」

「何か狩るんですか?」


兎かな?鹿かな?

そう思って聞くと、ふふっと笑って・・



「ええ、人間を」



一瞬、顔が固まった・・。

サラッと怖い事言ったな・・・??


「窃盗団のおおよその人数は把握しておきたいので・・、罠でも張っておこうかと思いまして」

「罠・・」


綺麗な顔から、サラサラと怖い単語が出てくるな・・。

ルウイさんは、私ににっこりと微笑み・・、


「ご心配なく、トーリの家の側へは一切近寄れないようにしますから」

「あ、はい。すごく心強いです」


まるで「花が綺麗ですね」みたいな事、言ってる顔なのに・・、内容は結構怖いな?そして謎の気迫を感じる。


なんなら鼻歌でも歌いそうなルウイさんの横顔を見上げると、

柔らかく笑い返してくれる。


窃盗団を一人で捕まえる気なんだろうか・・この人。優しそうだけど、強そうだし。大丈夫かな・・?


「あまり・・無理しないで下さいね」

「ありがとうございます・・。心配して下さるなんて・・トーリは優しいですね」


「いや、普通は心配しますよ?」


うん、この場合の心配する感情って、普通だよね?

何かお手伝いできることがあればいいけど、私のスキルじゃせいぜい雨を降らせて、足元を滑りやすくするくらいしかないしなぁ・・。


ルウイさんは、結局家に帰るまでずっと私の手を繋いでいた。

騎士の奉仕の精神、すごい・・・。



夕飯は、ルウイさんが狩って捌いてくれた鳥の丸焼きである。

オーブンの中で、ハーブや野菜と一緒に焼いたお肉は最高に美味であった!!

ルウイさんは、目を輝かせながら、


「温かい物を食べられるというのは、幸せですね・・」


っていうから、もっと食べろとばかりに私はお肉をお皿にのせた。

この人、一体どんな食生活してたんだ・・。



食事が終わると、ロープを持ってルウイさんは「絶対戻るまで鍵を開けないように」と私に言い渡して、罠を張りに行った・・。え〜、大丈夫かな、こんな夜に・・。


ちょっと心配で、玄関をウロウロしてしまった・・。


しばらくリビングでお茶を飲んで待っていると、罠を張りに行ったはずがついでに鳥も狩って帰ってきた・・。綺麗な顔なのに、サバイバル能力高いなぁ。



ソファに座ったルウイさんにもお茶を渡すとお礼を言って、私を見る。


「・・・明日の朝少し早く起きますね」

「あ、はい・・また狩りに行くんですか?」


もうさっき鳥を狩ってきてくれたのに・・。

ルウイさんはお茶を綺麗な仕草で飲みつつ、優雅に微笑むと・・


「・・・そうですね運がよければ、人間も狩れそうですし」


うーーん、発言がいちいち怖い。

とりあえず、「明日楽しみですね」って、コメントしておいた。まぁ、これくらいなら普通でしょ?



次の日?

狩れたそうです。

10人程の人間が罠に掛かったそうで、朝からテンションマックスのメルクさんがバッチリメイクして、窃盗団を軽やかに連行していってくれた・・。



玄関へルウイさんの様子を見に行くと、朝日に照らされて金髪をキラキラ光らせながら微笑むルウイさんは、まるで王子様なんだけど、返り血が付いていて・・とってもホラーであった事を追記しておく。



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