騎士、畑仕事。
無事(?)人間も狩ったルウイさん。
朝ご飯は、前日狩ってくれた鳥と菜園で採れた野菜を煮たスープである。温かい物を食べて嬉しそうにしていたので、是非とも温かい物を堪能して欲しい。
「美味しい・・、トーリは本当に料理が上手ですね・・」
王子様のように微笑むルウイさん・・。
朝イチで窃盗団を捕まえて、残党までついでのように狩って返り血を浴びた人とは思えない。
「そう言って頂けて嬉しいです」
とりあえずお礼を言っておいた。
鳥肉は美味しいし、うちの周りをうろついていた窃盗団を一晩で捕まえてくれたし、なんの文句がございましょう。
「トーリは、今日の予定は?」
「あ、今日は天気がいいので洗濯と、菜園の手入れをして・・、午後に仕事をする予定です」
「では、午前中はお手伝いさせて下さい。午後は、ギルドへ報酬を受け取りに行きますね」
私に合わせたスケジュールでなくてもいいのに・・。
しかし、美しい所作でお茶を飲むルウイさんにお断りする理由はないしな・・。
ルウイさんがお皿を洗ってくれる間に、洗濯物を手早く干して、一緒に菜園へ行く。
二人でしゃがみつつ、剪定の仕方を教えると、すぐ覚えて手早く切ってくれるので、あっという間に終わりそうだ。ルウイさんは、野菜の苗を見て、
「昨日も思いましたが、よく育っていますね」
「ふふ、丹精込めてお世話してますからね」
畑を褒められると嬉しくなってしまう。
畑の横に、実っているベリーがあったのでお礼代わりに摘んで、ルウイさんに一つあげると、手の平のベリーをじっと見ている。
「ベリー、苦手でした?」
そう言いながらパクッと食べる。
甘酸っぱくて美味しい!
「いえ、嬉しくて・・食べてしまうのが勿体無いな・・と」
な、なんと!!
可愛いコメントに、思わずキュンとした。・・返り血を浴びていた人だけど。
「いくらでもあげますし、摘んで食べていいんですよ?」
笑って、もう一つ摘んで渡すと嬉しそうに笑うので・・、なんか尻尾を振って喜ぶ大型犬に見えてしまう。
金色の髪をした大型のワンコか・・可愛いなぁ・・。
雑草を抜いていると、家の脇の小道から菜園に入ってくる足音が聞こえる。あ、この足音は・・
「おーい、トーリいるか?」
あ、やっぱりカイル・・。
立ち上がろうとすると、ルウイさんがさっと立ち上がる。
「何か?」
「あ、あの・・、トーリにメルクさんから依頼が・・」
依頼・・?
何の用だろうと思って私も立ち上がると、カイルが「いるなら出てこい!」って言うけど無視した。
野菜をちょっとかき分けて、カイルの側へ行く。
「メルクさんからの依頼って何?」
「あ〜、なんか薬草が欲しいらしくて・・」
「薬草・・?」
そういえば薬草集めって、依頼書が確かにあったな・・。
カイルから依頼書を受け取ると、何の事は無い。うちの側に生えてる薬草ばかりだ。
「これならすぐ集められるから、ちょっと待っててくれない?メルクさんに渡してきてよ」
「な、なんで俺が?!」
カイルがそう言うと、ハッとした顔になって黙る。
・・・何?なんかあった?
私の横に立っているルウイさんを見ると、綺麗な顔で私に微笑む。ん?なんかしたの??
「カイルさんは、待っててくれますよね?」
ルウイさんが、柔らかく微笑むと・・
カイルは首、壊れたの?ってくらい縦にブンブンと振った。
「じゃあ、カイル・・そこのベンチにでも座って待ってて。すぐ採ってくる」
「お、おぅ・・」
籠を持って、薬草を探しに行こうとするとルウイさんもついてきて、
「私も手伝いますよ。薬草ならば分かります」
「え?薬草も知ってるんですか?」
「訓練で負傷した時などは、よく薬代わりに使いましたからね・・」
・・ルウイさんが負傷・・。
ちょっと返り血浴びてた人が言っても、想像できないわ〜。




