5話 不死鳥ゲットだぜ!
暑い――――流石南国、目の前に海がなきゃオレは頭がおかしくなってたと思う。
照りつける太陽は今日も眩しくて、みんなの大事なとこは見えない、ああ、勿論オレのもな。
みんな人化してる、ブルームはどちらでも平気らしいが、シロとララのあの毛皮は正直暑いからな、二人共人化できることにありがたみを感じているらしい。
「しっかし、こんだけ暑けりゃ魔物もそんなにいないか……」
「そうですねー、この塩っぱい水たまり……海っていうんですか?これじゃ水の中にも住めませんよ」
「いや、住めるやつは案外住めるんだぞ?」
オレとララは今、いい感じの木陰で休憩している
「そうなのですか?私はこの水はちょっと苦手ですね、できれば体に混ぜたくないので、しばらくは人の姿でいます」
ブルームがやってきた、どうやら塩水はお気に召さないらしい、スライムの体のほとんどは水だからどうかと思ったのだが海水は飲めないようだ。
「で、シロはどこ行った?」
「シロ姉ならあっちの林の方に行っちゃったよ」
ララが指差す先には、ヤシの木みたいなのが密集した林があった、竹林ならぬ椰子林か。
「ご主人様~」
シロだ、シロが何か背負って戻ってきた――――鳥だ、白い鳥を沢山狩ったらしい……それと、朱い鳥がいる、どうやらそれは生け捕りにしたらしい。
つまりは仲間にできる可能性があるということだ。
「で、こいつの手のひら返しの早さが異常な件についてだが」
「アレですね、死地において、助かる可能性を見つけたと同時にマスターの惹きつける物で安心できるんです」
と、シロに食われそうになりながらも仲間になった経験者、ララは語る。
アレか、吊り橋効果ってやつか。
ソニックイーグル(朱・♀)を仲間にしますか?――――
「する」
『ソニックイーグル(朱・♀)はなかまになった』
『ソニックイーグル(朱・♀)になまえをつけますか?』
「そうだな……クィールだ」
『クィールはよろこんでいる』
そしてオレは、シロが狩ってきた他のソニックイーグルを早速クィールに合成した。
名前:クィール
性別:♀
年齢:十九
種族:フェニックス
属性:火
装備:無し
特性:不死
特技:お喋り
自己再生
火炎弾
飛翔
なんか種族がすごいことになった、特性もだが。
それにしても火属性か、暑い南国っぽいけど今は、いらんよな、早速で悪いが人化してもらおう。
オレはクィールの頭に手を乗せて人化のスキルを使った。
流石最年長、なかなかいい体つきだ、赤毛に空色の瞳がまたよく似合っている。
「ご主人、いやー助かったよ、そこの白いのに捕まった時はどうしたもんかと思ったんだけどさー」
結構おしゃべりだな。
「あーわかりますー、シロ姉は家族になるまで、餌として見てますからねー」
ララも結構言うようになったな。
「今回連れてきたのは私だぞ?別に食べたりなんかしないんだから……」
いじけて、地面を指で上下になぞっている。
「あー嘘、嘘です!私シロ姉大好きですからー!」
「んー、シロちゃんと言ったかな、私もこれから家族になるものと険悪になりたいわけじゃないから、そういじけないでね?」
二人も悪かったと思っているらしく、シロを懸命に慰めていた。
「うう、それなら許すけど……」
そういうとシロは二人に抱きついて顔を舐め始めた――――俺には眩しすぎる光景だ、いや実際に眩しくてナニやってんのか分からないんだが。
こうして新しい家族を手に入れた俺のハーレムはより一層賑やかになった。
スライム、兎、狼、不死鳥、次に仲間になるのは?
次回、海の生物入ります