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 割れた装甲と、流れる血が地面に落ちる。

が、怪人の拳はシオンに当たってはいない。

「ぐっ……そろそろ……きついな。貸し一つだ、イモムシ……」

ロムルスは身を挺してシオンを庇い、攻撃を受けた背中の装甲が砕け散る。

「あとは頼んだ……あの子を……タタラを、助けてやってくれ……」

ロムルスは地面に倒れ、その変身が解除される。

「ああ、わかってる!」

シオンは頷く。

──くそ、どっちがヒーローかわかりゃしないな。まあいい、とりあえず生身のこいつの側で戦うのはまずい……

シオンは地面に倒れた蒼から怪人を引き離すため横蹴りを放った。

不意を突かれた怪人は数メートル地面を転がり、バネのように立ち上がる。

「はあっ!」

シオンは怪人に突進し、勢いを乗せた突きを──背後に回り込んだ怪人の蹴りがシオンを木切れのように吹っ飛ばす。

「ぐぅ……!」

──ダメージは少ない、まだやれる。

シオンは跳躍し──怪人も跳躍した──頭上に衝撃、シオンは地面に叩きつけられる。

──まだだ。まだ負けられない。

シオンは立ち上がり、半身を取る。

と、その時チェンジャーからさてらいとの声がした。

『データの分析が終わったよ。あと10秒耐えてくれ。必殺技のデータを送るよ!』

「やっとか……!」

怪人は気を取られたシオンの腕を掴み、投げようとする──

「そんな猿真似が通用するか!」

シオンは合わせるように体を捻り、逆に怪人を投げ飛ばし地面に叩きつける。

「まだだぁ!」

バネじかけのように立ち上がった怪物の勢いを利用し、また地面に叩きつける。

怪物の皮膚が灰色になりひび割れ始めた。

『フィニッシュムーブ、スタンバイ!』

チェンジャーが鳴る。シオンは怪人を真上に放り投げ、チェンジャーのボタンを押した。

『アンチヴォイド インパクト!!』

「うおおおお!」

シオンは落下する怪物に、発光する拳を突き上げる。

怪人の体表のひび割れから光が漏れだし──再び上空に打ち上げられた怪人は空中で大爆発を起こした。

爆発が収まると、人間に戻った病衣姿の少女──タタラは地面に向かって落下する。

「よっ、と。」

シオンはタタラを受け止め、地面に抱え下ろす。

意識はまだ戻っていないようだが……息はしている。怪我もないようだ。

「勝ったぞ、狼。」

シオンに手を貸され立ち上がった蒼は、満足気に笑った。

「ああ……今度は、助けられた。俺らの勝ちだな。」と。


怪人名鑑#11 シルバーマナ

タロットの力を使い戦う、銀色の怪人。

暴走時にタロットを使わなかったあたり変身者のタタラの趣味なのか、それとも彼女自身の力なのか……真相は彼女含め、誰にもわからない。

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