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21話




 泉に手を出したことで怒り出したドラゴン。

 まったく狭量な奴だよ。

 いいじゃないの少しの水くらい。


「グアアアア!」


 はいスイマセンすぐにお返ししますんでどうか許してもらえませんかねお願いですまだ死にたくないです。


 ドラゴンは最初ののっそりとした動きはなんだったのかという程の速度でこちらに迫ってくる。


 ダンジョンに逃げ込めればと思ったんだけど、駄目だな、逃げ切れる速度じゃない。


 ちくしょう、そっちがやるってんなら相手になってやる!


「『水撃ウォーターシュート』!」


 かざした手からすごい勢いで水が噴出する。

 おお、なんという威力。家の壁の汚れがみるみる落ちていくわ! って感じ。

 突進してくるドラゴンの目に向かって魔法を放つ。


「グゥアア!?」


 この勢いの水を目に突き込まれれば流石に効くだろう?


 ドラゴンは鬱陶しそうに顔を振るって水気を飛ばすと、怒りに満ちた目で俺を睨んだ。


 な、なんだよ、最初に攻撃してきたのはお前だからな?

 俺は正当防衛だぞ?

 

「グルァアアア!!」


 ドラゴンが一声吠えると、辺りの地面が隆起した。

 予想は付いていたけど、やっぱ土属性かよ!?

 くそっ、また相性が悪い!


 鋭く隆起した地面が俺を襲う。

 細くない分、貫通性は低そうだが、当たればヤスリみたいに肉を持っていかれそうだ。


「『柔らかな水ウォータークッション』!」


 ぶつかりそうな攻撃に防御魔法を当てて回避。

 俺自身を弾力性のある水で弾いて、危険域から脱出する。


 隆起しっぱなしの地面が面倒だ。

 魔法を当てるにも厄介な障害物として機能している。

 ドラゴンにとっては盾であり矛。

 飛び出した地面から更に土のトゲが出てくるとか、物理法則どうなってんの?

 明らかに質量保存の法則が狂ってるんですけど。


 何もない場所から塩水を生み出してる俺が言うのもおかしいけど。


「『水の球牢ウォータープリズン』!」


 ダメ元で拘束系の魔法を放つ。

 この魔法じゃあ全身を捕まえておくことはできないが、足の一本でも不自由に出来れば……。


「グゥアア!」


 簡単に踏み潰されました。

 まぁ、ですよねー。


 反撃、とばかりに隆起した地面一部が砕け、散弾のように飛び散った。


「く、こんのぉ『柔らかな水ウォータークッション』!」


 壁のように魔法を展開するが、幾つかの瓦礫が防御を貫いて俺に命中する。


「ぐゥッ!?」


 痛ェ!

 あぁ、もう、ちくしょう!

 くっそ痛い! 骨折れたんじゃないのこれ!?


 防御魔法突破とか素の攻撃力が全然違いますわ。

 レベル差なんてどんくらいよ?

 『鑑定』スキル無いから分からないけど、差が分かってたら立ち向かえる気がしないわ。


 そもそもドラゴンさんは明らかに肉弾系。

 それが魔法攻撃しているってことは明らかな舐めプな訳です。


 こっちは異世界生活二日目の雑魚だからね、仕方ないね。


 なりふり構っていられない、使える『大海魔法』を全部ぶちこんでやる!



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