第七十三話 【番外編】登場人物紹介
【エリュシオン国】
建国以来、一度も戦争をしていない平和な国。温暖で、水資源に恵まれている。
国民満足度調査では、連盟加盟国中、十一年連続で首位。
国民の口癖は「まあ、なんとかなるさ」
政治に興味がない国民が多く、議会中継を見ている人は、ふだんはせいぜい二百人。
水がおいしい。世界の名水十選で、一位に選ばれたこともある。
ただし、水道代は、この十年で一・五倍になった。
主要産業は、観戦型スポーツ(プロスポーツ興行)。
国営放送は、朝からスポーツの中継と試合結果を流し続ける。
国技は野球。南部リーグと北部リーグの二リーグ制で、優勝決定戦はここ数年、ブルードルフィンズ対スノーフォックス。
昨年の優勝決定戦の視聴者数は四百万人。議会中継の視聴者数とは比べ物にならない。
名物は、エクラ豚、ラルム玉ねぎ、ポム・ルミエという名のじゃがいも。
南部の特産は、ジュリエットの大好物の陽炎蜜柑と翡翠柚子。
【3章の登場人物】
☆オギー(オーギュスト・ドレイク)
ブルードルフィンズの元選手。第一戦のエラーをきっかけに引退に追い込まれた。意思とは関係なく浮かぶ作り笑いが残っているが、野球を好きな気持ちは失っていない。ロミオたちの旅に加わる。
☆ノーマン
球場の地下で制御盤を担当していた技術者。四十七歳。オギーが訓練生だった頃からの、最初のファン。八百長の中身をロミオたちに打ち明け、最終戦の日は制御盤に触れなかった。
☆ミラ
野球の配信者。本名はミランダ・ローウェル。ブルードルフィンズ贔屓で、背番号99のチャームがついたブレスレットを身につけている。占拠の日は人質役を演じた。
☆ハロルド
役所の技術顧問室にいた、水道に詳しい人。水道は公的に守るものだという信念を持つ。占拠では熊の頭をかぶって話した。
☆ハーン議員
水の説明会で、堂々と質問した議員。議場で孤軍奮闘している。占拠の日は議場の中から、国民に向けて発言した。
☆グレン
レテ高地の水源地に住む男性。沢の水が自由に汲めなくなり、陳情もたらい回しにされた。占拠では鹿の頭をかぶり、住民の代表として話した。
☆ベアトリス
ハーン議員の後援会の女性。水道代の上がり方を数字で示した。占拠では狐の頭をかぶった。
☆エンリッチ
水の事業を担う外資、ウェルスプリング社の担当者。説明会では、民営化のいい面だけを語った。
☆スカイ
ミラの幼なじみ。これまでもミラの配信を技術面で支えてきた。占拠の日は機材と回線の担当。
【謎の組織】
☆ブルック
エンリッチに与えられたコードネーム。大河に注ぐ小さな支流という意味。
☆リバー
ブルックに指示を送る差出人のコードネーム。視聴数が許容の上限を超えたため、採決の延期を命じた。
その流れの先に、何があるのか。まだ、誰も知らない。




