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第一章

 「・・・それで? おまえはどうするつもりなんだ?」


 「そうですね・・・」


 とりあえず合わせておく・・・


 「・・・進学するんだな?」


 「そうですね・・・」


 やはり曖昧な返事。


 「おまえなら・・・まぁ、東大合格間違いなしだろうがな」


 「ええ・・・まぁ・・・」


 東大・・・か・・・

 たいして興味の無い世界。


 しかし、いまその選択を迫られている・・・


 「・・・とりあえずは、その方針で進めておくからな」


 「・・・はい、お願いします」



 ようやく諦めたのか、対面している人物は書類を整理し始めた。


 そう、いま俺がいる部屋は「進路相談室」。


 他の人間は、ここで苦悩するらしいのだが、俺は2、3分程度で終わってしまった。



 「よし、もういいぞ」


 「ありがとうございました」



 そう告げると、足早に出口へと向かう。

 相手も俺のことが分かっているのか、何も言おうとはしない。



 「失礼しました」



 部屋を出て、ふと時計に目をやる。


 ・・・普段なら、もう自宅に着いている頃だ。



 「・・・また無駄な時を過ごしてしまった」



 そう呟きながら、下校の準備にとりかかる。



 俺は、高校3年。


 時は7月7日。


 世間一般的に今日は七夕である。



 普通に考えても、そろそろ進路を決めてもいい頃だろう。

 しかし、俺は特に望む道はなかった。


 ・・・むしろ、「興味が無い」と言った方が正解だろう。



 そんな事を考えている内に、支度も整い、教室を出る。



 まだ数名教室で無駄話をしていたが、そんなものはさして気にもせず、帰路へ着く。




 今日は、いつもと何かが違っていた。


 そう・・・何かが・・・




 心に蟠りが残ったまま、就寝時間を迎える。


 ・・・しかし、そんな日に限って眠れないものである。



 俺は珍しく、夜空を見上げていた・・・


 そう・・・何をするという訳でもなく、ごくごく自然に・・・



 「・・・」


 「・・・」


 「・・・!」



 ・・・流れ星だ。


 しかもかなりの大きさの・・・



 流れ星など、さして珍しい物でもないのだが、俺の興味をひく何かがそれにはあった。


 その流れ星は、丁度目の前にある山に向かって落ちたのだ。


 ・・・そう、山に落ちたのだ。



 「・・・まぁ、大した事ではないな」



 ・・・そう呟いていたものの、不思議な胸騒ぎを憶えていた・・・

 今行動しなければ、一生悔いるような胸騒ぎを・・・



 気が付けば、俺は流れ星の流れていった山に向かって走っていた。


 その山は、徒歩で15分程の位置にある、小高い丘の様なものだった。



 その丘を、俺は無心で登って行った。



 昔を思い出す。



 昔は、よくこの山にも遊びに来たものだ。



 しかし、今となっては取り留めの無いちっぽけな思い出に過ぎなかった。



 「・・・おかしい・・・あの角度、あの高さからいくと、この辺りなのだが・・・」


 俺は、明らかに冷静さを失っていた。


 息を切らせ、無心で走り、流れ星・・・そう、流れ星に見えたあの物体を探していた・・・



 あの時、何かを直感したのだ。



 普段の俺なら、まず気にしないだろう。


 ・・・しかし、ただの流れ星とは思えない何かが、それにはあった。


 その何かが何なのかは、さっぱり分からなかった・・・



 しかし、今の俺には、その「物体」に対する「興味」があった。



 ・・・いや、興味ではなかったのかもしれない。



 「何を考えているんだ、俺は・・・」



 自ら自分の考えを否定し、我武者羅にその「物体」探した。



 「・・・無い・・・」



 おかしい・・・

 無い筈は無いのだ・・・


 確かに見た・・・


 光り輝くあの物体・・・



 ・・・焦っていくのが、自分でも分かる。



 だが、その時・・・


 僅かだが、あの光を見つけた。


 すぐさま冷静になっていく・・・


 「・・・光が弱くなっている・・・」


 慎重に近づく・・・


 「・・・! これは・・・」


 一瞬、自分の眼を疑った。


 夢ではないかと思う程に・・・


 その光は微弱になりながらも、確かにその子の内側から放たれていた・・・



 ・・・そう、光を放っていたのは、この赤ん坊だったのだ・・・

初めての連載作品です。

基本的には各章に分けただけです。


執筆・公開は○年(あえて伏せます)前、

学生時代の頃です。


「・・・」という部分が多くてすみません。

当時は微妙な間の表現方法がうまく出来ず、

かなり多用してしまっています。


色々と詰めが甘い部分や

作品としての設定や面白さ、出来栄え等、

完成度はかなり低く恥ずかしいのですが

思い切って投稿してみました。

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