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悪魔の心臓  作者: 緑の金魚
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ラスト

 ちょっとした悪戯を思いついたので試してみた。


 アシュタルトの心臓を封じて聖堂に安置しておく、悪魔の心臓を神の身許に置いておくなんて笑えるだろう。

 紗々を痛め付けたのだからこれくらいの悪戯なんでも無いだろう。



※※※※


「悪魔め!滅びよ」


 昔、退屈で国を滅ぼした生き残りが襲って来やがった!いつもなら返り討ち余裕なのに、くそ!セバスに受けた傷が治りきってなかったのが敗因か。


 ひとつ、ふたつと心臓が減ってゆく、その度に大昔に心臓を取り換えておいた女から蘇った。逃げてもすぐに居場所がばれる。

 戦って傷ついて、体はぐじゃぐじゃになる。


 とうとう最後だ・・確かセバスに取り返されたが、いまだ心臓は潰されていないようだ。

 必死に心臓の気配を辿ると、そこは王都の大聖堂だった。


 聖堂に安置されている、クリスタルの中の悪魔の心臓めがけて、アシュタルトが飛び込んだ。

 だがおぞましい怪物と成り果てたアシュタルトの姿のままでは、神聖な結界を施したクリスタルに阻まれ最後の心臓を手にすることが出来ない。


 ぎりっと歯噛みし、青い血を流し瀕死のアシュタルトは考えた。


 心臓さえ手にすれば、力は戻る。


 アシュタルトはズルリと怪物の体から這い出した、一番似てる形状はなめくじだろうか。巨大ななめくじはぬらぬらと照りひかり蠕動運動でクリスタルに近づくと、最後の力を振り絞り分厚いクリスタルを魔法術式で割り砕いた。


 バリン!


 アシュタルトは、ズルリズルリとクリスタルが割れた隙間から心臓を取り込んだ。





ヴギャアアアアアアアアアアアアアアアアア

シュウウウウウ ジュウ ジュワアアア


 巨大なめくじがドンドン内側から溶けてゆく。

 心臓から体が溶ける!何だこれは!溶けた体液と痛みでグジャグジャに崩壊しそうな思考を必死にかき集め考えた。


 !


 これは・・ク、クリスタルではない・・魔法術式で極限まで純度を上げた・・・・が、岩塩か!!!。

 心臓は・・わ、私の心臓は、塩漬けの心臓に・・さ、されていたのだ!


 くそ!セバスチャンめ!


 ひ、必死に・・最後の力を・・振り絞り、が、岩塩を・・割り砕き・・・・し、塩漬けの心臓を・・・・・・と、取り込むとは・・天晴れだよ!


 グジュリ・・・・。


 自分の最後の塊が溶け落ち思考も止まり息絶え、ここに異界の悪魔は完全に滅んだ。



※※※※


 案外あっけないものだなと思って観ていた。

 街に買い物に行ってた紗々が帰ってきたようだ、水鏡の映像を消して迎えにでる。


「ただいま」

「おかえり」


 この小さくて温かくて愛しい妻を脅かすものはもういない。

 満面の笑みで紗々を抱きしめた。

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