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聖獣達の鎮魂歌外伝~預言者の物語~  作者: 悠介


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第一話 外園という男

 ふむ、こんないい陽気の日には、デッキに出てウィスキーでも傾けるが良いだろうか、船旅の中で傾けるウィスキーと言うのは、中々乙なものだ。

 ん?私が誰かって?おっと、忘れてもらっては困る。

 私はただの語り部、その名を外園、名はとっくのとうに捨ててしまったよ、兎にも角にも、私はほかぞの、だ。

 今こうして大陸を回っている蒸気船「グランマリア号」に乗って、ジパングという、守護者ゆかりの地に向かっている私と、君は確かソーラレスに仏門の研究に行くんだったね、そんな私達の出会いに乾杯、と言っておこうか。

 さて。

 私がこうして旅をしている理由、私が「守護者」という存在に関する伝承を集めて、それに対してアクションをしようとしている理由、については、そう……。

 あれは、七百年ほど前の話になるだろう、私が守護者を求める理由、この世界の守護者たる竜神様方ではなく、「セスティア」という世界に隠居をした、私が生まれる前に起こった大戦争を鎮めた「聖獣の守り手」という守護者に関する情報を集めている理由、それらはすべて、私が「予言」をしていた身だから起こった事、と言って違いないだろうね。

 故郷を失い、友を失い、国を捨てて、そして世界の為に奔走している、その許可は取るべきところには取った、この世界の守護神であられるデイン様に、世界を守る為の助力をして欲しい、と歎願されてしまったら、それはもうどうしようもなく賛同するしかないだろうね。

 ……。

 外園という名は、アンクウと言われている存在の名前だ、アンクウとは、死神を意味する妖精言葉、とでも言えば良いのだろうかね、私にとっては忌々しい称号、蔑称、別名、それがアンクウという名だ。

 私は「フェルン」という、精霊の治める国ので出でね、竜神様が治めている「ドラグニート」や、オリュンポスの神々が治めている「マグナ」、仏陀という、仏という存在の治めている「ソーラレス」、はたまた麻薬という快楽物質で国を操っているという、亜人の治める国「エクイティ」やら、人間が統治している国である「ノースディアン」「サウスディアン」、日独立国家島である「ウィザリア」と、様々な国を回って、今はこうして、聖獣という、ある種精霊に近い神が守護をしている「ジパング」へと向かっている。

 む、デスサイドへは渡らないのか?あの国は私が百歳の頃に「如何なる存在も立ち入る事を禁ずる」という、国際条例が出来たんだよ、だから、私の様な凡夫が立ち入る訳にはいかない、という訳だ、万が一船が出たとしても、その大地にしみこんだ「闇」の力によって、墜ちてしまうのが大概のオチという訳だ。

 さて、何処から話を始めるのが良いだろうかね。

 私の足跡を語るべきか、それとも現在を語るべきか、それとも見てしまった未来を語る……、いや、これに関しては語るべきではないね。

 兎にも角にも、私は旅をしている、ウィスキーを片手に甲板に出てきて、グラスに注いでそれを煽りながら、ジパングを目指している、それだけを今は認識して貰えればいいだろう。

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