23話 認識
……なんだ?何が起こった?
相手は、ずっと俺の魔法の中にいたはず。
腹部から大量の血が流れていくのを感じる。
……まずいな、これじゃまともに動けない。
厳しい訓練を受けてきたとはいっても、ここまで血を流したり、激痛を伴うようなことはしてこなかった。
「俺の方が、一枚上手だったみたいだねぇ。」
リオネイアは、無傷だった。
「俺は、魔法の二重展開は、得意な方なんだ。」
炎花落を破りながら、俺の後ろに、魔法を展開してたってことね。
気配を探知するのは、得意な方だと思ってたんだけどな。
「最期だから、教えてあげるよぉ。風影の剣って魔法なんだぁ、風のように速く、影のように気配がない。」
なるほどね。俺のいた場所なんて、気配探知で調べるのは容易だろうしなー。
ダメだな、もう意識が……
「おーい、……やっぱり子供は脆いねぇ。すぐにダメになる。まあ、いいやぁ、よくがんばりましたぁ。どうせ死ぬ運命なのはわかってたんでしょ?」
いまさらだな。結局最後まで、何が言いたいのか、よくわからないやつだったな。
「お兄ちゃんのためとはいえ、まあ、命をかけた、そのお兄ちゃんも結局は死ぬんだけどねぇ。」
……は?
「当たり前でしょ。俺、こっち側では、有名なほうなんだぁ。だから、姿を見た人間を放っておく訳にはいかないの。」
「ねぇリュシオン、幸せだと思いなよ。どちらかが残されるよりも、きっとマシな結末だ。……残されるのは辛いんだよ。」
それだけは、ダメだ。他のどんなものよりも、シアンの未来を、あったはずの幸せを、奪われるのだけは。
「……?リュシオン?」
その瞬間、俺は立ち上がった。
不思議な色の光に包まれて。




