20話 余裕
魔法陣に飛ばされて、ついた場所はまた廃墟のような場所だった。
こんなことになるなら、空間魔法をもっと使えるようにしておくんだった。今の場所がどこかわからない。
もし魔法陣が使えなくなったら、アイルたちが助けに来れない可能性があるのに。
「もう一人、子供が迷い込んできたみたいだぞ。」
大柄の男が話す。シアンは……下っ端っぽいのに囲まれてんな。
「お前は誰だ。こいつの知り合いか?……いや容姿的に兄弟か?」
「お前こそ誰だ?それにここで何をしている?」
下に見られないように、強い態度で話す。
シアンは危害を加えられていないみたいだけど、兄弟ってことがバレた以上、こっち側が不利なことは変わらない。
「強気だな、お前の兄弟はこっちの好きなようにできる体勢だって言うのに。」
この大柄の男がリーダーっぽいかな、やっぱ。
「質問に答えてもらおうか。急に来たはずのあいつに危害を加えられる準備ができていたなら、良くないことをしているのは、明らかだろうが。」
「子供のくせに、本当に強気だな。まぁいい、答えてやるよ。ここは俺たちの犯罪拠点の一つでな。いろんな場所に行けるように、いくつかの魔法陣を設置してあるんだよ。お前らが通ってきた魔法陣もその一つだ。」
なるほどねぇ。帰ったら言っとかないとなぁ。
「まぁ、平和ボケした町においてあるせいでお前らみてぇな一般人が来ちまうこともあるがな。……そんなやつらがどうなったか、知りたいか?」
「いや、直接見るよ。どうせここに跡もあるんだろ。」
練っていた魔力で雷を発生させ、そのすきに男の後ろに回り込む。
「うちの兄に手を出したこと、後悔するんだな。」
後ろから容赦なく火魔法を打ち込んだ。




