19話 不穏
それから数日がたち、今日はシアンと二人だけで出かけることになった。
危険時のための魔道具も持っているし、二人だけで出歩くほうが気を張らなくていいし、楽しみだった。
「シオン、どこ行く?」
「せっかくならあんま行ってないとこ行ってみる?なんか領地見回ってるときに気になったとことか。」
二人だけなので素のままにできるのが楽でいい。
慣れると思ってたけど、違和感がすごくて、ちょっとしんどかったし。
「やっぱ、素の方が違和感なくていいな。」
「だよね。……でも素は怖いから出したくないんだよね。」
信頼できない人へは不信感が伴ってしまうから、結局、猫被ってた方がいいやってなっちゃうんだよね。
「じゃあさ、あっちの方行かね?あんま人がいるの見たことないし、なんかありそうな感じしねぇ?」
「どんな感じ?それ。まぁそれなら行ってみよっか。まだまだ時間あるし。」
そしてシアンの言った方に向かってみることにした。
「なんかあんま手入れとかもされてなさそうなとこだな。」
「そうだね。そんなに人が多いところから離れてはいないから、大丈夫だとは思うけど。」
そういえば、サフィーと会った林は、けっこう手入れされてそうだったんだけどな。なんか違いでもあんのかな。
「シオンはやく!」
そんなことを思っている間にもシアンは、先に進んで行こうとしている。
「待ってよー、シアン!」
そうやって進んでいくと、
「シオン、これ。」
急に前を進んでいたシアンが足を止めて、驚いた顔をして、こっちを向いた。
「これは、廃墟?」
こんなとこあったんだ。ツタが家にまとわりついていて、明らかに人が住んでいるということは無い。
明らかに怪しいな。
「なんかここら辺だけ、綺麗じゃね?」
シアンが廃墟の一部分を見て言う。
「シアン、危険がないって決まってる訳じゃないんだから。」
「わかってるって。」
そう言いながらも廃墟の中へ進んでいく。
聞いてんのか聞いてないのか。
「これなんだ……」
急にシアンの気配が消えた。
「シアンっ!」
急いでシアンの行った方に向かう。
「これは、転移の魔法陣か?なんでこんな所に。」
アイルたちを呼んでくるか?いやでも迷っている時間はない。
危険を知らせる装置だけ起動して、魔法陣に飛び込む。
「シアンは、絶対に俺が守るから。」




