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13話 犬狐の仲

いつもいつもリツイート&いいねに感謝ぁっ!

今回はコンの耳と尻尾について語りましょう。ザックリね


Q

なんで尻尾と耳が動くの?葉っぱじゃん?

A

コンが得意な変化の術は対象の物体を自分の魔力で包み

形を作る技です、因みに魔力を包んで変化させるため

包んだものよりも小さいものに変形させることはできません。

コンの尻尾と耳が動くのは無意識に魔道性疑似神経を繋げているためです。

実は超上級技能だったりします、当然痛覚もあります。

天才なんですね、コン。

ただ流石に耳は聞こえません。人間の耳で聞いてます。

 コンが尻尾を振っている、耳もピコピコさせて上機嫌だ。


「どうしたんだ?コン随分機嫌よさそうじゃんか」

「ん~?幾つかいいこと思いついたの!」


 タワケが顏をしかめる


「・・・嫌な予感しかしないな」

「ひとつはね~・・・かあちゃん居ないね?」

 コンが辺りを警戒する素振りを見せる。


「狩りに行ってる時間だもんね、とーちゃんこっち来て」

 悪そうな笑顔でタワケを手招きする。


 もしかしてコレってウツケに日頃の恨みを晴らすチャンスでは!?

この手招きってそういうことですよね!やらいでかぁ!


「何なにナニ?なんか面白そうじゃんか!」


 タワケが5本の尻尾をフリフリ、ウシシシと笑いながらヒョコヒョコ

コンに近づいていく。


 ズボシャ!

 地面に前足が飲み込まれた、そのことを認識した頃にはもう全身が

万有引力の法則に従って落下していた。


「あああぁあぁ!おのれ、(たばか)りおったなコォォォォォン!」

「きゃはははははは!うきゃはは!3日かけて堀ったの!きゃはは!!!」

「痛っ!深!この穴ふっかぁ!!この恨みはらさでおくべきかぁぁぁ!

今夜夢に化けて出て脅してやるからな!覚悟しろコンニャロー!!」

「きゃはは!コワイ、コワーイ!悪霊退散!んん!ポォン!!」


 葉っぱを岩に変化させて落とし穴を完全に塞いだ。


「うわぁ!なんだ暗くなったぞ!?なんだ!?何をした!??」

「悪霊さーん!町に遊びに行ってくるねー!」

「待って!?置いてかないで!?お願い!コン?コーン!

コンさーん?おーい、コン様ぁぁぁぁぁぁ!!!出してぇぇぇぇ!

暗いよ怖いよ狭いよぉぉぉぉぉ!!!」


 コンはもうその場に居なかった。

ウツケが戻って来ても事態を察したウツケはタワケを

放置するのであった。


「あ!狐火で照らせば少しマシに・・・アチチ!!尻尾燃えた!!

アッツ!あっつぅ!うわアッチィ!!ちょ、誰か助けてぇぇ!!」


 穴を塞ぐ岩の上でウツケがくぁ~っと欠伸(あくび)した。




―― 昨日 ――


「ダイジョブ?」

「うん、ゲホゲホ!」

「大丈夫じゃなさそうだけど・・・」

「あ!晴斗君だぞ!!」

「あ!?隣の子は俺のことを変態扱いした子だぞ!!」

「俺達はあの子にノックアウトされたんだよ!」

「それより晴斗君だろ!!町長呼べ!!」

「大騒ぎになってるね・・・ほんとダイジョブ?」

「大丈夫だってば、コンちゃん、もう帰っていいよ?」

「ちゃんと謝んなきゃ、一緒に居るよ」

「魔法使いだってバレちゃうかもよ?」

「うっ・・・」

「ね?うまく誤魔化しておくから」

「ごめんね、ありがとう!」

「あ!尻尾娘が逃げたぞ!!」

「なんだ、そのあだ名!?」

「まて!コラー!!」

「晴斗君が先だってバカ!!」




――今――


 晴斗は公園にいるかな?

昨日のあの様子じゃ来れないかもしれない。

最悪病院まで会いに行こう。


 そうこう考えている内に公園にたどり着いた。


「晴斗は・・・居ないか、なんだか体格いい男の人が居るけど」

「ん?そこの君」

「え!?あ、あたし?ゆ、誘拐目的?」

「・・・おほん、晴斗の父、と言えばわかるかね?」

「えぇ!晴斗のとーちゃん!?そんなイカツい顏なのに!?」

「・・・君、無礼だなこれでも結構皆からは好かれてるんだ

自分で言うと説得力もあったもんじゃないが」

「ヒトって見た目じゃないんだね、なるほど・・・」

「なんかこの子ムカツクな・・・まぁいい、今日は晴斗は

来れないわざわざ来てくれて申し訳ない」

「やっぱり?調子悪そうだったもん」

「あの子は生まれ付き体が弱い、だから普通のこどものように

あまり外には出られないんだ」

「ごめんなさい、知らなかったから少し連れまわしちゃったの」

「・・・正直に言うと君を怒りたいところだが、ありがとう」

「?」


 コンが首をかしげる。


「晴斗は初めて友達が出来たと、本当に喜んでいた

怒り以上に親として嬉しいんだよ」

「あたしも、友達出来たのはじめて」

「そうか、今は晴斗の調子は整っているけど念のため今日は休ませる

また明日ここに来てくれるかね?」

「うん!晴斗のとーちゃん優しいね」

「・・・晴斗にだけだ」

「そうなんだ、でも誰にも優しくできないよりいいと思うよ!」

「そうか、ありがとう明日から晴斗を頼むよ」

「わかった任せて!」

 

 輝也は公園を後にする


 本音を言えば晴斗を外に出したくない。

だがそれは晴斗の幸せには繋がらない。

 晴斗の人生なのだ、私の人生ではない。

縛られて長く生きるよりも短くても自由な人生を送りたいだろう。

 私は前者が望ましい、長く一緒に居たい。

しかし晴斗は後者を望むに違いない。

 もし自分が何をすることも許されない人生だったらと思うと

ゾッとする。だから晴斗もきっと自由を望む。


「何を選んでも辛いことに変わりはないか・・・

一緒に居る為に私はなんでもするぞ、晴斗 なんでもだ」


 

 晴斗のとーちゃん最後何て言ったんだろ?

よく聞こえなかった。

 まぁいいや、今日は凪音さんの家行こっと、文字を教えて貰うんだ~♪


 凪音の家に向かう途中で変な人物に出くわした。

壁に向かって『付いてくるな!』とか叫んでる。

アイツも変態の一種なのかな?距離を開けてすり抜けよう、襲われたくない。

 

 コンがの視線に気が付いた眼鏡の若い男性はフンと鼻息を鳴らして

速足で歩き始めた。

・・・なんだろ、変な人。


きっと相手も変な奴と思ったに違いない

なんせ着物に尻尾と耳がある少女だ。


 雨入家に続く狭い道に入ると今度はコンが見たことない動物を見つけた。

小柄で毛のフサフサした動物、小型犬のポメラニアンである。


「・・・」


 コンが条件反射でかがみ込み気配を殺す、狩猟本能だ。


 山じゃ見たことないけど、美味しいかな?

食べればわかるか。


 そろりそろりと獣の後を追う。

変な獣だ、背中に長い棒を背負っている。

棒は獣の全身より少し長い。

 後ろから襲うのにちょっとあの棒きれが邪魔だけど

なんとかなるだろう。

飛びかかろうと体に力を入れたときだった。


「え!?」


 なんとポメラニアンが二足歩行を始めたのだ。

つい驚いて声をあげてしまったために相手に気が付かれてしまった。

 こちらに振り返ったその顏には盗んで来たであろう肉料理の盛られた

小皿が銜えられていた。


「・・・」

「・・・」


 2秒ほどの沈黙ののちにポメラニアンの方が逃亡を開始した。

二足歩行のままである。


「あ!まてぇ!!」


 慌ててコンが二足歩行ポメラニアンの追跡を開始する。

 ポメラニアンは走りながら両前足で小皿を持って

料理をムシャムシャ食べながら走っている。

 コンからしたら衝撃的過ぎてまるで宇宙人との遭遇レベルの

驚きである。


「キャウ!」


 ポメラニアンがフィギュアスケートのようにスピンジャンプを

してこちら目掛けて小皿を投げてきた。


「うわ!危なッ!!なにすんのよ!絶対捕まえてやる!」


 ポメラニアンは着地と同時に四足歩行に戻る。

 やはり基本は四足歩行のようで二足歩行よりも

速度がグンと上がった。


「あの獣速い!何なのあいつ!」


 ポメラニアンが壁に飛びつき三角飛びで無駄なく角を曲がる。

見失うまいと速度を上げて角に差し掛かる。


 ガッ!

「あいた!」


 コンは何かに引っかかって転倒してしまった。

「いてて・・・」


 起き上がってみると引っかかったのはポメラニアンが背負っていた

棒きれだった。

 なんと角を一気に駆け抜けたフリをして棒を構えて

待ち伏せしていたのである。

 再び二足歩行状態の獣とコンの目が合う。

するとポメラニアンの方が短い前足を口元まで持っていきプスッと

コンをバカにするように笑ったのだった。


「あったまキタ!!丸焼きにして食べてやる!!食らえ狐火ぃ!!」

「キャウ!?」


 火の玉がポメラニアンに襲い掛かるが。

持っていた棒きれで火の玉を叩きバシャッっと辺り一面に

水しぶきが飛び散った。

マスコット枠登場ですねぇ、すぐに居なくなってしまいますが。

俺の家の犬がモデルです。


とあるものを探して放浪の旅をしている犬です。

イヌじゃないです犬です。


次回「狐につつまれて14話」「俺の家のイヌもネコも超わがままなんだけど、可愛くて怒れないんだけど誰かたすけてほしいんだけど、でも振り回されるのも嫌いじゃないんだけど」

みんな、絶対見ないでくれよな!!!


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