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第三章:BEAST WARS③

 エルデニアの町並みはいつもとは違う姿を見せていた。

 日本で言う提灯の様な物が町を彩り、また普段は目にしない屋台が幾つも出店されエルデニアへと訪れた人々を温かく出迎えている。

 今日は武術大会本戦が開かれる前に開催される前日祭だ。

 祭が行われる日は異様にテンションが高くなる。それは普段目にしない風景がそこに描かれるからであり、普段感じない人々の活気に満ち溢れているからでもある。屋台の焼きそばやたこ焼きも一見すれば普通の食べ物だが、雰囲気が違えばいつも以上に美味く感じたりするものだ。

 そのいつも以上に活気に満ち溢れた町並みを、龍彦はエルトルージェと共に肩を並べてエルデニア城を目指していた。


「…………」

「…………」


 お互いに何も喋らず、ただ黙々とエルデニア城へと向かって歩く。

 昨日の大浴場で起きた一件より気恥ずかしさが勝り、食事の時も就寝する時も、そして目を覚ましてからも言葉を一切交えぬまま宿を一緒に出た。

 エルトルージェの美しい裸体が目に焼き付き興奮が冷めず寝付けなかった龍彦は、寝不足により何度も大きな欠伸を零していた。その隣でエルトルージェも同様、大きくも可愛らしい欠伸を零している。

 視線が合う――瞬間、爆発的に蘇るエルトルージェの裸体に龍彦は慌てて顔を背けた。直視し続けると年頃の男として色んな妄想が生まれてしまい予選に集中出来なくる。それ以前に公衆面前の前で下半身に宿る分身をいきり立たせるなどただの変態でしかない。

 それはエルトルージェも同じなのだろう。そっぽを向きスカートを強く握り締めている。

(落ち着け……落ち着くんだ俺。今は何も考えるな……)

 心頭滅却。武術大会の事だけに思考を集中させ、荒ぶる感情を龍彦は鎮めさせる。

 そうしている間にエルデニア城へと到着した。昨日受付を行った場所には百人を超える参加者達の声で賑わい、闘気によって空気が熱されている。そして皆大きく張り出された予選表に視線を向けていた。


「俺は……Dブロックか」

「あ、アタシも……」


 予選表に書かれている自分のエルトルージェの名前。

 同じブロックにいる以上予選で彼女と当たる可能性があると危惧し、それは直ぐに解消される。AからDブロック、同時に四つの場所で予選を行いその中から二人が本戦へと出場出来る仕組みになっている。幸いな事にエルトルージェと途中でぶつかる可能性はない。

 カエデやカルナーザ、ライラも上手い具合にそれぞれのブロックに分かれている。そしてこれは運命と言うべきだろう。本来の出場者である正規キャラの三人も各ブロックに一人ずつ入り、二人の内の一人として入っている。

 その中に、例の亜人らしき姿は見られない。


「なぁエルトルージェ、この中にお前が言っていた例の亜人……いるか」

「アタシもさっきから気になって探しているけど、この中にはいないわ。仮に返送していたとしても一度戦った相手の魔力を忘れたりはしない……けど」

「該当者なしって事か……」


 本戦に出場して命を狙うと言う龍彦の思惑は外れた。潜伏している可能性は低いと実際に例の亜人と戦った経験を持つエルトルージェが言う以上間違いない。ならばその心配が消えたのなら、今は本戦へと出場出来る事だけに集中すればいい。

 参加するべき筈だったレティヘロは既にいない。

 エルトルージェ達の実力ならば余裕で本戦参加の切符を手に入れる。心配すべきは相手ではなく自分である。龍彦は両頬を叩き気合を入れた。


「よし……それじゃあ行くか!」

「ちょ、待ちなさいよ! そっちはAブロックよ!」

「あ、素に間違えた……」

「まったく……しっかりしなさいよね」

「あ……」


 呆れつつも優しい笑みを浮かべたエルトルージェ。

 スカアハの館で出会ってから初めて笑顔を見せた。今まで出会ってきたどの女性よりも、彼女の笑みは太陽のように明るく男を魅了させる美しさが醸し出されている。

 エルトルージェが最高に可愛い。龍彦はその笑みにだらしなく頬を緩ませ、恥ずかしくなったのか怒った様子で背中を向けるエルトルージェに背後から抱き締めたいと湧き上がる欲望を必死に抑え込んだ。


「タツヒコさん」

「うっ! カ、カエデ……!」


 ユキ達を従えたカエデに龍彦は身構える。その様子を面白そうに笑うカエデの背後からカルナーザ、ライラと現れた。


「そう警戒しなくてもいいじゃないですか。予選表を見る限り私達がここで消えると言う事はまずないでしょう」

「カエデの言う通りだな――我らがここで消える事はまず有り得ん。やはり我を満足させてくれるのは主達しかいないようだな? タツヒコ、エルトルージェよ」

「ハン! また返り討ちにしてやるわよ」


 不敵な笑みを浮かべ合うエルトルージェとカルナーザ。昨日とは違い今の彼女達は正に互いの実力を認め合う好敵手ライバルとして対峙し合っている。力のカルナーザと速さのエルトルージェ……この両者の戦いが現実ではどのように繰り広げられるのか。一目惚れして以来彼女と共に戦い続けてきた一プレイヤーとして、これ程心踊る事はない。ましてやそれが想い人ならば尚更の事だ。


「今年は私が優勝させてもらいますよ。クズノハの里長として、そして一人の女として、何がなんでもタツヒコさん……貴方を私の夫として迎えます」

「えっと……カエデさん? 一応確認するけどさ、夫云々の話……マジ?」

「マジも大マジです――そうそう、知っていますかタツヒコさん。人狐ウルペス族の女性は一度でも“惚れた”相手を絶対に諦めたりしません。同じ異性を好きになれば巡って戦うなんて事も日常茶飯事です。そしてどの種族よりも嫉妬深いので、どうかそのつもりでいて下さいね?」


 飢えた猛獣が狙いを定めた獲物を絶対に逃がさんとするが如く、優しい笑みの中に強い執着心を孕んだ目を向けるカエデに龍彦は身震いした。そして同様の視線が右と正面から同時に向けられる。視線の主は言うまでもない、カルナーザとライラの二人だ。


「何を言うかカエデよ。タツヒコは我の物だ、主には渡さん」

「むぅぅ……私だって絶対に負けませんからねぇ!」

「ま、まぁアンタ達で好き勝手に争えば? 一人の男に現を抜かしてみっともない姿を晒さない事ね!」

「え~それでは只今より武術大会本戦出場者を決める予選大会を行います! 選手の方は各ブロックへ速やかに移動して下さい!」

「そろそろ始まるみたいだな」

「ではタツヒコさん、また後ほど……」

「ではなタツイコ。本戦で主と当たる事を楽しみにしているぞ」

「ダーリン、ライラと一緒にロンモンを経営しましょうねぇ!」


 三人とも各ブロックへと移動していく。その背中を苦笑いを浮かべながら見送り、龍彦もエルトルージェと共にDブロックへと移動した。


「それではこれより予選を行います。各ブロックのリングには本戦同様リアルラの魔法がリングに施されています。万が一が起きてもいいように医療班もいる為皆さん全力を尽くして戦って下さい!」

「なぁエルトルージェ、リアルラの魔法ってなんだ?」

「早い話、リング全体を覆う特殊な結界魔法よ。その魔法が施されている場所に入ればどんなに殺傷能力が高い攻撃でもそれを擬似的に身体に伝えるよう魔法が働くの。擬似的って言っても実際に傷とか出来るし場合によっては骨折だってするわ。それとたまに

だけどその効力を無効化にする程の魔法を使う連中もいるの」

「なるほど。その為の医療班って事か。冷静に考えてみればそう言った配慮がなかったら武器有りとか普通許可しないよな」

「当たり前でしょ。因みに結界の外に出たら傷は嘘のように消えるから安心しなさい」

「それではまず第一試合を行います――」


 予選第一試合が行われる。

 リングの上で闘う二人の男。怒号にも似た叫び声と共に振るわれる双剣、中空を駆け抜ける双刃が交わる度にけたたましく金属音が反響させ火花を激しく散らす。その戦いに選手達がおぉ、と驚嘆の声を上げる中……龍彦は一人気怠そうに観戦していた。

 バズーの時と同じく、男達の動きがあまりにも遅い。果たしてこのあまりにも緩慢で殺陣のようにしか見えない戦いの何処に周囲は凄いと感じているのか、龍彦にはそれが知り得ない。

 そんな戦いもようやく終わる。


「それでは第二試合、タツヒコ・ハギリ選手とミーア選手前へ!」

「俺の番か」

「ちょっとアンタ、こんな所で負けたりしたら承知しないわよ?」

「もしかして俺の事心配してくれてる?」

「ば、馬鹿違うわよ!

「はいはい――でも有難うエルトルージェ」


 エルトルージェに見送られながら龍彦はリングへと上がる。対戦相手であるミーアと言う男は武器を何一つ携帯していない。両腕に装着された白銀に輝く手甲……これこそが男の武器である。相手の攻撃を防ぐだけでなく拳打の打撃力を向上する事が可能だ。即ち彼が彼が得意としている戦法は徒手空拳術となる。


「それでは試合開始!」

「オラオラオラオラオラッ!!」


 先に仕掛けたミーアが連続で拳を打ち出してきた。

 傍から見れば怒涛の連打ラッシュ、なのだろう。しかし龍彦の目には幼少期の男子ならば誰しもがやった格闘技ごっこのようにじゃれているようにしか映っていなかった。


(人間相手だと、やっぱり遅いな……)


 飛んでくる拳を片手で捌き、龍彦はミーアの鳩尾にカウンターの拳を打ち込んだ。


「ごもっ!」

「終わりだ」


 深々と食い込んだ拳を龍彦は静かに抜く。

 鳩尾を抑えながらおぼつかない足取りで数歩後退し、そのまま前のめりに倒れて動かなくなったミーアの姿に会場がしんと静まり返る。その数秒後、我へと返った審判が慌ててミーアの元へと駆け寄る。

 安否確認を暫く取った後、審判は勢いよく右手を上げた。


「ミ、ミーア選手失神! しょ、勝者タツヒコ選手!」

「お、おいあいつ今何やったんだ?」

「多分殴ったんだろ……でもまったく見えなかったぞ」


 周囲から驚愕と困惑のどよめきが起きる中、龍彦はミーアを殴った右手を見つめ小さく溜息を吐いた。


「まぁ初戦にしてはよかったんじゃない――ってどうしたの?」

「……すいません審判」

「ど、どうかしましたか?」

「これ以上こんな形式で戦っても時間の無駄なんで、エルトルージェを除く全員の選手出させてくれませんか?」

「えっ?」

「エルトルージェは去年も出ている、だからその実力は既に誰しも知っているからこのブロックから本戦に出場出来る一人として数えても問題はない。残る一人は……俺しかいないって事ですよ」

「な、なんだとテメェ!」


 観戦していた選手達が敵意を剥き出す。そんな彼らを龍彦は鼻で一笑に伏し、言い放つ。


「だったらハッキリ言ってあげましょうか。お前達じゃつまらないから出場を諦めろと……そう言ってるんですよ俺は」

「き、貴様……! この私を侮辱するとは容赦せんぞ!」


 剣を抜き放った一人の男が斬り掛かってくる。龍彦はその剣が振り下ろされるよりも迅く男の顔に上段回し蹴りを叩き込んだ。


「俺は強い奴と戦いにきたんだ。その願いに答えてくれそうな輩は……このブロックの中じゃエルトルージェを除いて誰一人いない。だから……まとめて掛かってきて下さい。その方が効率がいいでしょうからね」

「じょ、上等だコラァッ!」

「後悔すんじゃねーぞガキが!」


 怒号を上げて次々と選手達がリングに上がり向かってくる。

 龍彦は向かってくる相手を殴り、蹴り飛ばし、投げ飛ばしては周囲を巻き込み、女性が相手なら牛殺し……早い話がデコピンで倒していく。どれだけ束になって掛かってこようとも、スローモーションに映っている以上その攻撃が龍彦に当たる事は決してない。届くよりも先に間合いを詰めて一人、また一人と倒していく。

 昔見た映画のワンシーンのような光景に笑みを小さく浮かべつつも、龍彦は最後の一人を巴投げでリングの外へと投げ飛ばした。

 乱闘騒ぎも終わり再び静寂に包まれたDブロック。エルトルージェと審判が目を丸くしている中、リングの中央にて両足をしっかりと着いている龍彦は落胆の溜息を漏らしながら服に着いた埃を払い落とす。

 やはりモブでは誰一人として強いと思える相手はいなかった。


「な、なんなんだよ……テメェは」

「さぁな。ただの剣士だよ俺は」


 倒した中でまだ意識を保ち、掠れた声で尋ねてくる男に答え龍彦は踵を返しエルトルージェの元へと戻る。


「……アンタ、結構強いじゃない。ま、まぁアタシと互角に渡り合えるぐらいだから当然よね!」

「まぁな――それより審判、これでこのブロックからの出場者は俺とエルトルージェって事で構いませんよね?」

「……え? あ、よ、予選終了! Dブロックよりタツヒコ選手、エルトルージェ選手、本戦出場決定!」

「どうも――なぁエルトルージェ、まだ他のブロックが終わるのも時間が掛かるだろうし、ちょっと町に出掛けないか?」

「えっ? な、なんでアタシがアンタなんかと……!」

「昨日は色々とあったし、それにカエデがいると落ち着いて観光出来ないからさ。ちょっとだけ付き合ってくれよ」

「し、仕方ないわね……その代わり何か奢りなさいよ!」

「よし決まった! それじゃあ一時間程したら戻りますからよろしくお願いします!」

「え、あ、はい……どうぞ、ごゆっくり……」


 心の中で何度もガッツポーズを取りながら、龍彦はエルトルージェの手を優しくもしっかりと握り予選会場を後にする。


「ちょ、どうして手なんか繋ぐ必要があるのよ!」

「細かい事は気にするな!」

「気にするわよ馬鹿!」


 不機嫌そうに罵ってくるエルトルージェ。しかしその手を振り解こうとしないなら、本心から嫌がっている訳でもない。彼女と今以上に親密な関係を築く為にも、今こそ交際した時を考えてシュミレーションしてきた実力を発揮する時だ。

 想い人とのデートと言うシチュエーションが叶った事に感涙しながら、龍彦はエルトルージェの手を引き城下町へと赴いた。




◆◇◆◇◆◇◆




 空が漆黒に染まり金色の月が神々しく輝いている。

 その月明かりが窓から差し込み部屋を薄暗く照らす中、龍彦は手にした一枚の羊皮紙を眺めている。書かれている内容は明日開かれる武術大会のトーナメント表だ。

・第一試合:レオ・グラディウス――タツヒコ・キトラ。

・第二試合:カエデ・クズノハ――アモス・ソルマン。

・第三試合:ヨシュト・プリムル――カルナーザ・デ・バラン。

・第四試合:ライラ・ホルスティオ――エルトルージェ・ヴォーダン。


「第一試合……それもレオが相手って言うのは非常に有難いな」


 不敵な笑みを龍彦は浮かべる。

 レオ・グラディウス――誇り高き獅人リオネフ族の騎士で性格は真面目。騎士団長を務めておりまた国王である父の命令に従い己の腕を試す為に、また父を超える為に武術大会に参加する。

 ゲームでは初心者にも扱いやすく、また特殊技が多い事で男女共に人気を集めたキャラでもある。そのレオは龍彦にとって武術大会で自分が倒すべき相手として心に誓う程の男であった。

 純粋に強者と闘うと言う気持ちは、あまりない。戦う原動力は、言うなれば嫉妬だ。


「いよいよ明日ね」


 不意に、ベッドに寝転がっていたエルトルージェが口を開いた。


「アンタいきなり試合じゃない。それに相手はあのレオ・グラディウス……国王の息子よ?」

「だからどうした? 誰が相手であろうと俺は全力をぶつけるだけだよ」

「アンタならそう言うと思ったわ」

「……そうだ。なぁエルトルージェ。昨日の事なんだけど」

「なっ! せ、折角人が忘れてたのにアンタって奴は……!」

「ち、違う……いや、違わないけども……俺が言いたいのは、血を舐めろって言った事についてだよ!」


 大浴場で血を舐めろと要求してきたエルトルージェ。あれが何を意味する行為だったのか、彼女の裸体を見てしまった衝撃に忘れていたが不意に脳裏に蘇った。

 尋ねた瞬間、急に何処か悲しげな表情を浮かべ枕に顔を押し付けるエルトルージェに龍彦は首をひねった。


「えっと……何か、悪い事聞いた感じか?」

「……別に。深い意味なんてないわよ。アンタももう忘れなさい」

「嫌だって言ったら?」

「はぁ?」

「深い意味がないのに血を舐めろなんて言う奴、普通いないだろ? アレがエルトルージェにとって何かしら大切な意味があるのは、この世界の人間じゃない俺にでもわかる。だから知りたいんだよ」

「……どうしてアンタはそんなにアタシの事を構うのよ」

「いやいや、普通に気なるだろ――まぁいい、前にも言ったと思うけど惚れている相手の事だからもっと知りたい……それが理由じゃ駄目か?」

「……アタシみたいな女の何処に惚れるのよ。アンタ見る目がないって言われない?」

「そう自虐するなよエルトルージェ。俺が知る限りエルトルージェは可愛いと思うぞ。今日のデートだって充分可愛い姿を堪能する事が出来たしな」


 前日祭で出店されている屋台にて、エルトルージェは殆ど飲食関係の店ばかりに足を運んでは要求した。既に路銀が危うい状況にまで陥ってしまったが、文句を言いつつも一口食べては幸せそうに頬を緩める彼女の愛くるしさに龍彦は甘んじで懐が寒くなっていく事を受け入れた。

 美乳にコンプレックスを抱き魅力がないと、女としての自信を彼女は持っていないのかもしれない。それでも、そのコンプレックスをも纏めてエルトルージェ・ヴォーダンを龍彦は愛していた。

 故に彼女ことを絶対に振り向かせたい。そんな気持ちが明日の武術大会で優勝する事よりも今は勝っている。


「……アンタ、やっぱり変わってるわ――アタシはもう寝るから。アンタもさっさと寝たら?」

「……結局教えてくれないか。でもエルトルージェから教えてくれるのを、俺はいつまでも待ってるからな――おやすみエルトルージェ」


 掛け布団に潜り込むように被るエルトルージェを見守り、遅れて龍彦も明日に備えて寝袋へと入り瞳を閉じた。


「……有難う」


 そんな呟きが遠くから聞こえてきたのを最後に、意識は眠りへと誘われる。

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