エピローグ
「おうおう、準備はいいかァ? 我が使徒たちよォ」
都会の夜景を高くから見下ろし、メビ子が声を上げた。
強風に煽られながら、すさまじく綺麗な光景に息を飲む。
「ひぃっ! 高っ! こわっ! ぶくぶくぶくぶく」
「あぁ! クラリんが気絶しちゃいました、隊長!」
「隊長じゃねェ! ボス、もしくは悪の権化メビ子様と呼びやがれェ!」
「メビっ子! メビっ子って良くない!? なんか可愛くね!? アタシこれからメビっ子って呼びますね隊長!」
「可愛さなんざいらねえんだよォ! 崇め奉れェ! ぶっ殺すぞッ!」
相変わらず我が強い連中だ。収拾がつかない。
「クラリはそこらへんに捨てとこうぜ。今回多分、使いもんになんねえから」
「てめえは楽しそうな顔してやがんなァ、ガク」
「笑ってねえとやってられねえだろ。こんなクソみてえに無謀で、イカれてる作戦はな」
メビ子のマントが風になびく。
自然と、気分は高揚していた。
命が掛かったギャンブル。
すぐそこに死が転がっている、この状況。
一歩間違えればここで終わりの一発勝負。
だが、こんな状況だからこそ、より一層『生』を感じることができる。
「ガク、楽しみだね」
エルマが人差し指で頬を吊り上げて、にっと笑顔を作った。
「なわけあるかよ。俺は俺のために戦うんだ」
「――うん、いいね。それだよガク!」
俺は息を吐き、そして感情のままに笑った。
「さあ、ステージ2だァ。気張れやァ」
メビ子の合図と同時に、俺たちは飛び降りた。
正解はなんだ。間違いはどれか。
どうだっていいんだ、そんなことは。
自分は何をしたいのか。
すべては心が赴くままに。
曲がるな。貫け。止まらず走り続けろ。
這いつくばっても、血だらけになっても、痛くて苦しくて死にたくなっても。
立ち上がって、自分勝手に笑いながら生きるんだ。
間違っていてもいい。
どれだけ多くの人を殺すことになっても、どれだけの人を不幸にすることになっても。
それでも俺はこの復讐をやり遂げる。笑いながら、自分勝手に。
だって俺は、ヴィランだから。
――さあ、間違いづくしで誤りまくった復讐劇を始めようか。
読み手を選ぶ題材ですが、ここまで読んでいた方々は誠にありがとうございます。
これにて文庫本一冊分が終了しました。
公募用に作成した物語で改稿のためにも、忌憚のない意見を頂ければ幸いです。




