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最終話

26年 9/12 12:23:ルレラ連合:北部戦線


陸自の北部戦線部隊は快進撃を続けていた。

後方の蜂起・撹乱で敵部隊の補給が途切れており、敵はまともな抵抗も出来ずに陸自に蹂躙されている。


「正面敵散兵」

「撃ち殺せ」


いくらルレラの山岳部隊といえども、山林戦の訓練を受けてはいるが、元々彼らの本領は平地戦だ

山と市街地を擬装しながら縦横無尽に駆け回る陸自部隊を捕捉すらできずに戦闘が始まり、混乱を起こしてそのまま壊滅するか投降する。

捕虜は木に片腕を拘束して発煙筒を持たせて放置だ。


ヘリが来たタイミングで焚かせれば、あとはヘリ部隊が回収後送する。

補給すらヘリだよりだ。

とてもじゃないがこの森林を突っ切って車両を走らせるのは無茶なので仕方がないのだが。


銃声が森林を支配する。

当たり前だが減音器(サイレンサー)など配備されていない。

そんなもの配備されているのは日本じゃ特戦や特警、警察の一部特殊部隊ぐらいだ。


一般部隊にそんなもの配備できるほど装備的にも予算的にも余裕はない。

いくら景気が良いとはいえ、軍需産業は劇的に儲かるほど優秀な事業ではない。

ある程度の採算は取れているようだが………


「敵分隊、下がっていきます」

「さっさと進むぞ。俺らの仕事は後ろでドンパチやってるエリート達の救援だ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


26年 9/12 20:48:ルレラ連合:ノブォシビルスク


「セクターB2、かなりの集中攻撃を受けています。予備戦力を投入していますが、既に消耗が激しいです。

士気は高いのですが………まともに飯を食えていないようで」

「本部の手隙を集めて温食を作ってやれ。できれば銃をぶっ放しながら食えるやつをな」


戦闘が始まって何時間か。

未だに優勢的な防御を続けていた。

地理的・情報的優位の賜物だろう。

だがそれでも物資的・人的消耗や体力的消耗は0にはできない。

必ずいつかはボロが出る。

できれば早く本隊が合流してほしいが………無茶を通すのが俺達の仕事だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


26年 9/14 2:30:ルレラ連合:北部戦線


陸自部隊は順調に快進撃を遂げていた。

夕刻にはノブォシビルスクに対し攻撃を開始し、レジスタンスと共に現在は中核施設の奪還中である。

そんな中核施設の中に、ひとつだけ特別なものがある。


他の施設とは一線を画す洗練された外見。

明らかにルレラの技術力を凌駕した建材。

そして、随分と厚着をした警備と出入りするアジア人。


中華人民共和国。


彼らの新しい根城である。


そして、彼らに対して因縁のある部隊がヘリで移動を開始していた。


[飛竜1より全機へ!LZまで残り30秒!]


「全員、装具確認。セーフティ解除。敵は発見次(サーチ・アン)第ぶち殺せ(ド・デストロイ)

港区のお礼参りだ。あん時逃げたことを後悔させに行くぞ」


皆が無言で装具の点検をしている。

だが、その目には全員。

全員、底の見えぬ殺意が宿っていた。


中国大使館襲撃作戦………特戦の中では港区の悪夢と言われているあの作戦のお礼参りだ。

もともとは普通科が包囲する予定だったが、特戦群が何がなんでも地獄を見せてやると作戦をねじ込んだ。


「LZに到着!GO!GO!GO!」


ブラックホークから隊員が降下する。

降下した隊員がプラスチック爆薬で天井を吹き飛ばす。

突入し、隊員が武装した人員を見つけた瞬間絶命させる。


全員殺気立っているせいで普段よりもパフォーマンスが高いらしい。

前回から訓練の密度も上がった。

朝起きて訓練して訓練して訓練して翌日に寝るのが最近のルーティーンとなっているまである。


中国大使館は自衛隊が接収して訓練設備になっている。

あの場で何度も、何度も何度も何度も。

何度も訓練をした。

あらゆる戦術を研究し、射撃の精度を磨き上げ、連携を強固にし、使命をその魂に刻み込んだ。


今日がそのお礼の時間だ。


「アルファクリア、次!」

「ベータクリア、このまま下に突っ込むぞ」


南西と北東から制圧を開始する。

3階建ての建築を24人、屋上から爆薬で開通させ1ペア4人で1階から3階まで同時制圧。

メインゲートを含めた出入り口は別働隊が制圧済み。


「何がなんでも大使を探し出せ。港区の二の舞いは切腹に値するぞ」


その目は、本気の目をしていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


26年 9/14 12:12:ルレラ連合:ヴルラ自治共和国中核部


陸自北部戦線部隊とレジスタンス達は、旧首相官邸や共和国議事会・各種行政庁舎に立て篭もるルレラ連合軍を相手取っていた。


苦戦はしていない。

だが彼らも侮れない。

彼らにとってここはホームグラウンドだ。

建築様式も内装も、彼らが慣れ親しんだ地だ。


的確に嫌な所を突いてくる。


「上も警戒しろ。あいつら平気で天井ぶち抜いて当ててくるからな。撃たれたらすぐに撃ち返せ」

「正面バリケード、手榴弾投擲!」


既に天井からの撃ち抜き、的確に進路を妨害する簡易バリケードの構築、それに待ち伏せ。

かなり面倒だが、それでも彼らの敵ではない。

彼らの本分は山林戦と市街地戦だ。

日夜、現代的な山岳での戦いとCQBを訓練してきた彼らに近代レベルの戦術しかも持たず、現代の戦術など齧った程度の彼らに叶うわけがないのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


26年 9/25 5:00:ダルア帝国:バレリア近郊


ダルア帝国に展開している陸軍戦力は、もはや残党軍レベルの組織的抵抗力であった。

一部の優秀な人間が居たらしい統制の取れた中隊レベルの部隊は何個か見かけたが。

それでも少し交戦した後に投降か玉砕覚悟の突撃を敢行して散っていった。


そんな中でバレリアの近郊まで部隊は進んでいた。

陸自の狙いは断首作戦………‥ではなく議会を吹飛ばして脅す事だ。

無駄な殺生をして恨まれるより、脅して飼いならした方があとが楽だ。


[Stryker, Bombs away]


そんなこんなで、確実に議会が開場していないであろうこの早朝にLJDAMを投下している。

議会から爆炎が上がる。


これは攻撃ではない。

脅迫だ。

お前をいつでも一瞬で灰にできる、という。


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26年 9/30 9:00:ダルア帝国:南部海域海上


海上自衛隊第一航空護衛隊群/第一航空護衛隊。

航空母艦ほうしょう


その甲板に数十人の外務官僚や一部幹部、高級幕僚が並んでいた。

目的はダルア/ルレラ連合軍とレンドロ協定の和平調印である。

議会を吹き飛ばした翌日にはペストレラ共和国の日本国大使館から降伏の意が伝えられた。


そこからは速かった。

ペストレラ共和国の迎賓館で講和会議が行われたのだが、よほどの要求(民族浄化)でなければ全面的に受け入れる、という事実上の無条件降伏であった。

もはや怒りに身を任せたヴァクマーを宥めるほうが大変だったと現地の大使が言っていた。


結果的にはレンドロ協定に対する全面的な戦争被害の賠償及び軍備の制限、陸自部隊の駐留監視。

大きなものそれくらいだ。

あとは細々とした資源採掘権といった条件だ。


周囲には海上自衛隊第一航空護衛隊群の護衛艦が勢揃いしている。

その外周には協定国家の海軍が一部囲んでいる。


「では、こちらにサインを」


ダルア側はどちらも首相だ。

レンドロ協定側は首相か外務大臣だ。


これでやっと物騒な世の中が終わったのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


27年 9/14 12:12:日本国:東京駅


東京駅前は活気に満ちていた。

ニ・六戦争(ダルア/ルレラ戦)の後、レンドロ協定や同国以外の様々な国との本格的な交流も開始された。

各国とは直接的な空路こそないものの、ヴァクマーやダルアに建設された民間空港や官営(事実上の)空港(自衛隊基地)を経由して様々な人々が成田や羽田に降り立っている。

レンドロ協定内の国家の本格的な再開発も始まっており、国内大手ゼネコンや商社は再開発に絡んで利益を上げている。


防衛省関連企業は様々な発注を受けて薄利多売の軍需産業を続けている。


国内産業も好景気やインバウンド需要で大きくなっている。

しばらくはインフレ対策に躍起になることだろう。


この国はどこに行くのだろうか。

それはわからない。

だが、その行く末が平和で光あるものであることは確実だろう。


そうでなければ、ならないのだから。

どうもこんばんわ(こんにちわ)


まず、このような形の終了となったこと、2か月ほど空いたことを謝罪いたします。

大変申し訳ございません。


さて、本作を書く上で様々なことを学ぶことができました。

が、あまりにも拙い文章・ストーリー構成

おまけに後先考えない風呂敷の広げ方と、反省点しかないような形でした。


が、本作を書く上で多少なりとも知識・そして文章力が高まったと、思いたいです。


それでは、もしまた出会う事があれば。

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