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<最終章>結婚詐欺師、異世界で聖女に~私が聖女?女神様!!多分人違いだと思うのですが・・・  作者: 楊楊
第三章 聖女の建国記

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50 聖女、建国を決意する

建国する方向で、決定してしまった。

期限は2年なので、かなり忙しい。それに教会本部やルキシア王国王家に気付かれてしまうと対策を取られてしまうので、秘匿で行動しなければならない。もちろん水面下で根回しは進んでいるのだが。


最初は王都で別邸の物件を探しているふうを装った。主にデブル枢機卿に頼んだのだが、私の名前を出すとかなりの高値を吹っかけられるようだった。相手の目的は少しでも私達からむしり取ろうとしているのだから、仕方ないことではあるが。

まあ機を見て、ジョーンズ伯爵の別邸に間借りすると言い張るので問題はない。普通の貴族であればそのようなことはプライドは許さないのだけど、そもそも住むつもりもないし、貴族としてのプライドもない。因みにジョーンズ伯爵領は王都に別邸を所有しいる。先代のポールさんのお父様が無計画に購入したものをそのまま使っているみたいだった。

別邸とは名ばかりで、実際はジョーンズ伯爵領のアンテナショップとして活用している。


次は街道の整備だ。計画では3年計画だったけど、情勢を考慮して急ピッチで工事が進められている。コウジュンによれば、1年である程度通行できるようになるみたいだった。


流石にそれは無理だろう、手抜き工事で大惨事とかにならなければいいのだけど・・・


そう思って視察に出たのだが、そうなるのも納得した。中心となるのは神官騎士団だが、いつものビキニアーマーとビキニブリーフスタイルだった。アズイーサが監督をしていて、不眠不休で作業をさせている。最低限の食事と睡眠は取らせているようではあるが、回復魔法を掛けまくり、魔力回復ポーションをガブ飲みさせて、垂れ流し状態での作業だが、全員が恍惚の表情を浮かべていた。

私に気付いたアズイーサが言う。


「みんな!!聖女様が激励に来られたぞ!!より一層作業に打ち込め!!」


「アズイーサ、ちょっとやり過ぎじゃないかしら?少しくらい遅れてもいいから・・・」


「我が騎士団にそんな軟弱な精神の奴はいません!!命の危険がある作業ではありませんし、これ位やらねば訓練にもなりませんよ」


もう手遅れだ・・・・見なかったことにしよう。


エリーナも同じ意見のようだった。


「カレン様、ここから離れましょう。こんなの教皇派に見られでもしたら、邪教とか邪神を崇拝しているとか言われそうですからね。もし何かトラブルがあったら、全く関係ないフリをしましょう」


正義感の強いエリーナがそう言うくらい壮絶な光景だったのだ。

知らない者が見れば、危ないクスリをやっている集団かもしれないし、本当に邪神崇拝者かもしれない。これが何年も続くわけではないので、この街道整備が終わるまでは黙認することに決めた。



★★★


一方領都エルサラ、独立後は聖都エルサラになる予定だが、急速に発展してきている。聖母ガイア像や大聖堂の建設などで、多くの雇用が生まれ、人口も爆発的に増えた。そこにオルマン帝国を中心とした商人が多数集い、もう、のどかな田舎と呼べるような感じではなくなっていた。


そして、町の発展に合わせてかどうかは分からないが、「血のダンジョン」が拡張したのだ。10階層までのダンジョンだったのだが、15階層まで拡張された。ダンジョン研究者が言うには成長型ダンジョンというのがあるらしく、「血のダンジョン」もそれに当たるらしい。定期的に開催されているダンジョンの経過報告会で冒険者のミランダとフローラ枢機卿が激しく議論を戦わせている。


「やっぱり「血のダンジョン」は優良ダンジョンで間違いないわ!!何が邪神復活よ。笑わせないでくれる」


「それはまだ分かりませんよ。油断させておいて、一気に悪事を働くのが邪神ですからね」


「私に言わせれば、神官騎士団のほうが危険で、ヤバいと思うわよ。あれが訓練?初めてダンジョンに潜った冒険者はドン引きしていたわ。もう常連は慣れたけど・・・・ほぼ全裸で血塗れになって、嬉しそうに戦っているのは何よ?訓練というか、危険な悪魔でも召喚してるんじゃないかって噂もあるわ」


「それは私の管轄外です。何でも聖女様が推奨している訓練ですので・・・」


違うわよ!!私は一言も推奨するなんて言ってないし。ウサール枢機卿やアズイーサが勝手に言い出したんだから・・・・・

まあ、知らない人が見たら腰を抜かす程びっくりするわよね。


最近では、血の罠に誰が一番多く血液を捧げられるか競争したり、モンスターハウスで武器防具なしで何時間耐えられるかというイカレた遊びをしている若い神官騎士見習いやシスター見習いまでいる。規制を考えたほうがいいかもしれない状態だ。


ここでお父様が仲裁に入る。


「論点がズレてきているぞ。ミランダ殿、調査したところ危険はないのだな?」


「はい、自分の実力を把握せず、無謀に攻略を進めない限りは危険はありません。いい素材も採取できますし、大陸でも有数の優良ダンジョンでしょうね」


「分かった。引き続き、経過観察とする。フローラ枢機卿が言う邪神復活も考慮して、今までどおり、ギルドには報告義務を課そう。特異事項があれば即報してくれ。これでいいかな?フローラ殿」


「そうですね。それで構いません」



こんな感じで、インフラ面や資金面ではすぐに独立してもいいくらいには準備ができている。

そろそろ1年が経過するし、相手も動いてくるころだろう。

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!

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