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人魚との出会い 戦いへのスタート!!

ありがとうございます。

あの不気味な物体は何だ???

その物体をよく見ると、ガブ?ガブだ!

あの薄気味悪い蟹の化け物が、一層、気持ち悪さが増していた。


泣いてる人、脅えきっている人、叫んでる人、逃げようとしている人…

どうしたら……僕は…怖い!ただ怖くて 足が竦んでいた。


「あんなやつ、やっちまえ!」

えっ?貴方は?母さん!!

なっなっ何を言ってるんだよ~

「静かにして。隅っこで隠れてて、危険だよ」

「だめよ!あんなに人を傷つけたら、ねっそうでしょ?」

「それはそうだけど…」

いやいやこの人の言うことを聞くとろくな事がない。そう、いつもそうだ。

「とにかく…うわー」

「おまえか!逃げようとしたのは!」

あの蟹の化物ガブがもっと巨大化して、目玉なんか飛び出ていて

赤い唇の下からは 尖った歯が突き出ていた。

「ぼぼっぼくは…してません!寝てただけです」

バシバシ!

とほほ 痛い、ガブの爪で叩かれ、こかされた。

くそー、ちくしょー、でも逆らえない…


「大丈夫?さあこっちに隠れて」

「あっ、砂里、ありがとう」

「お母さんはあっちにいるから」

「うん」

ガブが誰が逃げようとしたのかまだ探している。

一体誰なんだ…でも突き止めた所で ガブにやられてしまうだろう。なんとかならないのか……

その時だった。

「やっと見つけたぞ、許されなき者。海に放り込んでやるから 覚悟しておけ!」

そう言ってガブは一人の男性の前に立ちはだかった。

「ゆ……ゆる…許して下さい」

「許すものか!」

そう言うとガブは大きな爪でその男の人を持ち上げた。

そのとたん硝子の扉がウィーンと開いた。

一瞬だった、瞬きしていたら見逃すほどの早さで、男の人はガブの爪から離れて、深海に放り出されていた。

………………

深海の砂の中から、また(はも)のような魚が出てきて、そしてまた一瞬で男の人を飲み込んだ。


「……くそ…」

「瑠璃!ダメ!」

「でもこのままじゃ……」

「あのガブに敵うわけないよ」

くそ!くそ!くそ!

頭がどうにかなりそうだ…

「瑠璃、力を付けるのよ!それからじゃないと、瑠璃がガブにやられるだけだよ」

「……」


「お前達、わかったか!何度逃げようとしてもこうなるんだ」

そう言ってかなり興奮しているガブは何処かへ行ってしまった。


「瑠璃!大丈夫か?」

「李塔さん!」

李塔さんがいてくれてたら きっと助けてくれてたんだろう……

「大変なことが…うっく…うっく…」

。゜ヽ(゜`Д´゜)ノ゜。

ダメだ!僕 泣いてる。

「瑠璃、しっかりして、何があったかは想像できるよ」

「はっはい…うっく」

「瑠璃、みんなあっちで集まっているわ、行ってみましょう」

「あっ、うん、李塔さんも一緒に…あれ?李塔さん?」

いない、さっきまで居たのに。気になるけど……砂里さんが呼んでるら行かないと、っていうか砂里さんと少しでも居られるのなら…

暗い……

灯りではなく、ここにいる人達が誰も口を開かず下を向いている。そりゃそうだよ、あんな事が2度も続いたら。

思い出すとまた怒りが込み上げて 弱い僕は目が潤んでしまう…ちきしょう…

「瑠璃!もう悔しいよ!母さんが強くてパワーがたくさんあればあんなやつ、一瞬でやっつけられるのにね」

「まっ、まあ落ち着いて、ねっ!」

人間でも誰もが弱点を持っているとしたら、ガブも必ず何か弱点があるはずだ…

「ねえ、聞いてる、瑠璃!」

「あっ、えっ、砂里さん 何か言いましたか?」

「もう、ちゃんと聞いてね、大切な話なの。あのね、あのガブなんだけど いつも爪で人を挟んだ後に戻らないのよ」

「何が戻らないのですか?」

「爪よ!開いたまま戻らないのよ。だから、いつも何処かへいってしまうのよ、爪を開いたままね…」

そう言って 砂里さんは腕を組み考えていた。

砂里さん!僕も考えますよ!砂里さんの為ならね!♪(´ε`*)

「今度、試すのよ。そうよ、もし1度使ったハサミが何かをしないと戻らないのなら、その時がチャンスよ!」

「そうですね…でもどうやって…いちかばちかで挟まれるのは、とても怖いですよ…」

「人じゃなくてもいいのよ、物よ、何とかして物を挟ませればね」

「物か……」

「ごめんね~盗み聞きしたゃったぁ~」

( =^ω^)

「出ましたよ!母さん!」

「あのね、私に名案が有るんだけどね」

「名案が?どうせろくでもないこ……いたっ!」

もうすでに僕の耳はお猿のように 母さんの手によって引っぱられている。

「よく聞いてね、砂里さん。あのガブはいつも食事の時に あの不気味な赤い口を大きく開けて食べるの、手を使わないのよ!なんだか変だなって思ってたんだけどね、この前 あまりにもお腹が空いてたのか ハサミを使って食べ始めたの……そして食事が終わると直ぐに立ち上がりハサミを広げたまま何処かへいってしまったのよね。何だかね、立ち去るガブの後ろ姿を見てたらハサミの開いた爪をだらりと体からぶら下げて、ガブの威力も爪の力もなくなってたようだったわ」

「…………」

「そっか!ガブはあの爪を一度使うと何かをしないと元に戻らないんだ。その何かはここには無いのよ」

その時一人の男性がボソッと話始めた。

「あのー、お話してる所すみません。そう言えば僕、ガブが海中に出るの見ましたよ。手をだらりとぶら下げて爪が開いていたので不思議で見ていたんですよ。そしたらいつもの顔つきはなくて。何だかねぇ、こう、ぼーっとしてるっていうか……」

「そっか、砂里さんわかった!海の中にガブがもとに戻る何かがあるんだ、そして、それがないとガブは力が弱まるんだ!」

「そうね、今夜の食事の時に確かめて見ましょう」


みんな、それぞれの与えられた仕事の所へ散らばっていった。

僕?えっと、李塔さん?とりあえず海中の出口までいってみよう。


李塔さん?いない?一人で潜るのなんて……いやいや、ムリムリ

……(´゜ω゜`)……ですよ。

そうだ!砂里さんに聞いてみよう。何処にいるか知ってるかもしれないし、そ.れ.に.砂里さんにも会えるしなぁ~。

いたいた!

「あっ!砂里さん~李塔さん知りませんか?」

「そういえば ガブが暴れた後から見て無いわね」

「何処に行ったんだろう」

「そうね、でも李塔さんなら心配ないわよ、一人でもあの不気味な海中に行けるからね」

どうせ、僕は一人では行けませんよ……

「えっ?!李塔さん」

ガラス越しに李塔さんが海中で珊瑚を運んでいるのが見えた。

さすがだ!やっぱり李塔さんはすごい人だなぁ、それに比べて僕は、とほほっ(;つД`)

李塔さんの姿が見えない、きっともっと奥深いとこまでいったんだ、よし!僕も海中服に着替えて頑張るぞ!

とっ、横目に何か動いたような気が……


うん??えっ?

目をごしごしと擦り、もう一度海中に目をやってみた。

だよね、あんな、そうだよ、あり得ないねっ!

ウソ~、だ、よ、ね……

少し離れてはいるがはっきり見えた。人魚だよね。顔は確実に人間だ。な、なっなのに、魚のしっぽ。これは間違いないよね。

こっち見てる?僕の目の前で浮かんでる……

叫ぼうにもあまりにもびっくりで声がでない!

足も竦くんでいる!

誰かを呼ぼうと思っても声も出せない!

こんなにも僕が驚いているのにまだ近づいてくるのですか?

えっ~!ヘ(゜ο°;)ノ


只今、僕の正面にいまーす。

「あの、お手洗い行ってもいいですか?」

なんてこんな場面、無理です!逃げたくて仕方がない。

じっと僕を見ている。なんだか、やけくそ!

「あの?聞こえますか?僕は……」

聞こえるはずもないのにガラスに向かって話していると、突然人魚は首を横に降り始めた。そして僕を指差し、手を合わせ、切ない顔をした。

何が言いたいのか分からない?

「何?なにが言いたいの?」

そっか、聞こえないんだ。

人魚は急に尾びれをくねらせ、ガラスを尾びれで蹴るようにして 物凄い早さでにいなくなった。

「…………」


僕は その場に座り込んでしまった。

きっと夢を見てるんだ、ガブといい、海中の妙な生き物といい……

そして、人魚!

有り得ない!目を閉じよう。寝て覚めたらきっと母さんと 船の中で食事をしているだろう……

心が疲れていたせいか本当に眠ってしまった。


「瑠璃!るりー!起きるんだ」

「うーん」

霞んだ目をごしごしこすると李塔さんが立っていた。

「李塔さん……僕、あの……」

「瑠璃、もうガブが来るぞ!早く皆の所へ戻らないと」

「あっ、はい」

もう、みんな一仕事を終えて 食事の支度をしていた。

「砂里さん、ガブの事何か分かりましたか?」

「それがね、あれからガブの姿は何処にもなく、誰も見てなくてね」

「そうですか……そう、明日は僕は李塔さんと潜ります。少しでも何か分かればいいんですが……」

「頼りにしてるわよ、瑠璃くん!」

くわ~(///∇///)照れますよ、砂里さん!

なんて 面と向かってなんて言えるわけい。


「ガブ、遅いですね。いつもなら食事の時間が来ると一番に来て騒ぎ始めるのに……」

「そうね、来ない方がいいけどね」


「うわー!」

「ひゃ~!」

なんだなんだ、また ガブが暴れだしたのか?

「瑠璃くん、行ってみましょう」

「はい、砂里さん」


「ひぇ~」

そう、僕は叫んでいた。砂里さんは隣で大きな目をもっと大きく見開いていた。

ガブは海中にいた。そう、ガラス越しにいる。

ガブの様子が確実におかしい。何か気持ちの悪い液体が体から出ているし、何より動きがない。目だけはギョロリと飛び出していた。

その時、李塔さんが来て僕の手を引き走り出した。

「どうしたんですか?どこ…にいく…のですか~」

「海の中だ!」

「えー、えーそれは かなりやばくないですか?」

「ガブはきっと生きてはいないだろう」

「でっ、でも もし動き始めたら…」

いやー、勇気ないですね、僕は!とほほっ…

「その時は戦うつもりだ」

「いくら李塔さんが強くても あんな化け物手出しできないんじゃないですか?」

「とりあえず、行こう、瑠璃!」

とりあえずって……


1つめの扉が開き、また宇宙服のような物を身に纏って海中に入った。

ガブの近くまで行くと、僕の身体に緑色のぬるぬるしたものがまとわりついてきた。

ガブは爪の先で身体が浮かないように珊瑚を挟んでいた。

飛び出た目はじっとこっちを見ている。真っ赤の口はポカンとだらしなく開き、アメーバーの用な緑色の液体を出して、もう片方の爪は 海面へ向かって引き上げられているように上にあがっていた。

身体の下の部分は溶けかかっているようだった。


「李塔さん、吐きそうです」

「瑠璃、生きてるかぐらい確認しろ!」

かなりきつい口調になった李塔さんが少し怖くなった。

ふっと横を向くと、ガラス越しに母さんの顔が写った。

何だかゼスチャーしている。

手を広げてふりふり、腕を上げぴょんぴょん、顔を左右にぶんぶん降っている。

あのー、何が言いたいのかわけわからないんですけど……

うん?砂里さん、こっち見てますよね。とっいうことはかっこいい所を見せなくては!

えっ?他の人もガラス越しに不安気な顔をして見ている。


ふっと自分の中の弱い部分が抜けたような感じだった。

少しだけど……

李塔さんは珊瑚を鋏んだ爪を外そうとしていた。

僕は薄目をしてガブの近くまで行き、もう片方の浮いている爪を持とうとした……その瞬間、ガブの爪が僕の身体を挟んだ!

うそだろ!うそだろ!

爪の力は強く 身体が締まっていく、くそー、手で広げようとしてもぬるぬるして滑ってしまう。

李塔さんが気がつき 瑠璃の処へ来て爪を広げようとしてくれている。やはり滑りがありダメみたいだ。ガブはまだ生きている。

ガブがもし僕をほうり投げたら きっとあの不気味な砂の中の生き物が出てきて飲み込んでしまうのだろう。

いやだ~、やだ~、なんて言ってられない、強くなるんだ瑠璃!自分を励ましてみた。そしてもう一度爪を持って広げてみた。

そうだよね。筋肉もないこんな痩せた身体の僕にそんな力が有るわけないよね……

とっ、その時、ぱきんっ!と僕の身体を挟んでいたガブの爪が折れた。僕を挟んでいたガブの爪は、鋏んでいた僕の身体から離れて海底に沈んでいった。

そしてガブは 体をばたばたと動かし始めた。

溶けかかっていた体はもっと沢山の液体を出しはじめて 辺り一面、どす黒い緑色になった。

溶けかかっていたガブの体はもう半分もなくなってたが、目だけはギョロギョロと動いていた。


ガブの開いた口が少し動きこう言った……

「こんなにしやがって……おまえも…き…」

ガブの体はもう無くなりかけていた。



































読んでくださりありがとうございました。

昨日の夜 カーテン越しにほのかな光が差し込んできたので

開けて見ると 綺麗な半月がでていました。

お月さまが大好きです。

皆様、風邪などひかないように 暖かくして休んでくださいね。

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