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「結局完成しなかったわね…」
サリアは落胆の色を示す。
相手のステルスを破ることには成功していた。
それは思っていたよりも簡単だった。
しかし切り札が完成しなかったのだ。
これはゼロシステムに対抗する手段が限られていくことになる。
「大丈夫だ、本番で完成させる。理論は完成してる、そのときに発動できればいい」
アルスは言う。
しかし時間を掛けても完成しなかった理論である、完成してるのは仮説であって完成などしていない。
「そうそう、それに切り札に拘る理由が無いでしょ、転移させればいいだけなんだから。宇宙生命体の時のように異世界に転移させればいい」
リックが言う。
そう転移させればいいだけだ。
何ら難しいことではない。
G3のハッキングにも気づかない奴等だ、ゼロシステムが奴等を守っているが流石に空間ごと転移させれば転移するしかあるまい。
「そうね、宇宙生命体にも通用したものも、無の存在でも空間に依存してるわ、心配は無用ね」
そして作戦実行日。
「これより我々世界連邦は異世界人に対し軍事行動を行う!」
作戦が始り半数機体を残して出撃する。
アリスシステムの同調システムは一度同調すれば距離は関係ない。
地球型の船としか言いようがない星にハッキングを仕掛け、無力化しようとするが…。
「む!?ゼロシステムか!?消えたぞ!」
なんと相手は完全に自閉してしまった。
これでは手が出せない。
さらに、
「地球から通信!有人機と思われるゼロシステムを搭載した機体が出現!地球防衛システムでゼロシステムを使用、これより完全自閉に入る!」
もはや千日手である。
しかし通信がさらに入る。
「ゼロシステムがハッキングされた!自閉から解除されてる!」
「なんだと?!」
元々欠陥品である、システム、通じるわけがない。
だがそこはソレイユ、地球をこっそり改造しており完全なゼロシステムを搭載していた。
だから、
「こちらG1ソレイユ、異世界人に対し武力介入する」
地球に現れた異世界人に対しG1は転移を試みる。だが。
「やはり通じないか…」
嫌な予感はしていた。通じないのではないかと。
異世界人は空間にもどこかに飛ばされないようワープ対策をしていたのだ。
単純な思考しかしない宇宙生命体との差が現れた瞬間でもある。
ならば切り札を完成させなければならない。
「ゼロシステムで撃墜はされない、後は時間との勝負だ」
不老不死は完成している、宇宙を改造しようとして破滅仕掛かった連中だ、追い出さなければまた同じことをされるかも知れない。
ブラックホールの生成などされるが宇宙を壊すほどのブラックホールを黙って生成されるわけがない。
無効化しながら切り札の完成を急ぐ。
「こちらガーダー、一度地球に戻りソレイユにコンタクトを取る、これは軍事規定に反しない独自行動の裁量権を持つ私の決定だ」
ガーダーは名誉階級を貰う際独自裁量を貰っていた。
英雄の行動には意味があると軍が判断したのだ。
ガーダーはそのまま地球に飛びG1に無線を入れる。
「こちら世界連邦軍所属ガーダー、G1のパイロット聞こえるか?何か秘策が有るのだろう?どうすれば使える?」
ソレイユならこの状況を打破できる秘策があるはずだ。
今までの行動が信頼として表れていた。
「貴様か、有るにはある、パラレルシステムだ、無限の平行世界を運行するのではなく、すでにある無限の平行世界を認識し、全ての平行世界の自分とリンク、巨大な力場を作るのと同時に空間移動を世界の強度の大きさから自由に起こすシステムだ、まったく同じ世界を認識するのが難しく未だに理論段階だ、1世界の方から追放するより無限の世界から無限の存在力を合わせて追放したほうがいい理屈だ、1存在力より好ましい力だ」
「なるほど平行世界を運行するのではなく、すでにある平行世界を利用するのだな、それはアリスシステムと同調させ我々でも使用できないか!?」
「おい、待った、それは作戦行動には無い行動だ」
リック…誰かもう一人のパイロットが言っているだが
「ではどうする?このまま千日手で恐怖と戦いながら過ごすのか?理論上、無となった我々は原子がバラバラになるはずだ。だが虚無となり結合している。波長か何か合わせれば攻撃が通るはずだ。その理論の完成に怯えながら暮らすのか?」
そうだ、完全な無となればバラバラになるはずだ。だが虚無。有でもある。観測をし辛いだけで触れることが可能のはずだ。何かチャンネルが合えば触れてしまう可能性もある。カオスシステムもあるが知恵を相手が持つ以上完璧では無い。
「…分かったわ、ソレイユG、ガーダー機とだけのリンクを許可するわ。魔法を感性だけで完成させた英雄ならば可能性がある。G2リンクさせなさい」
「…ッマジかよ」
「G1リンクを開始する、言っておくがデータはこちらでも平行で解析する、技術を凌駕できると思うな」
「愚問だな、技術を散々教授してもらったのだ逆に返さなければ恥のままだ」
アルスとガーダーはパラレルシステムをリンクさせ平行世界の自分達を探す。
どこだ?どこにいる、平行世界の私。
ガーダーは深く探すが見当たらない。
神は居ないのか…、時間が分からないほどたった。
ガーダーは諦めていない。
しかし焦りの色が出る。
そういえば神と言えば神様から見ればこの世界の時空も空間でありすでに起きたことである、なぜなら無限の存在だからだ。そう論じられたことがあった。神とは外の存在であり宇宙を囲む存在だと…。
外、外、内側ではなく宇宙の外に意識を飛ばしてみる。
「そうか、外か!?」
ガーダーはビックリした。リンクをしているとは言え思考を読まれたのかと。
そしてG1は動く。
「G1これよりパラレルシステムにより敵対勢力の転移を行う、貴様ももう理解してあるだろう?外にパラレルワールドがある。さっさと排除するぞ」
早い、G1は思考を加速させる機能を持つ。
ガーダーの機体でも思考加速は付いているがそれよりも速い。
ガーダーは朧気な理解のままパラレルシステムをリンクされたままなので利用する。
G1のパラレルシステムが更新されたためパラレルワールドを理解する、それは確かに同じ思考、動作をする自分達の集まりだった。一寸の狂いもない。
そして転移は始まる。
「!?!?!?!?」
言語は分からないが混乱した通信が入る。
そして異世界人が完全に自閉したと思われる星まで敵対勢力を異世界に転移させ戦線を押し返した。
後は完全に自閉した星を転移させるだけである。
虚無となってもシステムが甘いのか重力が発生している。
今まで完全に自閉した機体を見つけては転移させて来た。最後にこの星を転移させるだけである。
「私がやらせてくれ」
「こちらソレイユG構わないわ、観測はしてる、異世界先に全敵対勢力の転移も100%の確認も無人機を飛ばして確認出来てるわ。最後の締めくくりをやってちょうだい」
ガーダーはわがままを言ったと思ったがソレイユ関連の事件で自力で解決した満足感が欲しかった。
そして星を転移させ確認も取る、しばらくして転移できたとソレイユから返事が来る。
これでソレイユが動くような事件を自力で解決した。
ガーダーは満足感で軽く息が出る。
「しかしあんたどこまで英雄なんだ?ホントに同じ人間か?」
G2のパイロットから皮肉が漏れる。
「ああ、同じ人間さ、至ってな」
今まで無のゆらぎからパラレルワールドを探そうとしてました。
それが原因で内側を探索してたことと同じになってました。
それがガーダーによって今まで内側を探索してたと気付きます。
外を探索しなかたったのは無のゆらぎに拘ったからです。




