他愛のない帰り道
祭り当日。
機能に続き登校日。学校では皆浮き足立っている。
実はココの祭りは地域的なものの割に盛大に行われるのだ。
他県からくる人もいるくらいに。
そして、最後は花火の打ち上げて終了となっている。
二日目は花火はないけど、地元企業の催し物などもあり、二日目は二日目で盛大に行われるのだ。
その日の放課後は皆で何処で待ち合わせるかなど各々話している。
僕とミヨは流石にこの中で話すと茶化されるのがわかっているので一緒に帰る事にしている。
あ、もちろんアツシも一緒に。
「お待たせ~。」
「大丈夫。うちらも今来たところだよ。」
校門を出たすぐの所で待ち合わせをして3人で帰る。
セミの鳴く声がひどく響いていた事を忘れない。
アブラゼミ主体のこの周辺でツクツクボウシの声が大きく聞こえた。
「アツシは今日家族とだっけ?」
「そうだよ。みんな花火が見たいのか2日目空いてるのに誰も誘ってくれないんだよな。」
「俺地域の出し物結構好きだけどな。」
「お前は今日ミヨと一緒に行くんだろ?明日はオレといかね?」
「あーいいよ。そうだ。昨日、杏ちゃんがお前誘いたかったみたいだよ。」
昨日の事を思い出してそれとなく伝えてみた。
まぁコイツはシスコンだから絶対に行かない事は知ってるけど。
「え!やっぱり杏ちゃんアツシが好きなのかなぁ~。」
「オレあいつあんまり好きじゃないんだよな。なんか悪い事考えてそうで。」
「お!クラスのアイドルをさげすむ物言い!敵増えるぞ。」
「そんな仲間ならオレはいらない(笑」
友達も多いのに、アツシは何かと僕と一緒にいる。
お陰で僕も友達が多い。だけど、平気でこういう事が言える奴なのだ。
「でも杏ちゃん明後日誘えばいいのにね~。やっぱり花火なのかなぁ~」
「俺もそう思う。花火が一緒にみたいんじゃないかなぁ…」
「なんだよ。お前ら二人でデートして花火見る癖に…」
「でっデートじゃないってば!なぁ!」
「え?デートだよ?」
デートだったのか…。顔に一気に血が上る。
今の僕は確実に真っ赤だろう。
「お。真っ赤になった。本当はうれしいんだろうに。」
「うれしいとかそんなんじゃないよ…面と向かって言われるとやっぱり恥ずかしいじゃんね…」
「まぁ、今日どうせ一緒に歩いてたらみんなに会うだろうし。明日には言われるよ。」
「やっぱりそうなるよなぁ」
好きな子と一緒に回れるのはそれはあたりまえだけどうれしい。
だけど茶化されたりするのが正直面倒臭くてたまらない。
仕方ないのかな…と思いつつ僕らは家路についた。
夕方になって家のチャイムが鳴る。
「「ピンポーン」」
「お待たせ来たよ。」
「はいはい。もうちょっと待ってて。今出るから。」
待ち合わせはウチにしておいた。近い事もあって下手にどこかで待ち合わせるよりは楽だからだ。
「おまたせ~。ってか浴衣かぁ!」
「そうだよ|~。どう?似合う?」
そういいながらミヨがくるっと回って見せた。
正直かわいい。非常に良く似合っている。
「ん~。ま、まぁまぁかな。悪くないんじゃない?」
恥ずかしくてこんな感じの言葉しか浮かばない。
「もーなんだよ。折角人がおめかししてきてやったのに!」
ミヨはふくれっ面をしながらぷいっと足を速めて先に行こうとする。
「ごめんごめん!似合ってる似合ってる!だからまって~。」
そういいながらミヨについて行き、二人ならんで祭り会場まで歩んだ。
夕日に染まる空からの赤い光がまるで二人の手をつながせる様に影が伸びていた。




