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創造と破壊と絶対数
少女と白虎が荒涼とした砂漠を歩いていると、碑を見付けたので、少女はそれを読んだ。
「ある時、神は『創造』を生み出した。創造は何も無い世界に様々なものを作り、世界に進歩という概念を与えた。しかし世界は無限ではなかった。
無を壊し尽くすと、創造は有を作ることが出来なくなった。そこで神は、無を作るために『破壊』を生み出し、創造と破壊を対極の場に置くことにより、世界の均衡を保つことにした」
読み終わると、少女は言った。
「どうやら神話のようね」
「みたいだな」
「神なんているのかしら」
と、少女はきいた。
白虎はこう答えた。
「居たとしても、何の役にも立たないのなら、初めから必要ないけどな」
「それもそうね」




