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会話劇『ミオとナオ』  作者: mutsu!(=むったん)


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20/27

20話 童話シリーズ1【赤ずきん②】

 ナオ

「お前はまず、お花さんたちに謝れ!!」


 ミオ

「でも、原作通りよ?」


 ナオ

「どの赤ずきんにお花の断末魔があるの!?」


 ミオ

「じゃあ続き」


 ナオ

「聞いて!?」


 ◇◇◇


 第三幕 狼さん


 M 夕方っぽい音楽


 N

「さて。お花畑をほぼ壊滅させた赤ずきんちゃん。

 空もそろそろ夕方。

 余命いくばくなお婆ちゃんのお見舞いに来たはずなのですが。この時点で、家を出てからそこそこ時間が経っています」


 赤ずきん

「あー、楽しかった」


 お花D

「…………」


 お花E

「…………」


 赤ずきん

「そろそろ行こっかな」


 お花D

「行け……」


 お花E

「二度と来るな……」


 N

「やり切った顔で、赤ずきんちゃんが立ち去ろうとした。

 ——その時でした」


 狼

「ゴルァァァァ!!」


 赤ずきん

「?」


 狼

「そこの赤ずきんの女ァ!! わてのお花畑で何さらしとんじゃボケェ!!」


 お花D

「狼さん!」


 お花E

「狼さぁぁぁん!!」


 狼

「…………」


 お花D

「助けて……」


 お花E

「寒い……」


 狼

「…………何があった」


 お花D

「全部あの女です」


 お花E

「花びら……返して……」


 狼

「お前ぇぇぇぇぇ!!」


 赤ずきん

「うるさいわねぇ。どうしたのかしら?」


 狼

「うるさいちゃうわ!! 『どうしたの?』ちゃうわ!! 

 なんやこれ!?」


 N

「狼さん。自慢のお花畑を見渡します」


 狼

「昨日まであんな綺麗に咲いとったやろが!」


 赤ずきん

「そうなの?」


 狼

「そうなのちゃうわ!」


 お花D

「昨日までは……」


 お花E

「みんな笑ってた……」


 狼

「何してくれとんねん!!」


 赤ずきん

「お花摘み」


 狼

「見たらわかるわ!!」


 赤ずきん

「お婆ちゃんのお見舞いなの」


 狼

「知るか!!」


 赤ずきん

「余命いくばくなのよ?」


 狼

「やかましいわ!! 

 お前のその手の中のお花たちは、もう余命ないわ!!」


 赤ずきん

「ケチ」


 狼

「誰がケチじゃボケェッ!! 人んとこのお花を勝手に毟っといて!! あぁ……残った花たちまでこんな、こんな花びら……全部毟ったらんでもええやろ!!」


 赤ずきん

「…………」


 狼

「なんや」


 赤ずきん

「人んとこ?」


 狼

「せや!」


 赤ずきん

「ここ、あなたのお花畑なの?」


 狼

「せや言うとるやろ!」


 赤ずきん

「全部あなたが育てたの?」


 狼

「そうや!」


 赤ずきん

「へー」


 狼

「なんやその反応!」


 赤ずきん

「すごいね」


 狼

「お、おう」


 赤ずきん

「で?」


 狼

「ん?」


 赤ずきん

「土地の権利書は?」


 狼

「…………」


 赤ずきん

「あなたの土地なんでしょ?」


 狼

「…………」


 赤ずきん

「権利書」


 狼

「…………ない」


 赤ずきん

「ないの?」


 狼

「いや、だって狼やから……」


 赤ずきん

「狼だから?」


 狼

「持ってへん……」


 赤ずきん

「ふーん」


 狼

「…………」


 赤ずきん

「じゃあ、ここあなたの土地じゃないんじゃない?」


 狼

「いやいやいや!」


 赤ずきん

「だって証明できないじゃない」


 狼

「ずっとわてが手入れして――」


 赤ずきん

「不法占拠?」


 狼

「なんでやねん!!」


 赤ずきん

「あっ」


 狼

「なんや!」


 赤ずきん

「警察呼ぼっか?」


 狼

「なんで!?」


 赤ずきん

「だって不法占拠でしょ?」


 狼

「ちゃうわ!!」


 赤ずきん

「じゃあ権利書」


 狼

「…………」


 赤ずきん

「ないんでしょ?」


 狼

「…………はい」


 赤ずきん

「警察」


 狼

「待って」


 赤ずきん

「なに?」


 狼

「駆除される」


 赤ずきん

「知らないわよ」


 狼

「話し合おう」


 赤ずきん

「文明的ね」


 お花D

「…………」


 お花E

「…………」


 お花D

「俺たちも言ったよな」


 お花E

「言った」


 赤ずきん

「どうする?」


 狼

「…………見逃してもらえませんか?」


 赤ずきん

「えー?」


 狼

「お願いします」


 赤ずきん

「でもなぁ」


 狼

「ほんますんません」


 赤ずきん

「仕方ないなぁ」


 狼

「ありがとうございます!」


 赤ずきん

「今回だけよ?」


 狼

「はい!」


 赤ずきん

「もう勝手に土地を占拠しちゃダメだからね?」


 狼

「はい!」


 赤ずきん

「わかった?」


 狼

「はい! すんませんでした!」


 赤ずきん

「よろしい」


 N

「こうして。


 なぜか。


 お花畑を壊滅させた赤ずきんちゃんではなく。


 狼さんが謝ることになりました」


 狼

「すんません……ほんますんません……」


 N

「狼さんは何度も頭を下げながら。


 森の奥へ帰っていきました」


 お花D

「狼さん……」


 お花E

「俺たちを置いていかないで……」


 赤ずきん

「さて」


 お花D・E

「「ひっ」」


 赤ずきん

「お婆ちゃんの家行こ」


 お花D

「行ってください」


 お花E

「今すぐ」


 赤ずきん

「じゃあねー」


 お花D

「二度と来るな!」


 ◇◇◇


 ナオ

「待てぇぇぇぇぇ!!」


 ミオ

「なに?」


 ナオ

「何で被害者が追い出されてんの!?」


 ミオ

「土地の権利関係に不備があったから」


 ナオ

「お花を毟った事実は消えないよ!?」


 ミオ

「でも狼さん、負けたでしょ?」


 ナオ

「公権力でな!!」


 ミオ

「小学生に論破される狼さん」


 ナオ

「書いた時のお前が小三だったことを思い出させるな!!」


 ◇◇◇


 第四幕 お婆ちゃんの家


 M のどかな音楽


 N

「それから、しばらくして。


 道草を食い。


 お花畑を壊滅させ。


 狼さんを公権力で撃退した赤ずきんちゃんは――」


 SE 足音


 赤ずきん

「あっ」


 N

「ようやく」


 赤ずきん

「着いたー!」


 N

「余命いくばくなお婆ちゃんの家へ到着しました」


 ◇◇◇


 ナオ

「遅いよ!!」


 ミオ

「ちゃんと着いたじゃない」


 ナオ

「お見舞いに行くだけで一つの集落を滅ぼす勢いじゃん!」


 ミオ

「お花畑よ?」


 ナオ

「そこじゃない!!」

ここまで読んでくれた人、ありがとうございます。

このノリが好きな人は

拙作ガルナイこと、

『騎馬戦記⭐︎ガールズナイツ』

も楽しめると思います。

良かったら見に来てくださいね٩(๑❛ᴗ❛๑)۶

https://ncode.syosetu.com/n4403mc/

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