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会話劇『ミオとナオ』  作者: mutsu!(=むったん)


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19/27

19話 童話シリーズ1【赤ずきん①】

読み切り連載のミオ&ナオでは珍しく連作。

たぶん、③か④くらいで終わるかな。


ミオ

「ねえ、ナオ。今度の学園祭でうちのクラス、演劇やるでしょ」


 ナオ

「唐突すぎるけど、そうね」


 ミオ

「台本書いてみたの」


 ナオ

「……見ない!」


 ミオ

「まだ何にも言ってないわよ?」


 ナオ

「絶対、中身やばいから」


 ミオ

「そう?」


 ナオ

「絶対ろくでもないに決まってる!」


 ミオ

「だったら、昔書いた方なら見ない?」


 ナオ

「昔?」


 ミオ

「うん。小学校三年生の頃に書いたやつ」


 ナオ

「…………」


 ミオ

「どうしたの?」


 ナオ

「気になり過ぎる」


 ミオ

「見る?」


 ナオ

「……なんか、すごく上手く乗せられた気がするけど……見る」


 ミオ

「わーい」


 ナオ

「なんでそんな嬉しそうなの!?」


 ミオ

「別にー?」


 ナオ

「絶対なんかあるじゃん!」


 ミオ

「はい、これ」


 ナオ

「……赤ずきん、chan?」


 ミオ

「そう。赤ずきんchan。小三の私が書いた演劇」


 ナオ

「これ、メモよね? タイトルは?」


 ミオ

「『赤ずきんの真実』」


 ナオ

「小三で“真実”を暴こうとしないで!?」


 ミオ

「読む?」


 ナオ

「怖い。でもここまで来て読まない選択肢がない!」


 ミオ

「じゃあ――」


(台本を開く音)


 ミオ

「第一幕。旅立ち」


 ナオ

「始まっちゃった……」


 ◇◇◇


【赤ずきんの真実】


 登場人物


 * ナレーション

 * 赤ずきん(10)

 * お母さん

 * 狼さん

 * お婆さん

 * お花A

 * お花B

 * お花C

 * お花D

 * お花E


 ⸻


 第一幕 旅立ち


 M 日常


 SE カチャカチャと家事をする音


 N

「第一幕。


 赤ずきんちゃんの旅立ち。


 昔々――というほど昔でもない昔。


 あるところに、赤ずきんと呼ばれる女の子がいました。


 特別裕福でもなく。


 特別貧しくもなく。


 ごく普通の家庭で、それなりに不自由なく、すくすくと育っていました。


 そんなある日のこと……」


 ◇◇◇


 ナオ

「……今のところ、ギリギリ普通ね。このMとかSEとかって何?」


 ミオ

「MはMUSICのMで、SEはSOUND EFFECT。効果音のことよ?」


 ナオ

「へー」


 ミオ

「ちなみにNはNARRATION(ナレーション)のNね。続けていい?」


 ◇◇◇


 お母さん

「赤ずきん。明日、病気で余命いくばくなお婆ちゃんの家へ、お見舞いに行ってもらえる?」


 赤ずきん

「わかった。行ってくる。余命いくばくだものね。お見舞いは大事よね」


 N

「そして翌朝。


 赤ずきんは、自分の娘を普通に『赤ずきん』と呼ぶ母親へ特に疑問を持つこともなく、素直に家を出ます」


 お母さん

「赤ずきん! 途中で寄り道しちゃダメよ!」


 赤ずきん

「大丈夫よ、お母さん。寄り道なんてしないわ」


 N

「しかし。


 親の心子知らずとは、よく言ったもの。


 母の言葉に元気よく頷きながら。


 赤ずきんは――」


 赤ずきん

「やったー! お出かけだー! どこ寄ろっかな!」


 N

「一歩目からダメでした」


 ◇◇◇


 ナオ

「すでに先行きが怪しいんだけど……」


 ミオ

「そう? 原作通りじゃない?」


 ナオ

「……」


 ◇◇◇


 第二幕 お花畑の惨劇


 M 明るく軽快な音楽


 赤ずきん

「いい天気ー。森もきれいだし、空気もおいしいし――」


(立ち止まる)


「あ、お花畑」


 N

「見つけてしまいました」


 赤ずきん

「病気で余命いくばくなお婆ちゃんだもの。お花を摘んでいってあげましょう! きっと喜ぶはずよね」


 SE 砂利道を歩く音


 M 急に不穏な音楽


 N

「赤ずきんちゃん。


 お花畑へ到着。


 惨劇の始まりです」


 赤ずきん

「うふふ。どのお花を摘もうかなー?」


 お花A

「……え?」


 お花B

「待て」


 お花C

「なんか来た」


 赤ずきん

「どれにしようかなー」


 お花A

「ちょっと待って! 話し合おう!」


 お花B

「そうだ! 文明的にいこう!」


 お花C

「まだ咲いて三日なんです!」


 赤ずきん

「これかわいい」


 お花A

「私!?」


 SE プチッ


 お花A

「あっ」


 お花B・C

「「お花Aぇーーー!!!」」


 N

「一本」


 赤ずきん

「こっちもいいな」


 お花B

「待て待て待て! 俺はまだつぼみも――」


 SE プチッ


 お花B

「あっ」


 N

「二本」


 お花C

「ひっ! こ、来ないで」


 赤ずきん

「白いのも混ぜよ」


 お花C

「色で選ばないでぇぇぇ!」


 SE プチッ


 お花C

「ぐふぅっ!」


 N

「三本。


 お花たちの悲鳴は、残念ながら赤ずきんには聞こえません。


 聞こえていたらやめたのか。


 それについては、あまり考えないことにします」


 赤ずきん

「るんるんるーん♪」


 SE プチプチプチ。


 N

「次々と千切られ――


 ……失礼。


 摘まれていくお花たち。


 そこには阿鼻叫喚の光景が広がっていました」


 赤ずきん

「うん。これだけあれば、余命いくばくなお婆ちゃんも喜んでくれるはず」


(花束を見る)


「最悪、お供えにもなるし」


 お花E

「今なんて?」


 お花D

「終わった……」


 お花E

「生き残った……!」


 赤ずきん

「あっ」


 お花D・E

「え?」


 赤ずきん

「そういえば花占いってあったよね」


 お花D

「知らない」


 お花E

「そんな文化ない」


 赤ずきん

「好き、嫌い、好き、嫌いって花びらを一枚ずつ取るやつ」


 お花D

「説明しなくていい!」


 お花E

「帰って! もう十分持ってるでしょ!」


 赤ずきん

「お隣のマサオ君が、私のことどう思ってるのか、占ってみちゃお♡」


 頬を染める赤ずきん。


 赤ずきん

「どっちにしようかな」


 お花D

「E」


 お花E

「D」


 お花D

「友達だろ!?」


 お花E

「今だけ他人!」


 N

「しつこいようですが。


 お花たちの声は赤ずきんちゃんには聞こえません」


 赤ずきん

「よし。この花にしよう!」


 お花E

「……え?」


(間)


「ボクデスカ?」


 赤ずきん

「花びらを取るだけなら、別に摘まなくてもいいよね」


 お花E

「いやぁぁぁぁぁぁ!! せめて摘んでからにしてぇぇぇぇ!!」


 赤ずきん

「マサオ君はぁ……私のことが好きぃ?」


 SE プチッ


 お花E

「あっ」


 赤ずきん

「嫌いー」


 SE プチッ


 お花E

「ちょっ」


 赤ずきん

「好きー」


 SE プチッ


 お花E

「ぬほぉおおお!!!」


 お花E

「待って、待って? これ摘まれるより嫌なんだけど!」


 赤ずきん

「嫌いー」


 SE プチッ


 お花E

「あはんっ! やめて! やめてハゲる! 禿げちゃう!」


 赤ずきん

「好きー?」


 SE プチッ


 お花E

「あっ! あっ! あーーーっ!」


 N

「花びらをすべて毟られたお花さん。


 それはそれは無残な姿でした」


 お花E

「嫌ぁぁぁああああ!!」


 N

「数秒後……」


 お花E

「…………」


 お花D

「E……?」


 お花E

「寒い」


 お花D

「花びら、ないもんな……」


 赤ずきん

「嫌い、かぁ……」


(赤ずきん、少し落ち込む)


 お花D

「よし。そのまま帰れ」


 赤ずきん

「もう一回やろ」


 お花D

「なんで!?」


 赤ずきん

「次はこの花で」


 お花D

「俺ぇぇぇぇ!?」


 SE プチッ、プチッ、プチッ……


 お花D

「ぬはぁぁあああああん!!!」


 N

「しばらくして、そこには……。


 色とりどりのお花畑――だった場所がありました」


 お花E

「…………D」


 お花D

「……なに?」


 お花E

「空って、広いな……」


 お花D

「花びらなくなったからな。よく見えるな」


 赤ずきん

「よし。お婆ちゃん喜んでくれるかな」


 お花D

「ふふ……」


 お花E

「へへへ……」


 N

「こうして。


 お花畑の惨劇は幕を閉じました」


 ◇◇◇


 ナオ

「おいいいいいい!!」


 ミオ

「でも、原作通りよ?」


 ナオ

「お前はまず、お花さんたちに謝れ!!」

ナオ

「……ねえ」


ミオ

「なに?」


ナオ

「これ、本当に小三のとき書いたの?」


ミオ

「うん」


ナオ

「小三で『せめて摘んでからにして』を書いたの?」


ミオ

「そこ気になる?」


ナオ

「全部気になるよ!!」


ミオ

「次回後半戦」


ナオ

「まだ続くの!?」


ミオ

「えぇ、もちろんよ? だってまだおばあちゃん家に着くどころか狼さんも出ていないもの」


ナオ

「……」


 ◇

あとがきのあとがき

こちらもよろしくお願いします。


騎馬戦記⭐︎ガールズナイツ(略してガルナイ)本編

https://ncode.syosetu.com/n4403mc/1


騎馬戦記⭐︎ガールズナイツ

——【外伝】陰陽師、山ノ井瑠衣——

https://ncode.syosetu.com/n4403mc/58

(ミオナオが気に入ってくれた人はこっちの方が合うかも笑)

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