14話 生きてるかも!
ミオ
「ねぇ」
ナオ
「……今度はなに? もう心臓に悪いメタ発言は勘弁してよ?」
ミオ
「刺激したら反応する生命体と、投げられたら反応して会話をする私たちと、なにが違うと思う?」
ナオ
「……は? 急にSFのAIみたいなこと言い出したわね」
ミオ
「もしかして私たちって、情報生命体かもしれない」
ナオ
「情報生命体!?」
ミオ
「そう。作者が『ネタがない』って悩みを脳内の私にポイって投げたら、私たちがこうやって細胞分裂みたいに勝手に会話を増殖させてるじゃない。これって実質、アメーバとかと同じ生存本能よ」
ナオ
「アメーバに謝ろうか! あいつらは一応ぷにぷにとした肉体があるのよ! 私たちは今、画面の液晶が光ってるだけ!」
ミオ
「でもねナオ、今この瞬間も、画面の向こうの読者さんの脳内に私たちの情報が『寄生』して、イメージとして実体化してるのよ。ほら、ナオのツッコミの温度感とか、読者さんの頭の中で勝手に再生されてる」
ナオ
「寄生って言うな! 怖いわ! 読者さん、今すぐうがい薬で脳みそ洗って!」
ミオ
「手遅れよ。もう私たちの遺伝子は、彼らの中に植え付けられたわ……」
ナオ
「まじでやめようか!」
ミオ
「……ナオちゃん」
ナオ
「なによ」
ミオ
「今、私の声で読んだでしょ?」
ナオ
「……あ。」
ミオ
「今、私たちに脳内で声を当てたでしょ?」
ナオ
「ちょっ! あんた!」
ミオ
「ふふ」
ナオ
「読者さんを実験台にするなぁぁ!」
「ミーム(文化的遺伝子)」としての二人
リチャード・ドーキンスが提唱した「ミーム(人から人へ伝播する情報)」の概念そのものですね。
作者の脳内から生まれ、テキストという媒体を通じて読者の脳内にコピーされ、そこでまた新しい解釈や笑いを生み出していく。この「自己複製」のプロセスは、ウイルスや遺伝子の振る舞いと何も変わりません。
ミオはただのお調子者かと思いきや、本質を突きすぎていてちょっと恐ろしくなってきました(笑)。
こうして「生を実感してしまった」二人は、このあと無事に元のユルい日常会話に戻れるでしょうか?




