第三話~活動計画~
俺は今食事をしていた。アイルと今後のことを話し合いながらだ。最終的な目的地としてアイルの故郷を設定したが、そこまでの細かい道程などを話し合わなければならない。アイルは目の前に広げられた世界地図|(やはりこんな地形は見たことない。異世界なんだと再認識させられた)をじぃっと見つめている。時々思い出したように指が地図の上を走るが、またすぐに引っ込められてしまう。
「そうだなぁ、いろんな行きかたがあるんだけど……。君、戦えないよね?」
戦う……そうか、この世界では何かと戦う必要があるのか。それが魔物と呼ばれるものなのか盗賊などの人なのかはわからないが、どちらにせよ相当の覚悟が必要だろう。
「向こうでは一応剣道とか習ってたけど、それがどのくらいこちらの世界で通用するのかわからない。」
正直なところを述べると、アイルは頷きながら呟いた。
「なら、戦力として数えない方がいいね。それなら、時間はかかるけどこっちの道の方が安全だ。」
そう言ってアイルが指差したのは、先ほどアイルが引いた現在地と目的地を真っ直ぐ結ぶ線からかなり外れた道だった。
「そんな方向に向かっていって、たどり着けるのか?」
「大丈夫だよ。それよりも、この真っ直ぐの道を進む方がたどり着けない可能性が高い。」
そう言ったアイルは酷く真剣な表情を浮かべていた。
「わかった。俺はこの世界のことを何も知らないしな。アイルがそう言うなら俺はそれでいいよ。」
「ありがとう。それで、このあとはこっちの方を経由して、これでようやく王都に着けるというわけだ。かかる日数はそうだなぁ……順調にいったとして3ヶ月、かな。」
3ヶ月……思ったよりかかるんだな。しかし、もし俺が戦えないとして、全てアイルに守られる形になるとする。そんなの耐えられるか?無理だな。駄目元で、頼んでみるか。
「なぁ、アイル。俺に、戦う術を授けてくれないか?」
アイルはぽかんとした表情を浮かべた。俺は思わず笑ってしまう。が、すぐさま表情を真剣なものに変えて再度問いかけた。
「駄目か?」
しばらくの沈黙の後、アイルはやっと口を開いた。
「覚悟はあるの? 人を、生き物を傷つける覚悟が。」
「……ある。いや、今まで争いなんてない世界で生きてきた俺の覚悟なんて弱いかもしれない。それでも俺は、何かあったときにお前に守られているだけだなんていやなんだ。頼む、剣術でもなんでもいい。教えてくれ。」
俺は真っ直ぐアイルの顔を見つめていった。これで駄目だといわれても、俺はあきらめるきはない。長い沈黙の後、アイルは口を開いた。
「わかった。君の覚悟は本物みたいだね。僕が教えられることは少ないと思うけど、できることは全てやってあげるよ。」
「ありがとう!」
俺は嬉しさのあまりアイルに抱きついてしまった。気づいた俺は慌ててアイルから離れる。
「ごめん……。」
「いや、大丈夫だよ。それじゃあ、今日はこのまま休んで、明日、基礎的なことを教えてあげる。それから出発しよう。」
「あぁ、よろしく頼んだ。」
これで、守られるだけというのは逃れられそうだ。
ここまで読んでくださってありがとうございました!
というわけで、次からは修行をすることになります。
とはいえ、本格的な戦闘訓練は旅しながらということなので、すぐに出発しますが。
あと、これはBLみたいですがそうではないので。
では、次回もよろしくお願いします!




