表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/50

第十八話 カル・スメラの覚醒

世の中は、刺激に溢れていて、何と気の抜けない世界なんだろうとつくづく思うのです。


私、カル・スメラは婚約者のオルガと一緒に都市カーマで魔物の撃退をしていました。


1匹1匹のレベルは高くないけど、数が多すぎです。


オルは片腕を切断しながらも騎士団に指示を出しています。


私はオルの傍に行き彼の治療を施しているのですが、私の治癒Ⅱでは、血を止めることしかできません。


彼はこのままでは生涯片腕で戦い続けないといけない。


騎士なのだから、当然そういう事もあると思っていないといけないけれど、実際その場では、必死に治そうと頑張っていました。


そこに少年がやってきて、オルの腕を治してくれたのです。何ということでしょう。


彼の治癒レベルはⅢです。


私も年齢の割には早く治癒Ⅱを取得したのですが、私より若くて治癒Ⅲが使えるなんて、凄い人です。


しかもオルの恩人です。私は彼に感謝しました。


少年と一緒にいた女性(彼女かな)は、勇者(見習い)でした。


なるほど、勇者(見習い)のパーティだから優秀な人物がいるのかと納得しました。


パーティには、エルフの奴隷もいました。


なんで奴隷を連れているのでしょう。


しかも、先ほどの少年を御主人さまと呼んでいます。


もしかして三角関係なのでしょうか。恋バナ好きの私のレーダーが反応しました。


カーマ王に会った後、私とオルは、ミーナさんのパーティに同行することになりました。


私ができることは大したことないですが、皆さんのお役に立てるよう頑張ろうと思いました。


驚くことは続きます。


オルを助けてくれたマオさんは、魔族で、しかも魔王の息子だったのです。


この辺りから私の頭がついていけません。


勇者(見習い)に魔王の息子に奴隷エルフ。


組み合わせが尋常ではありません。


エルフのリンちゃんは可愛らしいだけでなく、とても強い子でした。



迷宮について、どんどん進んで行くけど、オルは騎士団長だからわかるとして、皆さん本当お強いです。


私は適当に身体強化と治癒してるだけでサクサク進みます。


自分のレベルもぐんぐん上がっている気がします。


あまりにも順調に進んでいたので、迷宮であるにもかかわらず、私たちパーティは油断をしていたのでしょう。


魔族がミーナさんをさらっていってしまったのです。マオさんも焦っていました。


私の魔力もどこまでもつかわかりませんが、行けるところまで行こうと考えていたのですが、マオさんが魔力疲労の状態になっていました。


私も既に疲労は感じていたので、ミーナさんには悪いけどこれ以上進むのは危険だし、無理でした。


その後、四天王を倒した私たちは、ついにミーナさんのいる魔王の階層に辿り着きます。


この魔王はアンデッドを生成できるようです。


無茶苦茶数が多いよ。


マオさんは、魔王の元へ一直線だから、この骨骨軍団は、私たちで相手しないといけません。


「大丈夫ですよ。ガイコツさん達はそれほど強くなさそうです」


リンちゃんが私の不安を読み取ったのか、元気づけてくれる。


リンちゃんは、攻撃力だけでなく感知スキルもすごい。


恐らく魔力の量とかで相手の強さもわかるのだろう。


オルもまだまだ元気だ。骨をガンガン壊していっている。


リンちゃんは、魔法の弓矢で攻撃している。


私はいつもどおり、身体強化をみんなにかけてあげて、時々治癒だ。


早い、オルガもリンちゃんも敵をどんどん減らしていく。


もしかしてレベル結構上がっているんじゃないだろうか。私の魔力も全然余裕だ。


ふとマオさんの方を見ると、なんとミーナさんとマオさんが戦っている。


ミーナさんの剣速が早すぎて全然見えないけど、マオさんは槍で上手に捌いている。


あんなにマオさん大好きなミーナさんがマオさんと戦うなんて、ミーナさん洗脳されているんだ。


早く魔王を倒さないと大変なことになりそうな気がした。


魔王はマオさんに魔法攻撃をしかけていて、こちらのアンデッド生成はこれ以上できないようだ。


着実に数を減らしていったので、もうすぐマオさんに加勢できそうだった。


そんな時、マオさんのファイア(本当にファイアなのかしら)が魔王に当たった。


魔王は業火に焼かれている。さすがマオさん。


こちらは、ほぼアンデッドを倒していた。


マオさんとミーナさんが抱き合っている姿が見えた。全くあの2人は時と場所を考えていない。


「ミーナ、御主人さま殺そうとした。許さない」


リンちゃんが怖いこと言ってたけど、その時寒気がした。


業火に焼かれている魔王が何か飛び道具みたいなものを投げつけていた。


あれは、マズイ。なぜだか、そう感じた。私は急いでマオさんの所へ向かう。


その何かがマオさんに当たるとマオさんは力が抜けた状態になった。


ミーナさんが私を呼ぶ。分かっている、治癒が必要なのだ。


今こそ私の出番ではないだろうか。ミーナさんは、マオさんを私に託して魔王の元へ向かった。


私はマオくんの様子を見る。不思議な状態だ。魔力が完全に消失している。


いや、マオさんの背中に刺さっている矢に吸収されている感じだ。


そして生命力までも吸い続けているような。私は治癒を発動する。


回復した体力がそのまま矢に吸収されるような感じがした。


このままではダメだ。マオさんは生命力を吸われて死んでしまう。


マオさんに刺さった矢を抜こうとしたが私ではピクリとも動かない。


オルに頼んで抜いてもらおうとしたが同じだ。


リンちゃんは隣で「御主人さま、御主人さま」と声をかけている。


諦めてはダメだ。ここで私が頑張らないでいつ頑張るんだ。


私は必死にマオさんに治癒を続ける。治癒レベルが上がっていた。


私も治癒Ⅲになっていた。


しかし、治癒Ⅲでもマオさんの目は覚めない。


マオさんの生命力は徐々にではあるが、減っていっている。治癒Ⅲでも治療できないなんて。


ミーナさんが魔王を倒して戻ってきた。


「マオくん、マオくん聞こえる?」


「ミ、ミーナ…無事…だったか…良かった」


マオさんが気力を振り絞り、何とか返事をする。しかし、その命の灯は消える寸前だ。


「ミーナのせい」


リンちゃん、それは違うよ。しかも今、言うべきことじゃないよね。


そう思いながらも治癒を続ける。ミーナさんは、凄く落ち込んでいるようだった。


だからこそ、マオさんを救わなくてはならない。で、でも私では力不足だ。


もっと力があれば皆を救うことができるのに。


マオさんの身体から力が抜けていくのがわかる。ダメ、死んじゃダメ。


私の必死の治癒のかいもなく、しばらくしてマオさんが完全に動かなくなった。


「ダメぇ~。マオさんは、こんな所で倒れていい人じゃないよ」


その時は気付いていなかったけど、私は鼻血を出していたらしい。


集中と興奮で毛細血管が破裂したのだろうか。私はマオさんをどうしても助けたかったのだ。


恐らく死体となってしまったであろうマオさんに私は必死に治癒を続けた。


すると突然全身が炎のように熱くなり、そして治癒レベルがⅣになった。


「治癒Ⅳ」・・・死後1時間以内であれば確実に蘇生する。時間が経つにつれて蘇生確率が下がる。体力は全回復する。身体の傷は全て治癒、状態異常も治癒。


やった。これならマオさんを復活させることはできる。体力も全回復だ。


でもあの矢が刺さっている限り生命力を吸い取られ、結果は同じになるはず。どうしよう。


「え? 何、何か怖いものが近づいている」


リンちゃんが感知スキルで何かに気付いたようだ。


そしてミーナさんが、リンちゃん、私を一瞬で抱えてオルガの所に移動した。


「カルさん、結界お願いします。全力で」


何か危険が迫っているのだろうか。私は皆の周りに結界を張った。


それと同時に空間のある場所に穴が開いた。


そしてそこからは、先ほどの魔王が子供に感じるような、凄い魔力を持った魔族が現れた。


もう少し結界を張るのが遅ければ、ショック死するくらいの威圧感がある。


「マオくんのお父さん(魔王)だわ」


「「「え?」」」


ミーナさんがトンデモ発言していた。


マオさんのお父さんって、つまり魔王? 魔王はマオさんの前に歩み出た。


「おぉ、マオよ死んでしまうとは何事だ。……まあ、そちらの娘さんが蘇生してくれるのだろう」


そう言って魔王が私を睨む。見るではなく、睨むですよね、今の視線は。


蘇生しろと言っているのでしょう。でも矢が……。


魔王は、マオさんに刺さっている矢に手をかけると軽く引き抜いて、しかも矢を半分に折りました。


矢からは、すごい魔力が放出され、それがマオさんの身体に戻っていきました。


「ふむ、魔力の量も少しは増えたみたいだな。勇者も誕生したし、これからも頑張ってもらいたいものだ」


魔王は腕を組んでうんうん頷いている。


「あなた~。どこ行ったの?」


空間の穴の中から女性の声が聞こえた。


「マオくんのお母さんですね」


ミーナさんが説明してくれた。


魔王は、急にあたふたして、「後はヨロシク」という言葉を残して穴に戻って行った。


私の出番だ。結界を解き、マオさんに近づき治癒Ⅳをかける。


すると眩しい光がマオさんを包み、マオさんが復活した。


「ん? 何かRPGゲームのセリフみたいなのを聞いた気がしたが、気のせいだったか」


マオさんは意味不明な言葉を呟きながら、立ち上がった。


そこへ、ミーナさんとリンちゃんが突っ込んでいった。2人とも激しすぎでしょ。


でも2人とも凄く喜んでくれていた。私の治癒が役に立って良かった。


知らない間にオルが近づいていた。


「カル、やるじゃないか」


私の頭を撫でて褒めてくれた。


オルは、あまり私を褒めてくれないんだよね。珍しいこともあるもんだ。


でも、私も凄い嬉しい気分になる。あーあ、マオさんとミーナさんのこと言えないな。


オルにも治癒Ⅳをかけてあげた。体力完全回復に凄く驚いていた。


わずか数日の迷宮探索だったけど、みんな凄くレベル上がったんじゃないかな。


鑑定スキルがないから私は自分のステータスしか見れないけど、自分のステータスの成長だけでも凄いとわかる。


今日はここ70階でキャンプしてから地上を目指すのかな。


まだまだ、私たちの刺激ある冒険の日々が続くのだと嬉しく思った。



〇〇 ここまでのまとめ 〇〇


カーマ迷宮で魔王を倒した後のアイリースの面々のステータスをまとめました。

勇者になったミーナのスキルに大注目です。


名前:マオ・アーク・デモン

種族:D魔族

スキル:魔眼Lv40、魔淫Lv5、ファイアLv45、ライトスマッシュLv50

称号:不死身の男

JOB:魔槍師Lv50

状態:賢者モード


名前:ミーナ・セルジロ

種族:人間(女性)

スキル:鑑定Lv40、ハヤブサ斬りLv39、ライトセイバーLv1、防御Lv45、治癒LvⅠ、検知Lv1、結界Lv1、身体強化Lv1、耐性Lv1、転移Lv1、自動回復Lv1、料理Lv1、真偽Lv1、限界突破

称号:魔王を討つ者

JOB:勇者Lv1

状態:マオくんLOVE


名前:リン・イザル

種族:エルフ族(女性)

スキル:属性アローLv39、クイックショットLv40、魔力感知Lⅴ43

称号:マオの奴隷

JOB:弓魔師Lv45

状態:興奮


名前:オルガ・ノートス

種族:ドワーフ(男性)

スキル:盾持ちLv52、高揚Lv30、真空斬Lv48、鍛冶Lv50

称号:カーマ騎士団長

JOB:騎士Lv55

状態:歓喜


名前:カル・スメラ

種族:人間(女性)

スキル:治癒LvⅣ、身体強化Lv38、結界Lv39 

称号:癒しの巫女

JOB:僧侶Lv48

状態:平静

次回は27日0時の更新予定です。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ