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落ちこぼれ美少女たちを再設計したら、全員最強になった件  作者: 白石ロジック


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6/6

三人でやったら全員崩れた件

第6話です。


三人同時訓練回です。


ぶつかって、崩れて、理由が見える回になります。

翌日。


教室に入ると、三人ともすでに揃っていた。


ルナは前の席で姿勢を正し、

エリスは腕を組んで壁にもたれ、

ユナは窓際で外を見ている。


——温度が全部違うな。


「始めるぞ」


俺が言うと、三人の視線が同時に向いた。


「今日は個別じゃない」


「同時にやる」


「……は?」


エリスが眉をひそめる。


「意味あるの?」


「ある」


俺は即答した。


「一人でできるのは分かった」


「問題は“同時にやって崩れないか”だ」


「……」


ルナが少しだけ緊張した顔になる。


ユナは何も言わないが、視線だけがこちらに来る。


「条件は同じ」


俺は机の前に立つ。


「小さく作る」


「維持する」


「崩さない」


「以上」


「……簡単ね」


エリスが言う。


「一人ならな」


俺は短く返す。


「三人同時でやると、別の問題が出る」


「……別の?」


「周りを見る余裕がなくなる」


「他人に引っ張られる」


「無意識に競う」


「全部、制御を崩す原因だ」


エリスが、わずかに視線を横に動かす。


ルナとユナを見る。


「……そんなの、関係ないわ」


「そう思うなら証明しろ」


「……っ」


小さく舌打ちする。


「いいわ」


右手を上げる。


「やればいいんでしょ」


その横で、ルナも慌てて手を上げる。


「わ、私もやります!」


「……」


ユナは少し遅れて、ゆっくりと立つ。


「……やる」


三人が並ぶ。


距離は少しだけ空いている。


だが——


意識は、明らかに互いに向いている。


「始めろ」


俺の合図で、


三人が同時に動いた。


ルナは慎重に、小さく火を作る。


エリスは無駄なく、すぐに形を固定する。


ユナは——


一瞬、止まった。


「……」


ほんのわずかに遅れる。


だが、その遅れに——


エリスの視線が動いた。


「……」


その瞬間。


ルナの火が、わずかに揺れる。


「っ……!」


ユナの指先の光が、不安定に揺らぐ。


エリスの炎も、ほんのわずかに歪んだ。


——来たな。


「止めるな」


俺は短く言う。


「維持しろ」


「……っ」


三人の呼吸が、同時に乱れる。


視線が、ぶつかる。



「……集中して」


ルナの声は小さい。


だが、はっきりと揺れている。


「分かってるって言ってるでしょ」


エリスが苛立ちを隠さず返す。


「声、出さないで」


「っ……」


ルナの火が、さらに揺れる。


「……」


ユナは何も言わない。


だが、視線はエリスに向いている。


その瞬間。


ふっと——


ユナの光が、消えた。


「……あ」


ルナの声。


「……っ」


エリスの炎も、一瞬だけ歪む。


「止めるな」


俺は短く言う。


「維持しろ」


「……無理よ」


エリスが吐き捨てる。


「こんなの、集中できるわけ——」


その言葉の途中で。


ルナの火が、完全に消えた。


静寂。


三人とも、止まる。


「……やっぱり」


エリスが小さく言う。


「意味ないわ」


「一人でやった方が早い」


「……」


ルナは何も言えない。


ユナは、もう一度やろうともしていない。


「終わりか?」


俺が聞く。


「……」


誰も答えない。


「じゃあ、今のを分解する」


俺は一歩前に出る。


「まずエリス」


「……何」


「お前、横見たな」


「……っ」


「ユナが遅れた瞬間」


「無意識に確認した」


エリスの表情が固まる。


「その時点で、お前の制御は外に出た」


「……」


「次、ルナ」


ルナがびくりとする。


「はい……」


「声出したな」


「……すみません」


「謝るな」


俺は即座に切る。


「問題はそこじゃない」


「お前は“他人を助けようとした”」


「……っ」


「それで自分の制御が崩れた」


ルナが、ゆっくりとうなずく。


「……はい」


「最後、ユナ」


「……」


ユナは黙ったままこちらを見る。


「止めたな」


「……」


「エリスが見た瞬間」


「評価されたと思った」


「……違う」


小さく否定する。


「違わない」


俺は即答した。


「だから止めた」


「……」


ユナは何も言わない。


だが、否定もしない。


「いいか」


俺は三人を見渡す。


「今のは“技術”の問題じゃない」


「全部、意識の問題だ」


「……」


教室が静まる。


「エリスは“比較”」


「ルナは“介入”」


「ユナは“評価回避”」


三人の表情が、それぞれ止まる。


「これが入った瞬間」


「制御は崩れる」


「……」


「つまり」


俺は一拍置いて、言った。


「お前ら、互いに邪魔してる」


空気が凍る。


「……は?」


エリスが低く言う。


「何それ」


「事実だ」


「違うわ」


即座に返ってくる。


「私は——」


「一人ならできる、だろ」


俺は遮る。


「でも三人だと崩れる」


「それが答えだ」


「……っ」


エリスが言葉に詰まる。


「……でも」


ルナが小さく言う。


「それじゃあ……どうすれば」


「簡単だ」


俺は言う。


「やり方を変える」


三人の視線が、こちらに集まる。


「今のやり方は捨てろ」


「三人同時に“同じこと”をやるから崩れる」


「じゃあ逆にする」


「……逆?」


エリスが眉をひそめる。


「一人がやる」


「二人は見ない」


「……は?」


「完全に“無関係”になる」


「見ない」


「評価しない」


「介入しない」


「ただ存在するだけ」


「……そんなの」


エリスが言いかける。


「できるかどうかじゃない」


俺は切る。


「やるんだ」


沈黙。


三人の間に、張り詰めた空気が流れる。


——いい。


ここからだ。


「——一人がやる」


「二人は見ない」


「……」


教室が静まり返る。


「……本気で言ってるの?」


エリスが低く言う。


「ああ」


「そんなので、うまくいくわけ——」


「やれば分かる」


俺は遮った。


「エリス」


「お前からだ」


「……」


一瞬だけ迷い、


すぐに顔を上げる。


「……いいわ」


「やる」


「ルナ、ユナ」


俺は視線を向ける。


「見ない」


「……はい」


ルナは素直にうなずく。


「……」


ユナは何も言わない。


だが、視線を外した。


それで十分だ。


「始めろ」


エリスが手を上げる。


ほんの一瞬、横を見そうになり——


止める。


視線を正面に固定する。


「……」


呼吸を整える。


指先に、小さな火が灯る。


揺れない。


崩れない。


「……」


ルナは、見ないようにしている。


だが、気配だけは感じている。


ユナは完全に外を見ている。


「そのまま」


俺は短く言う。


エリスの火が、ゆっくりと回る。


安定している。


「増やす」


小さく呟き、


火が一回り大きくなる。


——崩れない。


「……できてる」


エリスが小さく言う。


「ああ」


俺はうなずく。


「今のが、お前の基準だ」


「……」


エリスは数秒、その火を見つめて——


ふっと消した。


「……なるほどね」


小さく言う。


「“他人がいない状態”を作ったわけか」


「そうだ」


「……」


一瞬だけ、視線が横に動く。


ルナとユナを見る。


だが、すぐに戻す。


「……次」


エリスが言う。


「ルナ、やりなさい」


「え、あ……はい」


ルナが少し慌てて前に出る。


「見ない」


エリスが言う。


「……え?」


「あなたも」


「さっき言われたでしょ」


「……あ、はい」


ルナはぎこちなくうなずく。


エリスは、完全に視線を外した。


「……」


ユナも、何も言わずに背を向ける。


「……」


ルナは一瞬戸惑い、


そして——


手を上げた。


小さな火が灯る。


さっきよりも、安定している。


「……できてる」


ルナが、少し驚いたように言う。


「ああ」


「それでいい」


「……はい」


小さく笑う。


「……最後」


ユナが、ぼそりと言った。


自分から前に出る。


「……見ないで」


小さく言う。


「ああ」


俺はうなずく。


ルナも、エリスも、視線を外す。


「……」


ユナが、ゆっくりと手を上げる。


呼吸を整える。


ほんの少しだけ、時間をかける。


そして——


光が、灯る。


小さい。


だが——


消えない。


「……」


数秒、維持する。


そのまま——


保った。


「……できた」


ほとんど聞こえない声。


だが、はっきりしている。


「ああ」


俺は短く答える。


「それでいい」


教室に、静かな空気が流れる。


さっきまでとは違う。


張り詰めていない。


ぶつかっていない。


「……」


エリスが小さく息を吐く。


「……邪魔してたってことね」


「ああ」


「……認めるわ」


ルナは、少しだけ気まずそうに笑う。


「……すみません」


「謝るな」


「構造の問題だ」


ユナは何も言わない。


だが——


さっきよりも、ほんの少しだけ、


立ち位置が近い。


「今日はここまでだ」


俺が言うと、

三人が同時に動く。


今度は、ぶつからない。


自然に、距離を取る。


——いいな。


「……明日も」


エリスが言う。


「同じこと、やるの?」


「ああ」


「段階を上げる」


「……分かった」


ルナも、ユナも、小さくうなずく。


三人が並ぶ。


だが今度は——


昨日までとは違う。


無理に近づかない。


無理に離れない。


ただ、それぞれの位置で立っている。


「行くぞ」


俺が歩き出す。


三人がついてくる。


静かに。


ぶつからずに。


だが——


完全に離れているわけでもない。


——形になってきたな。


まだ不安定だが、


崩れる前の状態ではない。


「次は」


俺は小さく言う。


「重ねる」


三人が、同時に顔を上げた。


——ここからが本番だ。

読んでいただきありがとうございます!


三人でやったら見事に崩れました。


でも理由が分かれば直せる、という回です。


ここから関係も一段進みますので、続きもぜひ!

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