3 今回の防衛増税と何に使われるのか?
筆者:
僕は防衛力強化に概ね(おおむね)賛成する派ではあるのですが、
強化の方向性は果たして大丈夫なのかそもそも増税するべきなのか?
◇今回の防衛増税の内容
質問者:
そもそもいわゆる「防衛増税」って複数回にわたって行われるみたいなんですけど、
まずは今回、具体的に何がどれだけ増税されるかを教えてもらえますか?
筆者:
今回の防衛増税に関してはあまり関係ない方も多いと思います。
なぜならたばこ税と法人税だからです。
たばこ税に関しては過熱式たばこを普通のたばこと同じだけの税率にするようです。
1本あたり0.5円の増税、1箱あたり20円~50円ほど引き上げになるようです。
これは徐々に引き上げられあと2回引き上げられるそうで、合計で2120億円の税収増になるようです。
法人税額の方は500万円差し引いた金額に4%上乗せとなります。(つまり500万円以下の企業は対象外となる)。
中小企業の場合は、法人所得が2400万円程度から追加の課税が発生し、全法人の6%程度が対象となる見通しですが、これについては利益がすでに出ている企業にしか影響がないために壮絶な負担増とは思いません。
国民全員に影響があるのは令和9年1月からは所得税額に1%を上乗せする形で行う事になっています。
同時に東日本大震災の復興財源としてきた復興特別所得税の税率を1%引き下げるため納税者の負担は増えないように見えますが、減税されたはずのものが無くなるわけですからインフレも相まって負担増になるのです。所得税では2560億円の税収増を見込んでいます。
これら3つ全体で年約1兆3000億円の税収増を見込んでいます。
質問者:
たばこ税に関しては1989年時点では5.252円だったのが今では15.744円と3倍になったようですね……(これにさらに消費税が別枠にあります)。
ですが、たばこは健康に良くないのでやむを得ないという事でしょうか……。
筆者:
そうですね。たばこに関しては「買わない選択」が出来るだけまだマシと言えますね。
実際に喫煙率は低下し続けており、たばこ税率が3倍になろうとも税収そのものはちょっと右肩下がりの横ばいの傾向にありますからね。
ただ、たばこに含まれているニコチンに関しては新型コロナに対する耐性があるという研究結果があるなどイメージよりは健康に悪くないという話もあります。
問題はそれらと同時にたばこに存在している添加物が尋常な量では無いようなので副流煙などで不健康になってしまっているという事らしいです。
質問者:
筆者:
いずれにせよ、個人の収入からほぼ自動的に差し引かれる1の子育て支援金や2の保険強制加入よりは状況としてはマシと言えます。
ただ、「防衛増税」とありますが防衛費7、8兆円に比べれば全く足りず、更に言えばお金に色が無いために何に使われているか極端に言えば分からないと言えます。
そのために、何かにつけて増税をしたいという事には変わりはないという事だと思います。
今回は比較的ハードルが低い、実際にも負担がほとんど感じられないラインを攻めましたが、時期に様々なところが「防衛増税」のニックネームで実際に負担を感じるレベルで増税される可能性を考えていく必要があると思います。
質問者:
確かに、昨今、ウクライナやベネズエラ、イランなど様々な紛争が日本の「台湾有事」のリスクを想起させるきっかけになっていますからね……。
筆者:
問題は「防衛費としての使われ方」だと思います。アメリカからの武器購入である「有償軍事援助」と呼ばれるものは2018~23年度の契約総額は計3兆5520億円にもなっています。特に23年度は7兆円のうち1兆3867億円が有償軍事援助となっており尋常では無い割合となっています。
そんなにアメリカから買っているのだから、さぞかし強化されているのだろう……と思われるかもしれませんが、F35を8機買うだけで7875億円、トマホーク400発購入に5416億円ととんでもない金額になっています。
ちなみにイランとの戦闘1か月でアメリカとイスラエルが使ったトマホークは800発以上と言われているのでトマホーク比で見た場合はこれでも十分な水準かと言われると怪しいのです。
質問者:
なんと! 凄い金額のように見えても数としてはそんなに多くないってとんでもない話ですね……。
筆者:
それだけアメリカ製の武器というのは値段が高いと言えます。
更にこれ以外にも「同盟強靭化予算」いわゆる「思いやり予算」と言われる米軍基地への支援が今年は5700億円ほど計上されています。
※ 今年の予算に関することについてはこちらから参照しています。 https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/fy2026/yosan_20251226.pdf
このように、効率的にどうなのかな? と思えるところに増額されたり、思いやり予算が増えるのであれば予算の増額よりも効果が薄い疑惑というのが浮上していくのです。
現状は装備品の維持管理などに投資をすることや新技術開発などに力を入れ7095億円を行うと情報が入っていますが、
質問者:
そもそも待遇に問題があるというお話をされていましたよね……。
筆者:
昨年、僕の住んでいる近くの某自衛隊基地の見学ツアーに行ったのですが、そこでのコンビニ兼お土産を買った売店が酷いものでしたよ。
それがコンビニのチェーン店だったんですけど、その品揃えがそこら中にあるものよりも悪かった。自衛隊専用のお土産にしても種類が少なく買えるものが少なかったので正直一緒のツアーで来ていた人たちも困惑していましたね。
こんな薄汚れて品揃えも悪いところで自衛隊員の方々が普段生活されているのかと思うと悲しくなりましたね。
数年前までは厚手の専用靴下やトイレットペーパーまで自腹だった時代があったそうなですからね(発表では日用品の不足は令和2年に解消されたという事らしいです)。
質問者:
筆者:
正直なところ、自衛隊員の職務責任というのは世界情勢から鑑みても増していっていると思います。
その重責に見合った待遇かどうかを考えていく必要があるでしょう。
ただ、過分にも与えすぎてしまえばいわゆる「経済的徴兵制度」と呼ばれるものにもなりかねない状況になりますので、バランスは大事だと思います。
ですが現状はちょっと「あんまり」とも言える領域なのかなと思いました。
既存施設の更新に4368億円あるのでこの辺りに期待したいところですね。
質問者:
そもそも防衛費の増額に関して増税している国というのは少ないというのは本当ですか?
筆者:
少なくとも参政党の塩入議員が26年3月23日での国会での質問での内容では「G7で防衛増税を行っている国は無い」とのことでした。
やはり、「増税の言い訳」として防衛が利用されているだけに過ぎないものだと思われます。
どちらかというと「建設国債」に近い役割を与えていることなのでしょうね。高市総理はそういった増税を伴わない区分にする気配もないのでこれもまた問題と言えますね。
◇「自衛隊強化だけ」で国防は大丈夫なのか?
質問者:
筆者さんはそもそもの話として、海上封鎖などをされてしまうと自給率が低い日本としては極めて苦しくなるというお話ですよね……。
筆者:
武器を買って自衛隊の待遇を良くしようとも「兵糧攻め」にあってしまえばたちまち終わります。
日本の自給率は38%とありますけど、肥料や種のほとんどが輸入に頼っているので実質的な自給率はもっと低いと思った方が良いと思います。
肥料や種も含めた食料自給率の向上、そして高齢化が進んでいる農家の状況の改善と言った多方面の支援を行わなくてはいけないはずです。
しかし、そんなことを無視して日本政府は『主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案』とかいうのを本国会に提出してで需給に応じた生産を法律化を目指しています。
米の価格が上がり過ぎて余っているような状況で「需給バランス」とか言われたら減産するに決まっています。表現方法を変えた「新型減反政策」と言っても過言では無いんです。
質問者:
筆者:
日本は先制攻撃は事実上しにくいので絶妙なところで封鎖されたら本当に何もできない可能性があります。
攻撃をしたら「敵国条項発動」と言ったリスクもあるので、本当に自給率が大事だと思っています。
僕は強力な武器を作ったり配備したりすればするほど「敵国条項発動」のリスクというのは上がっていくのではないか? と思っているので、
真の意味の防衛は食料自給に尽きると思っています。核を配備してもどうせ「使えない兵器」にしかなりません。
武器でお腹は満たされることは無いので、食料も含めて総合的に考えるべきでしょう。
質問者:
ホルムズ海峡封鎖で原油自給について注目されていますが、食料自給についてももっと注目されるべきですよね……。
どちらかと言うと今はブロック経済化が進んでいるような気がするので、何でもかんでも輸入に頼っていいとは思えませんよね。
筆者:
日本人は別に霞を食べて生活できるわけじゃないですからね。
アメリカからの輸入に頼るのも首根っこを深く掴まれて更に隷属することになりかねないので、
それはそれで危険だと思いますからね。
この意識をもっと広げていければと思っていますね。
さて最後の項目では正直、税金や社会保険料が複雑化が進行しているので「一本化」することで分かりやすくすることの重要性について語っていこうと思います。




