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王位継承  作者: るーく
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朝。


良い匂いで目が覚めた。



おいしそうな匂いだ。




僕が起き上がると、トモエ隊長から声をかけられた。



「クルト、起きたのか」


「…はい、おはようございます」



「よく眠れたか?いま朝飯の支度が終わったところだ」



キッチンの方からトモエ隊長が部屋にきた。




「すまないな、勝手に食材を使わせてもらった」


「いえ、そんな。嬉しいです、またトモエ隊長の手料理が食べられて」






トモエ隊長はテーブルに並べてくれて、二人で食べた。














食後



「なぁ、私もエルフの国に一緒に行こうと思う」


「行け、ますかね」


「私だって違う国の軍隊を見てみたいさ。それはきっと自分のためにもなるだろうし」


「えぇ」


「なんとか女王にかけあってみようと思う。クルトと一緒にいたい気持ちもあるが、純粋に興味もあるからな」




母上は意外とすんなり了承してくれそうな気が、なんとなくした。


なんとなくだけど。















訓練場



トモエ隊長は一旦部屋に戻り、僕は訓練場に向かった。




ちょっと早い時間だったからまだ人はいないかな、と思ったが一人だけいるみたいだった。





リィム隊長だ。


剣の型を黙々とこなしている。



すごく綺麗で、無駄がなくて、見とれてしまう動きだった。















「む、クルト王子……いや、ここではクルトだったな。おはよう」


「おはようございます!リィム隊長!」


「ふふ、やはりまだギャップに少し慣れないな」


「ギャップ、ですか?」


「私が知ってたクルトは、言葉は悪いが暗い雰囲気を持っていたからな」


「あ、はい…」


「別に悪いってことじゃないからな。どちらのクルトも好きだ。ギャップのある方が、女は好きなもんさ」




ふっ、とリィム隊長は剣を一振りした。



横顔もすごく綺麗だった。






「明日には国に帰るつもりだから、今夜には準備をしておくといい」


「はい、わかりました」


「我が国までは馬車で二日かかる。ちょっとした旅行だな」





やわらかく微笑みながら話すリィム隊長は、普通の女性だった。


王女でも隊長でもなく。



なぜか、そんな風に感じた。















しばらくして訓練が始まった。



僕は午前中は筋トレだから、みんなと離れる。




慣れたもんさ。


一ヶ月以上筋トレしてるんだから。


体を鍛えたことのない僕だって、それなりに覚えるさ。















一時間くらいして、ジェシカさんが僕の方に来た。



僕は筋トレをやめて、立ち上がった。


ジェシカさんは両手を頭の後ろに当てながら、ふてくされた感じで歩いてきた。


もちろん唇は尖っている。





「ジェシカさん、どうされたんですか?」


「聞いてくれよークルトー!トモエ隊長ったらひどいんだぜー?ちょっとベアにちょっかいだしたくらいでさー…」



ジェシカさんはブーブートモエ隊長の悪口を言った。



要は「真面目にやる気がないなら筋トレしてろ」と言われたらしい。




「あはは…た、たまにはいいんじゃないですか?気分転換に」


「うーん、そっか、そうだよな。クルトもいるしな!」


「え?あ、はい」


「よーしがんばっちゃうぞー!」




言いながら軽鎧を脱ぎ、腕立てを始める。



中のシャツが少しブカブカのため、襟元からジェシカさんの下着につつまれた胸が見えてしまった。




いけない、見てはいけない。



僕はジェシカさんの正面から横に移動し、同じように腕立てを始めた。
















誰かと一緒にやるってのもいいもんだ。


アドバイスし合ったり、雑談したりできるし。






「も、もうだめだー!」


「おいおい、もう終わりか?クルト!」



僕はジェシカさんに足を押さえてもらいながら、腹筋をしていた。



「腹筋連続二百回はさすがに…」


「だらしねぇなー、あ、いいこと思い付いた」


「え?」




ジェシカさんはそう言うと、シャツの中に手を入れてゴソゴソやりだした。



訳の分からない僕は、ただ腹筋姿勢のまま寝転んでいた。




数秒後、「じゃじゃーん!」と手を上にかざしたジェシカさんの手にはなんとブラジャーが!




「ち、ちょっとジェシカさん!それは…」


「へっへーん!見ればわかるだろ、ブ・ラ!いま私はノーブラでーす!」


「ノ、ノーブラ…」


「やっぱこういうのってさ、ご褒美がないと続かないよな!腹筋で上まで来たときに、シャツの中見えるようにしてやるからさ、がんばれよ!よかったな!」


「いや、よ、よくないですよ!」


「なんでだよ?形には自信あるぜ☆」


「そ、そもそも、ここ訓練場ですよ!」




それがどうした、となぜか自信マンマンのジェシカさんの顔。



ど、どうするべきか…。

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