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王位継承  作者: るーく
22/60

22

夕方、城に戻ってきた。



騎士団居住区域



「はぁー、いつもより楽しかったなぁ!」


「そうだね~、クルちゃんがいたからかな~」


「みなさん・・・今日は本当にありがとうございました!!」


「いいってことよ。言ってくれれば、いつでも一緒に行ってやるからな」


「そうそう!気使ったりなんてしないでいいんだからね!・・・クルトって我が侭言わなそうだし・・・」


「うふふ~。二人っきりがいいっていうなら~、いつでもおっけ~だからね~」


「ちょっとテレーズ!またアンタは・・・!!!」


「はいはい。ジェシカも一々反応してたらキリがないだろ?」


「むー・・・」


「本当に・・・ありがとうございました!」



みんな、良い人過ぎる・・・


良い人に出会えたっていうのも、運だからな・・・


僕は・・・頑張ろうって思った。


運に頼れない部分だって、あるんだから。










「あにうえ~~~~~~!!!!」


「え・・・リム?」












ダダダダっと駆けてきて、リムだと気づいたときにはもう抱きつかれていた。


とっさに振り向いておいてよかった・・・


胸に飛びついてきたリムを、とっさに受け止めた。









「あにうえ~~~~、会いたかったのじゃ~~~~!!!」


「リ・・・リム・・・いきなりびっくりしたよ」


「もうあにうえと離れて一週間以上経つのじゃ・・・!!!寂しかったのじゃ!!!」


「ごめん、連絡もしないで・・・」


「いいのじゃ・・・あにうえが頑張っているのは分かっていたのじゃ・・・でも・・・今日は我慢できなくなってしまったのじゃ・・・」



リムは本当に可愛いな。


抱きしめ返して、頭を撫でてあげたら、リムは猫のようにゴロゴロと嬉しそうな表情をした。











「お、おい・・・あれ・・・リムリア姫・・・だよな・・・?」


「た・・・確かに・・・リムリア姫・・・よね・・・」


「あ、あ、挨拶をしないと~~~~・・・・」



いきなりのリムの登場に、三人は動揺していた。


あ・・・やばい、かな?


でも・・・僕のことはバレてるし・・・










「えっと・・・みなさん、知っていて当たり前だと思うんですけど・・・妹のリムリアです」



「ほら、リム」と僕がうながすと、リムは僕からちょっと離れて、挨拶をした。


「む・・・挨拶が送れてすまないのじゃ。わらわはリムリアじゃ」



三人は、驚いた表情のまま凍りついていたが、まずジェシカさんが再起動した。




「こ、ここここ、これはリムリア姫様!!!ご、ごご、ゴキゲンウルワシュウ!!!!ワ、ワタシハ、ジェシカトイイマス・・・クルトオウジトハタダノドウリョウデス、ハイ・・・」


「おいおいジェシカ・・・最後がなんかおかしいぞ・・・・リ、リムリア姫様、こちらこそご挨拶が送れて申し訳ありませんでした。クイーンガード3番隊のベアと申します・・・」


「え、えっと~・・・同じく3番隊のテレーズです~・・・クルちゃ・・・クルト王子はいつも頑張っていまして~・・・先輩の私も~・・・見習わなくちゃなぁと思っている次第です~・・・」




みなさんごめんなさい・・・


そりゃ、いきなり姫が登場したらこうなってしまうよな・・・





「うむ!あにうえをよろしく頼むのじゃ!!」


「「は、はい!」」


「はい~!」



リムは挨拶が終わると、すぐに僕に抱きつき直してきた。


む、むむぅ・・・気まずい・・・



「み、みなさん申し訳ありませんでした・・・いきなり驚かせてしまって・・・」


「いや・・・その・・・なんだ、仲が良いんだな」


「あ・・・はは・・・」


「当たり前なのじゃ!あにうえは世界一イイ男じゃからな!」


ベアさんは冷静に対応しているかと思いきや、今まで見たことのない表情をしていた。


さすがのベアさんでも、か・・・



「(リ、リムリア姫に粗相を犯したら・・・クビ!?)」


「(落ち着いてよく見てみたら・・・リムリア姫様って可愛いなぁ・・・」


「あ、あの~・・・ジェシカさん?」


「へ、へへへ、へい!なんでござんしょ!?クルト王子!!」


「いや・・・別にクルトで構わないですよ・・・」


「ジェシカ~、それじゃどこの国の人か分からないよ~・・・」


ジェシカさんはもう絵に描いたような焦りっぷりだ。


ここまでの反応を見てしまうと・・・王族ってのは、怖れられているんじゃないかってくらいだ。




「あにうえ・・・?ジェシカもテレーズも相当な美人じゃな・・・」


「いきなり・・・どうしたのリム?」



リムは途端に寂しそうな声だった。


リムに美人だと言われた二人は、顔を真っ赤にして茹ってしまった・・・





「わらわは・・・あにうえのことを片時も忘れたことなど無かったのじゃ・・・でも・・・こんな美人が2人もいたら・・・あにうえはわらわのことなんぞ・・・」


「何言ってるのさ、リム・・・リムのことは、一瞬たりとも忘れたことなんて無かったよ」


「ほんとうか・・・?」


「うん、いつも苦しいときはリムの笑顔を思い出して、頑張ってきたんだよ・・・だから、そんな悲しそうな顔をしないで・・・僕が、明日からもっと頑張れるように笑顔を見せてくれないかな?」


「あ、あにうえ・・・疑ってしまってすまなかったのじゃ・・・でも・・・嬉しいのじゃ・・・えへへ~」



リムは僕に笑顔を見せてくれてから、また僕にスリスリをし始めた。

こう・・・ちょっと恥ずかしいようなそれでいてすごく嬉しい!っていう表情は・・・最高だった。



「くー、これが兄妹愛か・・・泣けるぜ・・・」


「クルちゃん~・・・本当に妹さん思いなんだね~・・・」


「クルトは本当に良いお兄ちゃんだなー・・・ぐすん・・・」


「ほらほらジェシカ~・・・復活したと思ったら~・・・ほら~」


「ありがとうテレーズ・・・でも本当に良いもんだよ~・・・ずずず」



ちょっとしたハプニングだったけど、結果的に・・・良かったのかな?










「あ・・・そろそろ戻らねばいかんのじゃ・・・非常に名残惜しいのじゃが・・・」


「そうなの?じゃあ、残念だけど・・・また今度だね」


「うむ、なのじゃ!次に来たときは、あにうえの部屋を見せて欲しいのじゃ!」


「うん、分かった。リム、また頑張り過ぎないようにね」


「それは、あにうえもなのじゃ!」



リムは僕から名残惜しそうに、ゆっくりと離れた。


僕を見上げてくるリムは、すごく笑顔だった。



「あにうえ!」


「なんだい、リム」


「その・・・今の口調のあにうえ・・・以前にも増して100万倍かっこいいのじゃ!惚れ直してしまったのじゃ!」



リムは僕に飛びついて、頬にキスをしてくれた。


妹からのキス・・・これ以上に嬉しいものはない・・・




「リ、リム」


「また来るのじゃ!・・・では、失礼するのじゃ!3人とも、くれぐれもあにうえをよろしく頼むのじゃ!」


「「はい、リムリア姫様」」


「はい~、リムリア姫様~!」



リムは、てててーっと廊下を駆けていった。


途中で何度か振り返ったときには、手を振ってあげた。


リムも、笑顔で手を振ってくれた。










「ふぅ・・・それにしても、いきなりだったな・・・」


「寿命が縮まるかと思ったよー・・・」


「でも~、リムリア様って~、やっぱり可愛かったな~・・・将来有望だな~・・・」


「みなさん・・・突然すみませんでした」



僕は3人に礼をした。


今日は色々なことがいっぱいあって、刺激的だなぁ・・・




「いや、いいんだよ。同じ城の中にいるんだ。家族にだってすぐに会いたくなるだろう。・・・悪いのはそれを忘れていて警戒していなかった俺たちだ」


「いやー、でもさすがにこの居住区まで姫様が来るとは思わないでしょー・・・でもあの仲の良さじゃあ・・・納得だわ」


「今度来たときは~、お菓子を作っておもてなしをしなきゃ~」


「・・・あのさテレーズ。さっきからアンタだけなんか発言がおかしい気がするんだけど・・・気のせい?」


「え~、そうかな~?確かに姫様がいたときはすごく緊張したけど~・・・今はもう解放されちゃったから余裕があるのかな~」


「はっはっは!ま・・・これからもたまには来るときがあるだろう。俺たちも非番だといって、気を緩ませすぎずにいこうじゃないか」


「なんか・・・申し訳ありません」


「いいんだよ、クルト。頭なんか下げるなって!・・・まぁ俺たちもあんな近くで姫様を見たのは初めてだったし、俺はちょっと嬉しかったよ。これからもたまにあの超可愛い姫様が見れるって思うと・・・くー!」


「ベア・・・姫様ってまだ14歳だよ・・・?アンタもしかして・・・ロ・・・」


「ロリコンは~、死すべしだよ~」


「俺はただ綺麗なものを見たいだけだ!・・・お前らみたいなそろそろ四捨五入したらあぶない連中なんか・・・」



ここで、ジェシカさんに赤いオーラが灯った。


テレーズさんには、緑のオーラが灯った。


ベアさんはどうやら、言ってはいけないことを言ってしまったみたいだった。




「あーら、ベアー・・・?随分と強気なんじゃないのー・・・?」


「女はね~・・・、25から最もおいしい時期を迎えるんだよ~・・・、色んな意味で~・・・」


「や、やっべ・・・!!!あ、あのな、二人とも!!さっきのは言葉のあやっていうか・・・ほんと・・・すまん!!」



ジェシカさんとテレーズさんの目が怪しく光っている。


そして、ゆらゆらと左右に揺れながら、ベアさんに近づいていっている。


こ、これは・・・止めた方がいいの、かな。










「あ、あの、ジェシカさんもテレーズさんも、そのくらいで・・・」


「クールトー・・・?女には譲れないものっていうのがあんのよ・・・そこをどきなさーい・・・?」


「今の私は~・・・いくらクルちゃんでも~・・・止められないんだよ~・・・」


「て、テレーズさん・・・あの・・・べアさんも謝っていることですし・・・暴力は・・・」


「あーーーーん・・・?じゃあクルト・・・変わりにアタシたちに着いてきてもらおうかーーーー・・・・」


ここでジェシカさんは、テレーズさんに何か耳打ちをしたようだった。



「・・・そうだね~・・・じゃあ~・・・変わりにクルちゃんを~・・・」


「え・・・え!?」


ジェシカさんはテレーズさんに何を耳打ちしたのだろうか・・・


なんとか止めようと思った僕だが、なぜだか標的にされてしまったみたいだ。


両脇をガシッと掴まれてしまった。




「クルト・・・すまない・・・」


「べ、ベアさん・・・!!!」


「さぁ~、クルト~、あんなオヤジなんて放っておいて行きましょうね~・・・」


「いかに~・・・私たちが~・・・賞味期限が切れていないかってアピールしてあげる~・・・ベア半殺しの変わりに~・・・」


「ひ、ひえええ・・・・」


「あー・・・そうだー・・・ベアー・・・?私たち3人、夕飯いらないって言っておいてねー・・・もし言わなかったら・・・」


「はい!かしこまりました!」


「・・・ベアさん・・・」




僕は二人に連行されてしまった。


ていうか・・・怖い・・・


女性に歳の話は禁句だっていうのは・・・こういうことなんだね・・・


勉強になった・・・



というか・・・夕飯断って・・・これから何が起こるのだろう・・・

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