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王位継承  作者: るーく
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10

午後。


午前中の入隊試験は合格だったらしく、父上からはいつでも入隊可能だぞ!と言われた。


審査基準を聞かなかったが、合格なら、いいか。




・・・合格、か。


そんなこと、今まで言われたことなかったし、もらったこともなかった。


与えられたことをただこなしているだけの日々。



僕は・・・




時間があったので、また中庭で寝転がった。


ふぅ・・・


なんだか昨日から色々ありすぎて、気持ちがついていけてない。


少し、考えるか。











「クルト・・・」


「・・・ん」


「ちょおっと聞きたいことがいっぱいあるんだけどぉ・・・」


「・・・ナル」


「さっきリムリアに会ったんだけど・・・なんかいつもと雰囲気違うしさぁ・・・さっきおじ様(父上)やおば様(母上)にも会ったけど・・・なんかいつもと雰囲気違うしさぁ・・・」


「・・・うん」


「何があったの?って聞いてもリムリアは、なんかクネクネしてはぐらかすし・・・おじ様やおば様は笑顔で笑ってるばかりで・・・」


「・・・リムに無理するなって・・・言っただけだよ」




僕はナル姫に昨日のことを話した。


ナル姫は最初、いぶかしげな表情だったけど、次第に表情が変わっていった。






「そっか・・・じゃあ、良い方向に向かっているんだね」


「・・・かなぁ。まだ規律とか色々問題あるけど」


「でもさ・・・クルト見直しちゃった!本当・・・すごいよ」


「・・・兄として当たり前のことを言っただけ。本当は・・・最後に言いたいことだけ言って、そのまま国を出て行こうって考えだったんだけどさ」


「あれだけリムリアに冷たくされてボロ雑巾か、その辺に転がっている石ころ以下みたいな扱いされていたのに・・・クルトは・・・本当にすごいよ」


「・・・え、あ、ナル!?」


「少し黙ってなさい!・・・こうしたくなっちゃったんだから」



お互い座って話していたが、ナルは急に僕に正面から抱きついてきた。


そのまま背中から芝生に倒れる僕。


それに抱きついているナル。





「・・・ナル、早く離れないと勘違いされるよ?」


「いいの!私はすごく感動したんだから!それに・・・クルトを見直したし・・・今の感情を表すのにこれしか思いつかなかったの!」


「・・・胸が当たってるよ、いいの?」


「ふっふーん、最近また少し大きくなったの・・・分かる?ありがたく堪能しなさい!」



離れてもらうために言ったことも、軽く受け流される。


僕って・・・積極的な女性に弱いなぁ。


なんか・・・強く言えないし、引き剥がせないんだよな・・・












「ナル・・・何をしておるのじゃ」


「・・・あ、リム」


「!? ち、ちょっとクルト、なんで早く言わないのよ!リムリア、これは違うのよ!間違いよ!宇宙の法則が乱れているのよ!」


「早く離れるのじゃ!」



バッっと僕から一瞬で離れるナル。


顔は真っ赤だ。


相当恥ずかしいんだろうな。


それ以上は期待しない。










「ふぅ・・・まぁちょうど良い。たまには3人で話でもするのじゃ!」


「・・・リム」


「ちょうど3時のおやつの時間じゃ!食堂で紅茶でも飲みながら話すのじゃ!」


「リムリア・・・うん、行こ!」



リムとナルと3人で話すのは・・・いつ以来だ。


リム・・・大人になったね・・・兄は嬉しいよ。


ナルもびっくりしてたみたいだけど、すぐに笑顔になったし。


うんうん。










「・・・あの」


「なんじゃ?あにうえ」


「・・・ナルが見てるのに腕組むのは・・・」


「わらわは自分の気持ちに素直になったのじゃ!・・・自分の気持ちに素直になれない人間は難儀じゃの!・・・なぁ、ナル?」


「わ、私は別に、クルトのことなんて・・・」


「・・・」


「ふ、ふん!二人してノロノロ歩いてるなら、先行くからね!」


「・・・あにうえ、ナルには要注意じゃぞ」


「・・・なんで?」


「・・・なんでもじゃ!」




鈍感っていうのは、時に残酷であり、時においしいのだ。


ぼ、僕はど、どどど鈍感ちゃうわ!


いや、自分じゃ分からないけど。




そんなこんなしている内に、食堂に着いた。

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