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推しの献血王子がなぜか家に通ってくるんだけど、距離が近すぎてもう好きになるしかない  作者: はりねずみの肉球
第2章:同じ帰り道の違和感

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パート3:魔王の帰還、そして

「……おい。いつまでイチャついてんだよ、お前ら」


「「ひゃ、ひゃいッ!?」」


リビングのドアが勢いよく開き、髪をボサボサにした海斗が立っていた。

私と恒一くんは、漫画みたいに飛び上がって、ソファの両端まで距離を取った。


「か、海斗!? 起きるの早すぎでしょ!」


「早いも何も、トイレ行こうとしたらリビングから甘ったるい声が聞こえてくるし、おまけに玄関には恒一さんの靴があるし。……ったく、やっとかよ」


海斗は呆れたように大きなため息をつき、冷蔵庫から麦茶を取り出してラッパ飲みした。


「お前ら、どんだけじれったい時間過ごしてんだよ。恒一さんも、深夜にタクシーで駆けつけるとか、やってることが重いんだよ。姉ちゃんは姉ちゃんで、お通夜みたいな顔してた癖に、今は顔真っ赤だし。……見てるこっちの身にもなれっての」


「ご、ごめん、海斗くん……」


恒一くんが、キャップを深く被って顔を隠しながら、申し訳なさそうに縮こまる。

海斗はそんな彼をチラリと見ると、ふっと口角を上げた。


「……まあ、いいんじゃねーの。恒一さんが悲しそうな顔してんの、もう見たくないし。姉ちゃん、ちゃんと恒一さんのこと、ゲーム以外でも支えてやれよ。あ、でも特訓は別だからな! 容赦しねーぞ」


「……海斗」


弟の不器用な祝福に、胸の奥がじんわりと温かくなる。

海斗は「あー、腹減った」と呟きながら、再び自分の部屋へと消えていった。

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