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従業員用駐車場に愛車を押し込み、営業所の古びた引き戸を滑らせる。
「おはよぉーございますっ!341便もらいまーす!」
高らかに乗務便を宣言し、呼気アルコール検査の後、鍵と車載品を受け取る。
「はいおはよー。341ね、今日は……455号車!アルコールOKだね!じゃー点検よろしく!」
当直運行管理の輝かしいスキンヘッドを頼もしく感じながら車庫へ向かう。
車庫の中央に、455号車は静かに始業の時を待っていた。
「455…あぁ、あのブレーキが癖の強い子か…」などと数ヶ月前に乗務した記憶を引きずり出しながら運行前点検を進める。
灯火ヨシ、方向幕ヨシ、空気圧ヨシ…
「点検ハンマーの取り回し全国大会があればそこそこ上位に入れる気がする。」と、くだらない冗談を思い浮かべながら、車両最後部のエンジンハッチを開けた。
見慣れた直列6気筒ディーゼルエンジンが、前便運行の余熱を纏って据わっている。
インタークーラー配管に若干のオイル汚れを認めるが、整備班から点検済みかつ運行支障なしと引継ぎを受け、運転席に乗り込むと、いよいよその機関に火を灯す。




