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穏やかな夕暮れ時、枕元に据えた2つの目覚まし時計が、惰眠を貪る私を現実に連れ込んだ。
窓の外、東の空で時折稲光を走らせながらオレンジに輝く積乱雲を眺め、
「今日は西向きの便で良かった。」と独り言をもらす。
朝食と呼ぶにはあまりにも遅すぎる食事を手早く取り、最近リニューアルされた制服に袖を通しながら、いつも通り乗務カバンの点検を始める。
ピンチハンガーから白手袋をむしり取り、懐中電灯から充電ケーブルを抜き取った。
ペットボトルの紅茶と、グミや飴なんかの駄菓子をポーチにまとめ、乱雑に乗務カバンに押し込む。
ゴミステーションに膨らんだビニール袋を投げ込み、20年落ちの愛車に飛び乗ると、走り慣れた通勤路を走り出した。