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冤罪  作者: ニベア王子
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(第63回)取調べ

逮捕はしたもののこれから取り調べて起訴、そして裁判とまだまだ完成への道のりは長い。この先自分にできることは基本的にないが、万が一接点があった際にはへまをしないように気を付けなければ

さて警察本部の留置所でターゲットはお抱え弁護士と面会中

「大臣、いったいどうなさったんですか」

「わしにもよくわからん。いつもの様に女の子を眠らせてさあお楽しみと思ったらいきなり刑事が5人も踏み込んできて現行犯逮捕されたんだ」

「で、逮捕の時容疑はなんといってましたか」

「確か強制監禁とか言ってたなあ」

「実際にやったんですか」

「やっとる訳無いだろう。ただ女の子が寝不足だというから弱い睡眠導入剤を飲ませて、自分はチェックアウトするからゆっくり寝なさいと言ったら。その瞬間に刑事が10人くらいなだれ込んできて、現行犯だと言ってワシに手錠をかけ、無理やりここに連れてこられたんだよ。先生、早く出してくださいよ」

「分かりました。るみを犯していないのであれば直ぐに出られますよ。ちょっと交渉してきますのでお待ちください」と言って弁護士は留置所を出て行った。30分ほどして戻って食た彼は血相が変わっていた。

「先生、私にウソついちゃだめですよ。証拠はがっちり固まっているし。全く言い逃れできない状況じゃないですか」

「え?そんなはずはないが」

「弱い睡眠導入剤って、実際はクロロホルムだそうですね。これじゃ監禁目的と言われても反論できませんよ。しかもクロロホルム使う前に強い睡眠薬飲ませたらしいじゃないですか。いつもの目薬でしょ!」

ここまで私に隠し事なさるなら責任取れませんよ」

「え?ちょっと待ってくれ、奴らは何で最初の睡眠薬のことまで知ってるんだ?」

「そりゃ被害者の尿検査で一発でしょ。いままでは事件にならなかったから良かったですけど警察を甘く見過ぎてますよ。ついでに私まで騙そうだなんて」

「スマンスマン、彼らがそこまで知っていると思わなかったので」

「では、洗い浚い話してもらえるんですね。」

「勿論だとも、頼りは先生だけだからね」

それからターゲットは彼女の出会いから事件当日までの経緯を弁護士に説明した。

「なるほど概ね分かりました。ちょっと解せないのは、アフターを断り続けていた彼女が急にOKして、

その日に警察万全の態勢で居たことですね。ひょっとすると彼女は警察の協力者で先生は罠にかかったのかもしれません」「ウーム、確かに手際が良すぎるなあ」「とすると囮捜査という可能性もあり、それが

証明できれば先生は無罪です。違法捜査ですからね。「おお、きっとそうに違いない。彼女に口を割らせればすべて解決だな」「そうですね、先ほどのお話では、最近お店に入ったようなので、最初からお膳立てされていたものでしょう。彼女は勿論口止めされているでしょうが、しょせん素人なので、私の手にかかれば洗い浚い喋ってくれるでしょう。」

「先生いつにもまして急ぎで頼みます」

「早速今晩、店に行って交渉します。2、3日で報告に来ますよ。

ターゲットはこれで大丈夫と安堵し、留置所でのんびり待つことにした。しかし弁護士は早くも翌朝面会に来た「先生、彼女はもう店をやめており、足取りがつかめません、店に届けていた住所もでたらめでした」「何だって!でも警部は裁判になれば彼女が証言するから少しでも罪を軽くするためには心から謝罪することを勧める。と言ってたぞ。警察は連絡できるんじゃないのか」

「ええ、私も警部に彼女の連絡先を質問しましたが、被害者の居場所を教えられるわけないでしょ、と突っぱねられました」「そりゃそうだな。でも、それならなおさら囮捜査の可能性が高いのではないですか?」「その通りです、囮捜査なら一番守るべきは囮そのものですからな。なので私は囮の周辺を攻めることにします。あの店のママと従業員への聞き込みを営業妨害にならないすれすれまでしつこく繰り返して、情報漏れを誘導しようと考えてます」「さすがはプロですな、金に糸目をつけずにどんどんお願いします。費用は請求してください」「承知しました。今度は目鼻がつくまでしばらく面会に来ないと思います」「そりゃ構わないけど、拘留期限があと一週間だからそれより後になると私は既に起訴されて検察に移動しているんじゃないかな」「その通りです。でも心配ご無用。これまでの状況から警察は必勝を確信して拘留期限を待たずに起訴してくるでしょう。しかしどんな鉄壁の証拠があっても違法捜査であれば検察は裁判に持ち込めません。逆に早く検察に移してくれれば自分から検察に囮捜査の可能性を検証中と

伝えますので、検察もその疑惑が晴れるまでは起訴できないと思います」「なるほど元検察官の先生がそう言ってくれるなら安心だ」それからターゲットは警察での取り調べでも落ち着いて対応できた。警部は捜査課長との会話で

「先日の弁護士面会以降、先生の態度に余裕が窺えます。おそらく囮捜査を立証するから大丈夫、とかいわれたんでしょう。弁護士はあのバーに盛んに出入りして、ママや店の女の子にお酒そっちのけで聞き込みをしているようです。ママが営業妨害だとぐちってました。とはいえ料金は毎回きちっと現金払いなので理業妨害で追っ払うわけにも行きません」「で、あの店から漏れる心配はないのか」「事実を知っているのはママだけですから女の子からは何も出て来ません。彼女の出勤時はマイク越しに会話をすべて聞いていましたが、彼女が他の女の子に話したこともありませんから」「なら大丈夫だな。あとは設計課長か」「今のところ設計課長には弁護士は全く触れていないので大丈夫でしょう。彼も結構なタヌキですから仮に弁護士が会社に訪ねてきてものらりくらりとかわしてくれるとおもいます」「だと良いが、なんせ素人だからな」「まあ、接触が入るようなら対策を考えますよ」「頼むぞ」

弁護士は苛ついていた。囮捜査はほぼ間違いないだろう。でも情報が無さすぎる。普通素人の協力者はどこかに漏れがあって、それを見つければコロリなのだが、まったくほころびが出てこない。あのバーだけ調べてもダメなのかな。今日は自分が師と仰ぐ弁護士会の重鎮と会食だ。特に話題もないので本件相談してみるか

「大先生、お久しぶりです。お元気そうで何よりですなあ」海が見える高層ホテル最上階のレストランで

年に4回ほどランチを共にする間柄なのであいさつは毎回同じ言葉の使いまわしである。「いや、君も元気そうでよかった。最近は面白い話は何かあるかい?」「いや、今日は少しご意見を伺いたい相談事がありまして」「そりゃ珍しいな、話を聞かせてくれ」

弁護士は顧客である国会議員の逮捕が囮捜査だとにらんでいるが、まったく情報が出てこない古都を説明した。一通り聞き終えるとしばらく考えたのち大先生は「そのバーはもうあきらめたほうがよさそうだね

おそらく警察が協力要請するとすればママだけだろう。そこは商売人だからガードは簡単には崩せなかろう。仮に君が警察で捜査令状でもあれば、店内に監視カメラや盗聴器を仕掛けた痕跡が調べられるが

警察がやったのなら撤去はおろかネジ跡なども完全に消し去っているだろうからね」「それより逮捕のタイミングが良すぎるのは気になるな。ひょっとしてホテルも協力してるんじゃないか」「ええ、その可能性も考えましたが、あの日使った部屋はスイートで、そこを警察が何か月も囮捜査のために確保していたとは思えません」「うーん金銭的にはそうだが、やはりホテルの協力なしにはスムーズな逮捕はできないはずだ。例えばクロロホルム使ったらすぐに刑事が乗り込んできたということはドア口で待機していたはずで、そんなものをホテルマンが見逃すはずないから、おそらく上司から協力要請があり、知らんふりしたものだと思うが、どうかね」「なるほど、確かにこの場合はホテルマネージャのみの協力では成立しないし、事件後全員辞めてもらうわけにも行かない、ですね。ありがとうございました。何だか急に道が開けた気がします」「いや、普段の君ならわけなくたどり着くはずだが、やはり国会議員の顧客ということで焦りがあるんじゃないかな?」「おっしゃる通りです。大口をたたいたものの進展なく、報告にも行けないので視野狭窄になっていました」弁護士は大先生にお礼を言ってその足で現場のホテルに向かった。

移動中、そういえばバーでの聞き込みはママと従業員の女の子限定だったけど、被害者はターゲット以外も接客しているのでそこにも情報があるかもしれない、と思い、こんなことすら考え付かないほど視野狭窄になっていたんだと改めて驚いた。すぐに事務所に電話して、助手に彼女を頻繁に指名していた客を探し、話を聞くよう命じた、やっと自分らしくなってきたな。大先生との会食頻度を上げよう、と考え秘書に申し入れを命じた。そうこうするうちにタクシーは目的のホテルに到着した。フロントでは「いらっしゃいませ、ご予約のお客様ですか」と愛想よく聞かれたが「いや、申し訳ないが自分は弁護士で、先日このjホテルで逮捕された国会議員の事件について調査しています。お仕事中申し訳ないが、マネージャにお話をお聞きできないでしょうか」「申し訳ありません、マネージャとのご面会は全て事前予約をいただくことになっておりまして、恐れ入りますが本日は面会予約のお申込みのみとさせていただけないでしょうか」そう言われたら強くは出れない。「分かりました、では自分の連絡先などはこの名刺をお渡ししますので、そこにメールでも電話でも結構です。概ね1時間くらいお話しするお時間を調整してください。

ところで、宿泊した部屋があるフロアの従業員の方にお話を聞くのは構いませんか?」

「はあ、それは結構ですが、何分みんな仕事中ですので手短にお願いします。失礼ですが監視カメラでこちらから確認させていただき、業務に支障が出ると判断した場合は退出をお願いすることになりますので合わせてご承知おきください」「ありがとう、気を付けますよ」そう言って弁護士はスイートルームのあるフロアにエレベータで移動した。通常はスイートルームのルームキーが無ければこの階には止まらないはずであるがフロントの配慮であろう。監視しているという警告も含んでいるのかな。

エレベーターの扉が開き、スイートルームがあるフロアに到着した。弁護士は早速従業員が大勢いると思われる部屋を見つけノックして入室した。「いや、皆さんお仕事中にすみません。先ほどフロントでお許しをいただいて皆さんにお話を伺いに来た弁護士です。」「ああ、フロントから連絡がありました。私がこのフロアのスタッフリーダーです。」「おお、貴方がリーダーですか実は3日ほど前の晩に、ここのスイートルームで国会議員の先生が逮捕されましたよね。私はその時の警察の捜査は違法だったと思ってます」「あの晩勤務されて居た方にお話を聞きたいのですが」リーダーは「それもフロントから連絡があったので、その時勤務していた者をこの部屋に集めました。私も含めて」「そりゃ手間が省けて助かります。あの晩の逮捕時刻には部屋のドア前にマスターキーを持った刑事5名ほどが居たと思いますがいかがですかリーダー?」「いえ、部屋の前には誰も居ませんでしたよ、通路の監視カメラにも何も映っていませんでした」「え?もう監視カメラう映像まで確認されたのですか?」「はい、逮捕後に警察の方がお見えになって、当日国会議員が入室した映像など見られたので、ついでに逮捕の時刻まで見ておいたところ、逮捕時刻が過ぎると部屋から先生と刑事さん5人が退室される映像が有りました。弁護士さんがおっしゃるように予め刑事さんが手ぐすね引いていたというならドア前ではなく、室内に居たことになりますね」「なるほど・・・いや、そんなはずはない、ならば先生が入室される前に刑事たちが入室した映像があるんでしょうか」「いえ、そんなことが有ったらホテルの信用にかかわりますからそれは断じて無いと申し上げます」「フーム、そのカメラ映像を見せていただくことはできますか」「それはできません。どうしてもというなら警察の方同席で、警察の方から依頼して下さい」「そりゃあ無理だよ、仮にその手順を踏んで刑事たちが事前に入室していたことが証明されれば、警察自らが囮捜査を認めることになるからねえ」「それでは、カメラ映像は見ないで良いですか」「いや、それはぜひ見せていただきたい」

「先生、私はお見せできない理由をはっきり説明し、先生も理解されたと思っているのですが勘違いですか」「いや、間違いないです。しかし私は、そういった事情であっても、貴方が罪の苦しみに耐えかねてカメラ映像を見せていただけるのではと期待してお願いしているのです」「罪の苦しみ?私がウソを付いているとおっしゃるわけですか?」「いや、貴方が主体的に嘘を言っているのでは無く、言わされていて苦しんでいるのではないかと思ったのです」

「いや、それはお気遣いありがとうございます、というかそんなこと不要です。私は本当のことしか言っていないのですから。先生がそこまで私をお疑いなら、カメラ映像をお見せしましょうか、そして、私の言う通りの内容だったとしたら、先生を名誉棄損で訴えますが、それでも見たいですか」

弁護士もここまで言われて少し驚いた。これほど断言するからには、おそらく監視カメラ映像は修正済であろう。しかもこのホテルの顧問弁護士は先ほど会食した大先生であり、対決には勝ち目は無い。

「分かりました、お気を悪くされたようで、申し訳ありませんでした。お詫びして、映像閲覧のお願いを取り下げます、許してください」

「分かりました、頭を上げてください。先ほどまでの先生の言動は依頼人を信じるが故の行為だったということで理解しましたので」「おお、心の広い方で良かった。ではこれで引き揚げます。貴重なお時間をお邪魔してすみませんでした」その後、フロントでもこの状況を説明し、弁護士は事務所に帰った。

事務所で自分の席に座った彼はひとり呟いた「やはりあのホテルはグルだな。弁護士慣れしていない人間があんなに落ち着いて対応できる訳がない。一から十まで台本通り喋ったのだろう。思ったより用意周到だな。しかし大先生が顧問弁護士のあのホテル相手にケンカを売るのは、ちょっと勝ち目がないなあ。でもクライアントを見捨てる訳にもいかないし」その日、弁護士はあれこれ考え、翌日依頼主に面会に行った。

「先生、色々調べましたが手の打ちよなりませんかね。まあ、先日お話を聞いたように、実際に罪は犯して・・・いや、未遂か・・・でも、この状況が明るみに出たら過去の関係者からも「実は私も」という人間が大勢現れて、とんでもないことになりませんかねえ。」

冒頭、弁護士を一喝しようかと力んでいたターゲットも、実は私も、のあたりから急に自信が無くなってきたようだ。

「先生、過去を掘り返されるのは本当にマズイ、今回の罪は認めるとして、過去に手が伸びないようにする方法は無いでしょうか」

「実際、警察が囮捜査をしたということは過去事案をかぎつけたためと考えられるので、難しいかもしれません。しかし、現職国会議員である貴方を逮捕したのだから、この件を立件できるだけでも県警は大手柄であり、納得するかもしれません。その線で落とせそうか、私が一当たりしてみます。」

「頼みます、議員辞職しても党から追い出されなければ、再来年の選挙で復帰できるかもしれないので」

「その辺は先生から党の幹部に根回しお願いしますね」「了解、それは自分でやるしかないよね」

しかし、逮捕後党の連中は日和見を決め込み、誰一人面会に来ていない。、ニュースでは本件で有罪になったら党を除名されるとの報道があり、本当なら復帰どころか立候補もできないであろう。それ以上に今回罪を認めればお調子者どもが自分を除名すると言い出すかもしれない。しかし、自分にはまだ切り札がある。それを使えば除名阻止などたやすいことだ。問題はその相手とどうやって面会にこぎつけるかだ。

ターゲットは唯一連絡を許されている事務所の電話番女性に電話をつないでもらい

「ああ、お疲れ様そちらはどんな様子ですか」

「毎日クレーム電話が50本ほどかかってきます」

「本当に申し訳ない。そのために貴方に居ていただいているわけじゃないんだが、ところで党の方から連絡は来ていませんか。首相とか、幹事長とか」

「どなたからも連絡ありません」

「全く、どういうつもりなんだ。すみませんが第一秘書に伝言をお願いしたい。2、3日中に10分で良いので面会に来て欲しいと言っていただけないでしょうか」

「承知しました。でも第一秘書も面会に行っていないのですか、ひどいですね」

「まあまあ、誰でも厄介事は避けたいのが当然ですよ、伝言の時に彼を責めたりしないようくれぐれもお願いしますね。いや、それどころか、行きたくないでしょうに大変ですね、位言ってあげて欲しいなあ」

「分かりました、そのようにお伝えします。」

電話の3日後に面会者があり、秘書かと思ったら電話番の女性だった。話を聞くと

「先生からいいつかった通り第一秘書に申し上げたのですが、言い終わるとすぐに「ああ、先生らしい言い方だね、でも僕は厄介事には巻き込まれたくないから面会には行かないよ。とのことでした。それで私がご報告しなければと思いまして」

「いや、申し訳ありません。嫌な思いをさせてしまいましたね。今日ここにくることは・・・」

「ハイ、事務所のホワイトボードに書いてきました」「すると第一秘書は貴方がここに来たことを知っているわけですね。とすると、次に会ったときに何を話したか聞いてくるでしょう。

またまたお願いで恐縮ですが、会話の内容を聞かれたら

「議員辞職と離党届提出を考えていると言ってたと伝えてください」

「え?辞職だけでなく離党も、ですか」

「そう、それくらいしないとケジメが付けられないでしょう。皆さんも失業させてしまうが、退職金はなんとか お支払いするので、お許しください」

「分かりましたそこまでおっしゃるなら」そういうと彼女は自分のスマホを取り出し

「今お聞きになった通りです。ここで切りますね」と言って電話を切った

「第一秘書ですか」「そうです」「というか事務所に置いた、別のスマホに録音していました」

「なるほど、貴方の通話記録を見ても誰と通話したかわからないというしかけですな。全く、つまらんことに気が回るヤツだ」彼女は無言で人差し指を唇に当てている。どうやらまだ別経路で録音は続いて居るのだろう。無言で頷くと、素知らぬ顔で会話を続ける「しかし、事務所の人間で面会に来なかったものにまで退職金を払う必要はないよねえ。私にも感情というものがあるから」そこまで言うと彼女はボイスレコーダを取り出し、電源を切った。「これできっと秘書も面会に来ますね」「だと良いが」

それから2日後に意外な面会者が現れた。それは逮捕した県警の警部だった「先生、お体の具合はいかがですか」「いや、犯罪というのは割に合わないとよく言われるが、ここで規則正しい生活、カロリー低めの食事をしていると、みるみる体重が減って、健康状態は良くなるばかり、罰を受けているというより

心身を洗い清めてもらっている感じです」「それは良かった、今日はご相談というか、確認に来ました。あなたの弁護士が「初犯で罪を認めており、反省もしているので、極力軽い刑罰で済ませたい。と言ってきましたが、貴方も同じ思いですか?」「いえいえ、とんでもない、弁護士さんは私が高齢であることを考え、ご配慮をお願いしたものと思いますが、先ほども申し上げたように、体調はいいので、相応の罪に問われるべきであると思っております」「ほう、それは殊勝なお考えですなあ。これまで自分は10名ほどの政治家を逮捕してきましたが、皆さん罪は認めない、囮捜査だから警察が違法、とか判で押したように主張されていましたが、やはり現行犯では言い逃れできませんかね」「おお、囮捜査と言えば私の弁護士もその線でずいぶん調べたようですが、証拠は見つけられなかったようです。それで私のことが哀れになり、お手柔らかに,と申したのでしょう。「なるほど、ホテルに取材していたのは囮捜査の証拠集めだったのですね」「しかし監視カメラ映像は見せてもらえず、従業員が実際見て、警察の方が事前にフロアで準備していた事実はない。と断言されたので、断念したと聞きました」

「そうですか、従業員に断言されては致し方ありませんね」「まあ、私も、同じ室内にいたわけでもないのにどうして警察の方は私の犯罪を知りえたのだろう、また、どうやってあの部屋に入ってきたのだろう

という、素朴な疑問はありますけどね・・・、だからと言って私の罪が消えるわけでもないので、これは弁護士にも言っていません」ちょっと警部の顔色が変わった気がした「なるほど、そうですか、体調が良いと聞いて安心しました。では明日検察にお送りしますので、ご承知おきください」おっと、これが用件だったか先に移送の話をして体調を理由に引き伸ばされないよう、世間話から始めて・・・悔しいがこちらの負けだ「承知しました。では弁護士にもお伝えいただいてよろしいでしょうか」

「勿論です。明日午前10時にお迎えに来るよう連絡します。」

これで警察から起訴されることは決まった。明日以降は検察か

さて、弁護士先生はどうするつもりかなあ

以上を警部から説明され、とりあえず問題なく進んでいることが理解できた。さて、今後波乱はあるのだろうか?

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