生存率0%の爆笑ハッキング
ケン
「……。おい、生きてるか全人類!今夜の放送は危険だぞ!先に言っておく、心臓の弱い奴は今すぐラジオを窓から投げ捨てろ!ついにネットで『この番組を聴くと三途の川が見える』って噂が広まってるらしいじゃねえか。ギターのケンです、16歳!今夜はマジで命懸けで回していくぜ!」
ユカ
「(過去最高の爆音)あーっはっはっは!!わっしょーい!!ねえケンくん、聞いた!?『アタックを聴きながら腹筋が爆発した』っていうメールが500通も来てるよ!これもう、ラジオっていうか兵器だよね!こんばんは!歩く大量破壊兵器、ユカです!!」
アサ
「高城アサ、16歳。……ちょっと、今の噂、最高じゃない。リスナーが『命の危険』を感じるほどのコンテンツなんて、現代じゃ最強のブランド価値よ。今、番組の生命保険をリスナーに売りつけるプランを思いついたわ。死ぬほど笑う前に、この契約書にサインしなさい。受取人はもちろん、この番組よ」
ケン
「(爆笑)ひっでえ!リスナーが死んだら番組が儲かる仕組みかよ!お前、16歳にして悪魔の才能が開花しすぎだろ!」
アス
「……えへへ。みなさん、こんばんわぁ。アスですぅ。あ、今、スタジオの外に、ちいさな死神さんが100人くらい並んで、整理券を持って待ってますぅ……。みんな、笑いすぎて抜けた魂を、虫取り網で捕まえようとしてますよぉ……」
ケン
「(椅子から転げ落ちる音)死神の整理券制!アスの発言が一番怖いわ!おい、今夜のテーマ、もう出しちまえ!今夜はこれ!『16歳の、絶対にやってはいけない禁断のハッキング・モノマネ大会』!!」
ユカ
「(腹を抱えて笑いながら)ひゃっはー!!それ、さっき楽屋でやって、プロデューサーが泡吹いて倒れたやつでしょ!?まずは私からいくよ!……『もしも、アサちゃんが100円ショップの店員になったら』!!」
アサ
「(被せ気味に)いらっしゃいませ。……お客様、その100円の商品、原価3円ですけど本当に買うんですか?その97円の差額で、私に投資してみる気はありませんか?人生を損切りする前に、私の連絡先を1,000円で売ってあげます」
ケン
「(机を叩いて爆笑)似てる!っていうか、アサならマジで言いそうで怖いんだよ!ヨシがいねえ分、俺が全部ツッコまなきゃいけないのに、笑いすぎて声が出ねえ……!」
アス
「……。じゃあ、次はアスがいきますねぇ……。えへへ。『もしも、ケンくんのギターが、急に自我を持って、喋りだしたら』……。……(超低音ボイスで)『ケン、お前のピッキング、雑すぎ。あと、さっきのカルビの脂がピックアップに詰まってて、俺、死にそう』……」
ケン
「(過呼吸気味に笑う)やめろ!俺のギターのキャラ付けが重すぎるわ!ギターにダメ出しされる16歳、世界で俺だけだろ!!」
アサ
「(冷徹なトーンで)いいわね、その設定。来週からケンくんは喋らなくていいわ。そのギターの声をユカさんがアフレコして、ケンくんはただの『肉焼き担当』としてスタジオの隅でカルビを焼いてなさい。その方が視聴率が3%上がるわ」
ユカ
「(笑いすぎて机を叩く音が止まらない)ギャハハハハ!!肉焼き担当!ケンくん、今日から『ギターを弾かないギタリスト』決定!わっしょーい!!カルビわっしょーい!!」
ケン
「(笑い死に寸前で)……ハァ、ハァ……。たすけて……。もう、お腹が……。リスナーのみんな、生きてるか?俺、今、マジでアスの言ってた死神と目が合った気がする……」
アス
「……。あ、死神さんが、ケンくんの背中をトントンってしてますよぉ。『次はお前の番だぞ』って……。えへへ、ケンくん、魂が少しだけ、口から漏れてますよぉ……」
ケン
「(ヤケクソでギターを掻き鳴らす)うるせえ!こうなったら、このまま全員で笑いの地獄まで道連れだ!!いくぞ、死のセッション!!」
(ケンが震える手で超高速のリフを弾き、ユカが「笑え!笑って死ねぇー!」と絶叫し、アサが「葬儀代の振込先はこちらです」と淡々と告知し、アスが「死神さんと、ダンス、ダンス……」と歌う、狂気のエンディングテーマが流れる)
ケン
「……。……ハァ。……来週、俺たちの誰かがいなくても、探さないでくれ。……お相手は、肉焼き担当のケンと!」
ユカ
「笑いすぎて記憶がない、ユカとぉ!」
アサ
「高城アサと」
アス
「アスでしたぁ。えへへ、みんな、また宇宙で会いましょうねぇ」
ケン
「最後に、命を削って一発、いくぜ!」
(ケンのギターが断末魔のような爆音を上げ、4人の狂ったような笑い声が電波をハッキングし、そのまま放送事故のような沈黙が訪れる)
全員
「16bit・アタック!!!」




