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放課後のプラグイン・カオス

ケン

「……。起きてるか、全人類。いや、起きてなきゃいけないのは俺たちの方か。外はもう真っ暗。でも、この防音室の中だけは、異常な熱量で空気が歪んでるぜ。新番組、ついに始まっちまった。俺はギター担当、ケン、16歳。学校じゃ目立たないタイプだけど、このマイクの前だけは俺のナワバリだ。よろしくな」


ユカ

「(超ハイテンション)イェェェェーイ!始まったぁぁ!こんばんはぁ!16歳のユカです!ねえケンくん、今のタイトルコール、私の声が一番大きかったよね!?完全にマイクのレベル振り切れてたよね!?ねえ、見て見て、インジケーターが真っ赤だよ!」


ケン

「うるせえよ!ユカのガヤがデカすぎて、俺のギターの音が聞こえねえんだよ。こんばんは、ギター担当のケンです。……もう、開始10秒で耳が痛い」


アサ

「……高城アサ、16歳。ちょっと、こんな密室で大声出さないでくれる?私、この番組の契約書に『鼓膜の危険手当』を盛り込んでおかなかったことを、今猛烈に後悔してるわ。ねえプロデューサー、この騒がしさに応じて、私のギャラも1デシベルにつき1円ずつ加算してくれない?深夜の労働なんだから、それくらい当然のロジックでしょ」


ケン

「始まったよ、アサの口癖。第1回目から金の話かよ。お前、もっと16歳らしいワクワクした感じとか、初々しい挨拶とかできないわけ?」


アス

「……えへへ。みなさん、こんばんわぁ。アスですぅ。あ、今、アサちゃんの頭の上に、ちいさな『¥』マークが、ぷかぷか浮いてるのが見えますぅ……。あ、一粒、ユカちゃんが食べちゃった」


ユカ

「(爆笑)食べてないよ!アスちゃん、相変わらず言ってることの意味がわかんないよ!でも可愛いから許す!ねえケンくん、アスちゃん、お持ち帰りしていい!?」


ケン

「ダメだよ!16歳が16歳を持ち帰るな!……もう、この4人で1時間、俺の胃が保つかどうかの勝負だなこれ。アサは金、ユカは騒音、アスは宇宙。……まともな奴いねえのかよ!」


アサ

「失礼ね。私は一番まともよ。この不透明な時代に、確かなのは数字だけなんだから。アスさん、さっきの『¥』マーク、1ついくらで換金できるのかしら。もし1万円以上なら、私もその不思議な世界、信じてあげてもいいわよ」


アス

「えぇっ!?お金じゃないですよぉ。それは、アサちゃんの『世欲』が形になった、心の汗ですぅ……。あ、また出てきた!今度は、ケンくんのギターの中に、ちいさな妖精さんが……」


ケン

「(ギターをジャカジャカとかき鳴らす)妖精なんていねえよ!……よし、もういい、このカオスをそのまま電波に乗せてやる。最初のコーナー、『16歳のお悩み相談室』!最初のメールは、ラジオネーム『人生迷子』さん。30代の方から。『やりたいことが見つかりません。どうすればいいですか?』だってさ。うわぁ、重いね」


アサ:

「はい、即答。やりたいことなんて、探すから見つからないのよ。今の自分に『何ができるか』を棚卸しして、一番効率よく稼げる場所に行きなさい。通帳の数字が増えていけば、それがあなたの『やりたいこと』に変わるから。愛よりキャッシュ、これが大人の、いいえ、私のロジックよ」


ユカ

「アサちゃん、怖ぁーい!(笑)でも、私はアサちゃんのそういうとこ、嫌いじゃないよ!私はね、とりあえず外に出て、一番大きな声で『わっしょーい!』って叫べばいいと思う!恥を捨てれば、何でもできるよ!おじさん、もっと魂燃やしていこうよ!」


アス

「……。おじさん、やりたいことはぁ、おじさんの靴の中に、隠れてるかもしれませんよぉ……。歩くたびに、ポコポコって、音がしませんかぁ?それが、おじさんの心の声なんですぅ……。あ、でも、靴下に穴が開いてたら、逃げちゃうかもしれませんねぇ。ちゃんと、新しいのを履いてくださいねぇ」


ケン

「(爆笑)靴の中に心の声!……アス、お前、天才か天然のどっちかだな。おじさん、聞いたか?金で解決するか、叫んで忘れるか、靴下を買い替えるかだ。好きなの選べよ!」


ユカ

「ケンくん、回しが雑だよ!(笑)でも、なんかこの4人で喋ってると、悩みなんてどうでもよくなってくるね!」


ケン

「そうだな。……さて、あっという間に時間が過ぎていくけど。ここで、俺のギターに合わせて、全員でカオスなセッションといこうぜ!準備はいいか!?」


(ケンの激しいギターの旋律がスタジオを埋め尽くす。ケンが激しく弦をかき鳴らし、ユカが「ワッショイ!ワッショイ!」と爆音で煽り、アサが冷めた目で時計を見ながらも「ハイハイ、10円20円……」とリズムを刻み、アスが「えへへ、お花が咲いてるぅ……」とふわふわ踊りだす。1分間のカオスな演奏が終了)


ケン

「……ふぅ。これが、俺たち16歳の、今の全力だ。どうだ、脳みそハッキングされたかよ!」


アサ

「今のセッション、私の計算だと、だいたい50円分くらいの価値はあったわね。ユカさんの声量が、少しだけ広告効果を上げたわ。でもアスさん、途中で宇宙と交信してなかった?」


アス

「してましたぁ……。ケンくんのギター、とっても、お腹に響いて、マシュマロが食べたくなりましたぁ……。あ、ケンくんの背中に、また妖精さんが一匹増えましたよぉ」


ユカ

「あはは!私もお腹空いた!ケンくん、終わったらラーメン行こうよ!もちろん、アサちゃんの奢りで!」


アサ

「なんで私が……。領収書、切れるなら考えてあげてもいいけど。あ、でも、そのラーメンの待ち時間に、次の放送の『収益化プラン』を10個出してもらうわよ」


ケン

「(笑)。というわけで、伝説の第1回放送、そろそろ終了だ。お前ら、来週も遅刻すんなよ」


ユカ

「はーい!次はもっと大きい声出すね!」


アス

「おやすみなさいですぅ。……あ、電波の向こう側に、小さな光が見えますぅ」


ケン

「光……?まあいい。来週もまた、この壊れた部室で会おうぜ。お相手は、ギターのケンと!」


ユカ

「ユカとぉ!」


アサ

「高城アサと」


アス

「アスでしたぁ、えへへ」


ケン

「最後に一発、いくぜ!」


(ケンのギターが今日一番の爆音を奏で、4人の笑い声が深夜の空に消えていく)


全員

「16bit・アタック!!!」

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