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やっと両思いになったのに幼馴染がいきなりオレの親友と付き合いだした?てか、やっぱり返すって何⁉︎  作者: 猫の集会


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15/16

オレは…

 璦奈は、さっきたくさん泣いたので少し目が腫れぼったい。

 

 

 

 

 璦奈は、しばらく外に出ていなかったらしく、外の空気って、こんなに清々しかったんだと、嬉しそうに空を見上げて、自然の素晴らしさを実感していた。

 

 

 最近璦奈は、ろくに食事も摂っていなかったみたいで、ケーキをあっという間にたいらげて、ちょっとだけど回復したみたいだ。

 

 おとうさんとおかあさんは、びっくりしつつも、嬉しそうに顔を見合わせて微笑んでいた。

 

 

 病室に戻り、おとうさんとおかあさんは先生とお話があるから、少し二人きりで待っていてと病室をあとにした。

 

 

 正直オレは…璦奈に今すぐにでも、復縁を申し込みたかった。

 

 だけど…

 

 今の状態でそんなこと言われても璦奈は、困惑してしまうかもしれないし…そもそも、赤ちゃんを失ったばっかりで相当な困惑だと思い、毎日連絡してもいいかな?ってことだけ、聞くことにした。

 

 赤ちゃんの父親の存在も判明したし。

 

 

 

 復縁や諸々は、後で璦奈が落ち着いたらはなすこととしようと考えている。

 

 

 毎日連絡してもいいかな?って、オレに聞かれた璦奈は、携帯という存在を今思い出したっぽく、慌てて携帯を手にとって

「充電がない」

 って、充電器を探しだした。

 

 そんな様子を見ていて、璦奈はよっぽど…携帯の存在を忘れるくらいに、精神的に参っていたのだと確信した。

 

 たぶん入院中、放心状態だったのだろう。

 

 だとしたら、今日一日でよっぽど回復したんだな。

 

「璦奈、オレが今日外に連れ回して疲れたでしょ。少し横になろうか」

「うん、ありがとう」

 

 璦奈は、横になるとすぐに目を閉じた。

 

 そっと璦奈の手を握ると、とても細くて冷たかった。

 

 璦奈は、一瞬で眠ってしまったのでこのままそっと帰ることにした。

 

 でも、起きたときに寂しくないように、うさぎのぬいぐるみを置いてきた。

 

 ちょうど、ケーキ屋さんにかわいいぬいぐるみがあってよかった。

 

 ぬいぐるみの隣には、手紙もかいてきた。

 

 また来るねって。

 

 あまり長文はどうかと思って、あとは璦奈が元気になったときに、ゆっくり話そうと思う。

 

 

 オレは正直…璦奈には、大丈夫だよと言いながらも、ついた病院が産婦人科ではなかったことに驚いた。

 

 そして、心の中で寮梧と冴木さんにお詫びした。

 

 一瞬でも、黒い心を持ってしまったオレは情けない。

 

 この病院に来て、璦奈にも寮梧にも冴木さんにも詫びた。

 

 

 特に、璦奈…

 

 オレのせいで璦奈は、こんなことになってしまったんだもんな。

 

 時間が許す限り、オレは璦奈の病院に、あいに行こうと心に決めた。

 

 幸いお年玉を、幼い頃からほとんど使わず貯めておいたので、学校が終わったら毎日でも向かうつもりだ。

 

 でも毎日暇なわけではなく、バイトが…

 

 璦奈と赤ちゃんのためにお金を工面するつもりではじめたバイト…今は赤ちゃんがいない状態なので、シフトが入っている日だけ璦奈とは、電話しようと思う。

 

 それ以外は、電車とバスを乗り継いであいにいく。

 

 オレが璦奈の心の傷を負わせてしまったのだから。

 

 大切な人を守ってあげられないどころか、傷つけてしまうなんて…

 

 オレは、ほんとうにどうしようもない人間だ。

 

 

 帰り道の車で、我慢できずに声をころして泣いた。

 

 でも、やっぱり気づかれちゃうんだよね…

 

 璦奈のご両親は、璦奈が突然変なこと言いだしたから、寮梧くんを困らせちゃったよね、ごめんなさいと謝ってくれた。

 

 でも…

 

 そうじゃない。

 

 そもそも、オレは璦奈の妊娠のことは知っていたし、困ってもいない。

 

 ただ…

 

 ただ…赤ちゃんを…

 

 オレが赤ちゃんを…

 

 

 

 …

 

 

 続く。

 

 

 

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