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やっと両思いになったのに幼馴染がいきなりオレの親友と付き合いだした?てか、やっぱり返すって何⁉︎  作者: 猫の集会


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13/16

話とは…

 璦奈のおかあさんの話とは…なんだろう。

 

 やっぱり…あの件……ですよね?

 

 

 璦奈の妊娠…

 

 このことに関しては、璦奈と一緒のときにご両親にもご挨拶をと思っていたのに、璦奈が不在で…しかも、どこをどう話していいのやら…

 

 そもそも、璦奈はどうご両親に伝えているのか…それすらもわからない状態だ。

 

 璦奈から聞いている話と食い違ってるって言われたら…どうすれば…。

 

 

 

 って思っていると、実は璦奈のおかあさんは、オレにお願いがあってきたのだそうだ。

 

 お願い…?

 

 なんだろう…

 

 まさか…

 

 父親候補から外れてくださいとか…だったりして…

 

 

 もしかして、ほんとうの父親が現れた?

 

 だから、璦奈と連絡取れなくなったってこと⁉︎

 

 

 …

 

 それは…

 

 

 

「とりあえず寮梧、座りなさいよ?」

 母親が、椅子をひいてくれた。

 

 …

 

 

「あ…そうだった…失礼します。」

 

 璦奈のおかあさんの前の席に座った。

 

 

 ヤバい…

 

 なんて言われるんだ…

 

 璦奈の前から消えてって言われるんじゃ…

 

 

 …

 

 

 

「ごめんなさいね、突然押しかけてしまって…」

「いえ、それで…お願いって…」

 

 璦奈のおかあさんは、とても言いづらそうに口をひらいた。

 

「実は…」

「はい…」

 

 ごくりと息を呑んだ。

 

 

 …

 

 

「璦奈は、今とてもまともに人と話せる状態じゃないの。」

「えっ⁉︎それは、どういう…」

「精神的に、まいっちゃったってところかしらね。だからだれとも接触したくないって言ってて…でも、寮梧くんには…璦奈はあいたくないって言っているんだけど、でも心のどこかで寮梧くんを求めているような気がしてね。最近わたしともあんまり口を聞いてくれなくて…なにかを塞ぎ込んでて…だから、寮梧くんになら、素直に話すんじゃないかって思うの。だから申し訳ないけど、璦奈にあってほしいの」

「そりゃ、もちろんです‼︎オレこそ、今すぐにでも会いたいです‼︎」

「ほんと?ありがとう。ただ…」

「ただ…なんですか?」

 

 …

 

「璦奈…寮梧くんにおかしな話をしてくるかと思うの。ちょっとびっくりするかもしれないのだけど、璦奈の話を聞いてもらいたい。もしかしたら璦奈は、取り乱すかもしれない。その時は、わたしにすぐ連絡して。話は聞こえないけど、すぐに駆けつけて来れる場所に待機しているから。」

「…わかりました。」

「ごめんなさいね。いきなり押しかけて、こんなお願いしちゃって」

「いえ、全然大丈夫です」

「あと…」

 

 

 まだあった…

 

「あと…?なんで…すか…」

「あの…場所なんだけど…」

「はい」

「県外なの」

 

 …

 

 遠っ…

 

 なんで県外なのだろうか?

 

「あの、全然県外でもオレは行きますけど、でもなんで県外なんですか?」

 

 …

 

「いろいろ調べて、そこがいいかなってなってね。だから、少し遠くなってしまうの。ごめんなさいね」

「あ、まったく問題ないです。いつ行きますか?なんならオレ今からでも…」

「寮梧、落ち着きなさいって。ごめんなさいね、うちの子璦奈ちゃんのことになると、すぐこうなっちゃうの」

「嬉しいことよ、ありがとうね、寮梧くん。でも、今日はもう暗くなっちゃうから、明後日の土曜日なんてどうかしら?」

 

 …

 

 明後日…

 

 璦奈と赤ちゃんのために、とりあえずバイトをはじめたが、今は璦奈を優先しなきゃだ。

 あとで、早速連絡先を交換したバイト仲間に、シフト変更をお願いしてみよう。

 

 

「はい、大丈夫です」

「そう、ありがとう」

 璦奈のおかあさんは、少しホッとしたように眉を下げた。

 

「さ、どうぞお茶飲んで」

「ありがとう」

 

 ホッとしたのか、母と璦奈のおかあさんの表情が和らいだので、オレも少しホッとして肩の力が抜けた。

 

 

 県外の病院なのは、びっくりだったけど、でもやっと璦奈にあえることが、オレはなによりも嬉しかった。

 

 

 続く。

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