表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やっと両思いになったのに幼馴染がいきなりオレの親友と付き合いだした?てか、やっぱり返すって何⁉︎  作者: 猫の集会


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/16

グラタン

 もう、頭の中はグラタンだ。

 

 …意味がわからないが、グラタンなのだ。

 

 

 グラタンのまま、帰宅すると母親が

「あ、寮梧…」

 と、心配そうなそして…なにかいいたげにこちらをみていた。

 

 グラタンだからかな…

 

 頭からグラタン溢れちゃったかな…って、思っていると、母親は…

「璦奈ちゃん、大変そうね」

 って言った。

 

「えっ⁉︎璦奈どうしたの⁉︎なにかあったの⁉︎どうしたって言うんだよ⁉︎」

 と、すごい剣幕で聞いてしまった。

 

 母親は、目を丸くして驚いていた。

 

「どうしたのよ…?あんたがどうしちゃったのよ?」

 って、びっくりされた。

 

「…オレは…グラタンだから」

「え?グラタン食べたいの?」

「ううん、それより璦奈がどうしたの?」

「なんか、入院したって」

「えっ⁉︎ど、どこの病院⁉︎オレ今すぐ行ってくる‼︎」

「ダメよ。面会謝絶よ」

 

 …

 

「なんでだよ‼︎オレは…オレはっ…」

 

 …

 

 オレは…ほんとうの父親でもなければ、家族でもない。

 

 …今は、ただの幼馴染だ。

 

 そんなやつが、病院に行ってもなおさら入れてもらえないか…。

 

「お母さんもね、お見舞いに行こうって思ったんだけど、璦奈ちゃんのおかあさんがね、しばらくだれとも話せる状態じゃないって…」

 

「あか…っ」

 赤ちゃんは、大丈夫かって思わず言ってしまいそうになってしまった。

 

 自分の母親だからって、なんでも言っていいわけじゃないよな…。

 

 だって、オレはただの幼馴染なだけなんだから…。

 

 そもそも、璦奈の妊娠知らないかもだし…

 

 オレは…

 ほんとうの父親でもないし…

 

 

 璦奈…

 

 大丈夫かよ…

 

 最近寝れないとか言ってたもんな…

 

 オレがもっと早くに…

 

 早くに璦奈と結婚の約束をしていれば…

 

 

 ごめんな。

 璦奈…

 

 心で、いまさらだけど詫びた。

 

 

 

「あ、それで伝言ね。璦奈ちゃんのおかあさんから、寮梧に伝えてほしいことがるって」

「なに⁉︎」

「ごめんなさいだって」

「なにが⁉︎」

「詳しくは、わからない。でも、璦奈ちゃんが寮梧にごめんなさいってずっとうわごとみたいに言っているから、とりあえずごめんなさいを伝えてほしいって」

 

 …

 

 ごめんなさい⁉︎

 

 なにがごめんなんだよ⁈

 

 こっちがごめんなんだよ‼︎

 

 一人で抱え込ませてごめんなんだよ‼︎

 

 オレ…

 

 ほんと…

 

 使えねーやつだな…

 

 自分が情けねー…

 

 好きなやつを守ることすらできなかった…

 

 璦奈…

 

 ごめんな。

 

 

 璦奈も…赤ちゃんも…ごめん。

 

 

 どうか、二人が無事でありますように。

 

 オレは、願うことしかできなかった。

 

 

 …

 

 透みたいに…

 

 透みたいに、オレは璦奈を救うことができるのだろうか?

 

 

 …

 

 どうしたらいいんだよ⁉︎

 

 まず、情報が少なすぎて身動きがとれない…。

 

 そもそも、電話しても出ないし…

 

 

 でも…

 

 とりあえず、文章だけは送った。

 

 読むか読まないか、わからないけど…

 

 でも、なにもしないよりはマシなんじゃないかって思って、

(なにがあっても、オレは璦奈の味方をする。だから、相談したくなったときは話聞くから、いつでも言ってね。ひとりで無理すんなよ)って送った。

 

 返事は来なかったけど、オレは毎日璦奈に文章を送り続けた。

 

 

 その数日後、璦奈のおかあさんがうちにやってきた。

 

 というか、学校から帰ったらすでにうちにいた。

 

 オレに話があるのだと。

 

 なんだろう…

 

 あんまり璦奈のおかあさんをみるかぎり、あまりいいことじゃない気がするな…。

 

 てか、なんか…おかあさん痩せたな。

 

 璦奈も心配だけど…

 

 おかあさんも、心配になるほどのやつれ具合と、なんともいえないせつなそうな表情をしていた。

 

 …

 

 続く。

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ