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第6話:ヤカンの気持ち

{ピィー ーカチャ・・・チッ!!}


ーあれ今なんかやかんが悔しそうな声を出したような。なわけないか。


僕はやかんを素早く火から下ろすと、カップヌードルにお湯を注いだ。異世界から来て、日本に来て最初の食事がこれというのも申し訳ないが、おそらく許してくれるだろう。



「あの、これどうぞ。」



(モシ・・・モシ・・・・こ、これを、食べてもいいのですか?)


「あ。3分待ってください。」



・・・無言・・・


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ーく!なんで無言になると3分がこんなに長く感じるんだ。途中でまたお腹が鳴って彼女が更にぷるぷるしてしまったじゃないか。


「あ、あの、そろそろ大丈夫だと思います。」


お互いに無駄に緊張してしまった。ただカップ麺を待つだけなのに。


(い、いただきます。)


ー蓋を剥がしてすすめると、彼女は目をパチクリさせてこちらをみた。


(な、何ですかこれ?)


ーそうだった、この人この世界の人じゃないんだった。


「ラーメンといいます。正確にはその保存食ですが、それなりにおいしいと、おもに男子大学生に人気です。」


(もしかして、カップラーメンですか!!!???)



ーえ?あれ、なにこれ本当は異世界ものじゃない??



(主様が時より”ああ、たまにはカップラーメンでも食いてえなあ”と仰っているのです。侍女たちが躍起になって製法を研究しているのですがどうしても再現できなくて・・・主様は”違う!こんな健康的(まとも)な味じゃないんだ!”と、いつもお怒りで・・・今回の私の来訪もカップラーメンを持ち帰ることが一つの目的なのです。)


ーアライテルさん贅沢すぎないか。ってか侍女とかいるんだ。多分、彼女以外も綺麗なんだろうな。アライハーレム・・・くそ!ってかもうどっちなんだよ。異世界にいるのか?そうなのか?それともただの遠い国のお金持ちなのか???


「あの食べながらでいいので・・・まず貴方のいた場所のことと、それに名前と、さっきの場所で何をしていたのかとか、あ、火事を起こしたのは貴女で合ってますか?それだけじゃなくて、あの場で突然、警官が倒れた現象のこととか、僕は魔法なんじゃないのかなとか少しワクワクしてるんですけど、あとその素敵な巻き角のこととか、あ、そうそう、なんで僕を殺す必要があるのか、それぐらいなんですけど、聞いていいですか?あと、主様との関係とか・・・できれば恋人の有無とかも聞きたいなあなんて(ボソ)思ったり。。。」



{ビクッ!!}



ーしまった!麺を口に運ぶ箸が止まった。やっぱり、逸りすぎたか!!さっきお湯沸かしている時に今日のこと整理してたから、一人で勝手にいろいろと気持ちが高まっちゃって。ああ、そういうば好きだったあの子にも、”なんか話しのテンポ・・・変だよね”って言われたことあったし、たぶんあれってこのことを指してたんじゃないだろうか。あと多分この人、猫舌だ。テレパシーで話しているので言葉はいらないということだろうか、彼女は脳内で話しながら麺を運ぶ。



(ふー熱いですけど。モシ!カップラーメン美味しいですね!)



ーなんかカップ麺を抱えるように持って落とさないようにフォークも使わず必死に食べてる。すごい、なんか


「えっと、あの質問に答えたくないなら別に」


(モシ!しょっぱすぎるかなあって思ったんですけど、ニャンででしょうね、手が止まりませんね!モシ!主が食べたくなるのもニャかります!それにこのメンニャー、ニャー、ミャウー。ゴロロロ。)


「あ、あの?」


(ニャ?)


ーなぜ猫!!?


(あ・・・すいません、念話?っていうのですかね。相手が伝えたいことを脳から読み取るんですけど、これも魔法なんですよ。魔法ってわかりますか?”私たちの世界”にはあるが”異世界””には存在しないと主様もおっしゃってましたが・・・。なので、魔法をかけている私が少し意識を逸らしちゃうと、波長がずれてしまって・・・素の状態になってしまうというか・・・。えっとなにか話しかけていましたか?)



ーなんか、都合よくいくつか返答きたから良しとしよう。ただ純粋にカップ麺に感動して周りが見えなかっただけだ!絶対そうだ!そして異世界!!魔法!!! それだけでワクワクするなあ。ついてったりできるのかなあ。ってかアライさんいいなあ。なんだよ、本当に異世界に転生できるなんて聞いてないぜ!なんだろう、めっちゃ面白くなってきたぞ!!でもだめだ、この気持ちを抑えて抑えて、まだ、敵とも味方とも思われてないわけだし、慎重にいかないと。


「あ、食べ終わってからでいいですので、詳しく聞かせてください!」


ーああ!神様!僕、こういうの待ってました!!!!



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