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彼女は幸せになれないー巻き込まれ転移男の異世界奇譚ー  作者: 赦す内燃機関
第2章:ニラは焼かないでは食べられない
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第7話:自分の価値

「アニマさん?アニマさん?」


僕はゆっくりと肩を揺すりながら名前を呼んだ。普通の気絶と違うのか、少し揺すったくらいではまったく目覚めない。激しく揺するくらいなら、少し待っていた方がいい気がして僕は途方にくれた。チュビヒゲは器用に前足を交差して頭を乗せ、休んでいる。もしや寝てる?本格的に虫じゃない気がしてきた。


ーっ!そういえばまだ自分のステータス見てないじゃん!




________________________________________

名前:大凡 平 (おおよそ たいら)

種族:*ホモ・サピエンス>モンゴロイド>日本人

性格:優柔不断

合計魔力量: 1520/1520

体重:72.97 kg

状態:ー

魔導:ー

能力:「解釈」

加護:「拾う者」

アドバイス:「千里の道も一歩から。」

________________________________________


ーうおおおでたあ!!!しかも魔力結構ある!!!童貞を守ってきたかいがあったか?しかし、この解釈ってなんだ?


________________________________________

<解釈:認識した事象を解釈・干渉する能力。干渉の大きさは対象の理解や自分の心理状況を反映する。>


________________________________________



ー能力・・・なるほど、スキルに準じたものか。よくわからないけど、周りが言っていることを理解できたり、ステータスが見えるのはこれか?むふふ、この能力は転移特典ってやつだろう。神様わかってるねえ、鑑定系のスキルは必須だよね!うんうん。僕はこのことに感謝して、弱いものいじめとかしない様にいたします。世紀末でも気高く生きる生き物であることを誓います、むしろ救世主になっちゃうもんね。やる気出て来た。あ、それと、この加護ってのはなんなんだ?



________________________________________

<拾う者:捨てる神あらば拾う神あり>

________________________________________


ーいや、説明になってねえよ!冷静に考えてみると、このステータスいらない情報おおすぎるだろ!”優柔不断”とか余計なお世話だよ。知ってるよ。体重もあったら便利だけど、ここにいるか?絶対、作者の趣味だろ!出てこい!これ作ったやつ出てこい!!



________________________________________

<大凡 平:日本人。平凡。>

________________________________________



ーうん?・・・それにしても、体力とか筋力、敏捷さみたいなのは表示されないのか。これは・・・フルダイブMMOの世界じゃないな?しかし、これだと魔力量や能力から大まかに強さを把握するという方向性だな。うん、チートだな。そしてやっぱり逆に、なぜ体重?まあ、便利だからいいけど。昨日の”ドラコ”や男のディアブルについても見ておけばよかったなあ。あともう少し気づくのが早ければ。



「ん・・・。」



アニマが一瞬顔を歪めた。



「アニマさん?起きました??」




・・・・・




ー返事はないただのしか・・・、ご、ゴホン。意識が戻っていないとはいえ、さっきまでのピクリともしない状況に比べれば、かなりの改善だ。


「ありがとうね。チュビヒゲ。」



チュビヒゲは少しだけ羽を上下させた。聞こえているのだろうか。



ーとなれば、僕は魔法が使えないか試して見るか。




ー1時間後ー




ーさっぱりわからん!!!!



あれからアニマを草の上におろし、チュビヒゲをアニマの服の上に移したあと、僕はあれこれと知っている限りの方法を試した。”水よ集まれ!”とか、”火よ起これ!”とか命令口調であれこれと唱えて見たが、どうもうまくいかない。脳内では完璧なイメージを描いているつもりなのであるがまったくだ。カスリもしない。体内の魔力を動かす感覚だとかのトレーニングが必要なのだろうか?アニマが起きたら訊いてみよう。チュビヒゲだって治療魔法が使えていたのだから、無理なことはないはずだ・・・。たぶん。。。



「チュ チュビ!」


「うわっ!」



耳の後ろでチュビヒゲが羽ばたいている。集中していたせいで気づかなかった。そのせいで何を言いたいのかも聞きそびれてしまった。ヒゲから察するに元気そうだ。



「獣 来る !」



ー2度目のチュビヒゲの言葉は聴き漏らさなかった。感覚器官が発達しているのか、あるいは”レギオン”の能力なのか。いずれにしろ、僕では見えないし聞こえないとはいえ、獣が近づいてきているに違いない。どの方向かは皆目分からないが、草原の方からということはあるまい。



「ほんと、どんだけ優秀なんだチョビヒゲ。。。」



僕は慌ててアニマを揺すり、それでも反応がないのを確認してから腕に抱えた。とにかくこんな見晴らしのいいところではまずかろう。相手がどんな獣かもわからない。


おそらく、平原にはいないだろうが、昨日のように空からくることもある。平原よりも高い木の多そうな方向、すなわち進む予定だった方向へ早足で歩き始めた。鉢合わせないことを願うばかりである。


「アニマさん、行きますよ。」



僕は赤子を抱くかのように慎重に抱き上げた。チュビヒゲはすぐに逃げてしまうのかと思いきや、飛びながらゆっくりとついてきている。正直ついてきくれた方が僕としても助かるし心強い。僕が何度か頭の上を人差し指で留まる様にジェスチャーをすると、チュビチュビと言いながら乗っかった。


手には白い布で包まれた人の様なものを持ち、頭には大きなトンボを乗せた、パーカー姿の奇妙な男の行軍が始まった。




ステータスで数値化されるのって結構恐ろしいことですん。

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