転生妻と皇太子3
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「ヴァル!久しぶりね」
ヴァルトル達が執務室に入ると、ユスティーナは嬉しそうにヴァルトルとハグをした。
「久しぶりだな。元気そうで良かった」
ヴァルトルは、優しい笑顔でユスティーナを見つめた。二人は幼馴染らしい。ユスティーナは、ヴァルトルの側にいるアニエスを見て目を見開いた。
「あなたは、レーヴ王国の……」
「はい、アニエスっす。エルネスト殿下と結婚したので、今はアニエス・アベラールっす」
「あら、ご結婚おめでとうございます。……あの時は、助けてくれてありがとう」
「何だ、知り合いだったのか」
「ええ、アニエス様は型破りな貴族だけど、とても素敵な方よ。ところで、どうしてアニエス様がクヴィエト帝国にいるの?」
ユスティーナが、首を傾げて聞いた。
「……まあ、外交とか、色々あるんだよ」
「そう……アニエス様をあまり困らせないでね」
「ああ……」
ヴァルトルは、気まずそうに頷いた。
「ねえ、アニエス様はいつまでこちらに滞在する予定なんですか?」
「はっきりとはわからないですが、少なくともあと二泊はする予定っす」
「そう。……あの、時間があったら、明日、一緒に買い物に出掛けませんか?アニエス様とは、もっとお話ししたいと思っていたんです。……良いわよね、ヴァル?」
「……まあ、いいか。明日は、二人で楽しんで来い」
「ありがとう!明日が楽しみだわ」
そう言って、ユスティーナは笑った。ユスティーナは、異国に行った際のお土産をヴァルトルに渡しに来ただけのようで、すぐに帰っていった。ヴァルトルもユスティーナも、お互い忙しいのだ。
「奥様、ご無事で何よりです」
アニエスが部屋に戻ると、タチアナが笑顔で迎えてくれた。アニエスが今日の出来事を話すと、タチアナは目を輝かせた。
「奥様、あのユスティーナ・バレシュとお知り合いなんですか!羨ましいです。私、彼女の大ファンなんですよ」
「そうだったんすか。明日ユスティーナさんと出掛ける予定なんですが、タチアナさんも同行していいか明日聞いてみるっす」
「ありがとうございます!!」
タチアナは、今にも踊り出しそうな程浮かれていた。アニエスは、そんな侍女の姿を、微笑ましく見つめていた。
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