↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢見る魔王  作者: 万卜人
PR
25/56

城壁

 ひとりパックはドーデン城の外壁に近寄った。時刻は昼過ぎである。

 見上げると、城の外壁は高々とそびえ、どんな敵の侵入も拒否しているように見える。

「大丈夫かい?」

「まかせろ」

 パックはヘロヘロを手の平に持って石組みの塀にむかった。ヘロヘロはもぞもぞと身動きし、塀に飛びつく構えを取った。そのときふたりは背中から聞こえた声に飛び上がった。

「やあ、パックじゃないか。ここで何をしているんだ?」

 ふりむいたさきにいたのはテレスだった。

 あの大学生である。

 パックの驚いた顔に、テレスこそびっくりしたようである。テレスは足もとまでとどくマントを身につけ、頭には大学の紋章のついた帽子をかぶっていた。

「あ、テレスさん」

「教授のおともでね……教授は月に何度か王さまに呼ばれて、いろいろ相談を受けるそうなんだ。それでぼくも朝からついてきたんだけど、用はないから早めに切り上げたというわけさ」

「そうですか」

 そこでテレスはパックのかかえているヘロヘロに気づいた。

「やあ、そこにいるのはあのスライムだね! 丁度良かった。そのヘロヘロのことを教授に話したら、ぜひ一目みたいと頼まれていてね。ええと、きみらは城に何か用があるのかな?」

「いえ……ちょっと見物です……」

 パックは嘘をついた。初めての嘘である。だがテレスは簡単に信じたようだ。

「そうか、まあ偶然でも会えたんだ。どうだい、これから大学に来てみるかい? 大学につくころには教授の用もすんで戻ってくるだろう。教授は馬車できているから、ぼくより先に大学に帰るはずだ。そこで教授にきみの話をしてくれないか。昨日、きみのことを話したら興味津々でね、ぜひ会いたいというんだ」

 ええいいですよ、とパックは同意した。それじゃついてきな、とテレスは手をふった。その後についていくパックは、石組みの塀を何度もふりかえっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。