スカウト2
しばらく固まっていたエンドは何とか思考を追いつかせた。
「急にですねぇ。本当に私をスカウトするんですか? 私はゲームのことはあまり知りませんし、一応PKプレイヤーですよ?」
因みにさっきエンドは、プレイヤーキルをしているのでPKプレイヤーになっている。
NPCと初めてあった時の後気がついたのだが、頭上にNPCとプレイヤーを見分けるカーソルがあったのだ。NPCが白、通常のプレイヤーが緑、軽犯罪プレイヤーが黄、重犯罪プレイヤーがが赤となっている。
エンドはさっきプレイヤーを殺しているので今は赤になっている。
「そういうことになりますわ。」
「いいんですか? 同じプロチームにPKプレイヤーがいて」
「ええ、大丈夫ですよ。一日ニ時間のライブ配信ノルマ以外は特にこのゲームでのルールを設ける予定はありませんし。」
「......もしかして、今も配信してます?」
「今はしてませんよ。まだメンバー集め中で活動は始まってないですから。エンドさんが一人目のスカウトです。」
「なるほど。もう一度聞きますけど、本当に私をプロゲーマーの道に誘ってるんですか? 私はまだ今年から大学生という歳ですよ。それに、ミースさんってプロゲーマー引退したんじゃないんですか?」
「引退したんじゃなくて、お父様の会社が初めてプロゲーミングチームを作ることになったのでそっちに移っただけですわ。ていうか、私のこと気がついていたんですね」
「当たり前ですよ。今の時期に新プロゲーミングチームを作ろうとする人なんてついこの前、プロゲーミングチームをやめたミースさんしかいないでしょ」
「まあ、そうですわね」
「あの、ひとつ聞かせてもらうんですけど、お父さんの会社のチームって言っていましたが、もしかしてミースさんってどっかのご令嬢ですか?」
「あら? 知らなかったのですか? 私は一応、NGPの社長二階堂幸雄の娘ですわ。それに私も大学生よ」
「なるほど、それはすごい。って大学生?」
「そう、大学生」
NGPとは二階堂ゲームプロダクションという世界最大のゲーム制作企業だ。そんな大企業のご令嬢なので、当然ミュースも有名なのだが、エンドは高校生の間、勉強にしか執着心が無かったので、全く調べたりしていなかった。ただ、このゲームを始める直前にニュースでミュースの引退報道が流れていたのでゲーマー名だけは知っていたのだ。まあ、本人の様子だと引退報道はデマだったようだが......。
「とにかく、大学生とかそういうことは全然平気だから。どう?」
「とりあえず、今から夕食で、一旦ログアウトするので、その時に家族と話してみます。一応話しておきたいので。だから、返事は夜でいいですか?」
「わかったわ。じゃあ、22時にまたこのカフェで集合ね」
「わかりました」
「また後でね! 良い返事を待っているわ」
そう言ってミュースはカフェから出て行った。
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