2章登場人物
・アンジェ・マークウィン
【アーダジオ】にて【銀の跳ね馬亭】を経営する銀の髪が美しい馬種の女性獣人。35歳。
普段は持ち前のスキル【身体変化】で15~18くらいの外見に変化して仕事をしていることが殆ど。理由は「その方が客受けがいいから」。
性格は明るく溌剌としており、非常に親しみやすい。
馬種の獣人ではあるものの、特に肉が食べられないと言うことはなく、人間と全く同じ食生活を送れるが、味覚だけは少々繊細で彼女の作る料理は非常に美味。
15~30まで冒険者をしており、アンナマリアとはその時に同じパーティーとして活動していた。その頃から彼女には頭が上がらない。
・クリント(?)
【アーダジオ】の北区で杖専門の工房【クリント杖工房】を営む老人。82歳。
生まれも育ちも【アーダジオ】であり、街の発展をその目で見てきた人物。ただし、杖好きの変わり者ではあるが。
外も中も杖だらけの異様な店構えのせいで客はあまりこない。
ただし、杖の良し悪しを見極める目は本物であり、使用者に適した杖を直ぐに用意してくれるということで、常連の客はそれなりに居る。
なお、【クリント杖工房】という店名からクリントと呼ばれるが、何故か本名は不明。
・ダスティン・コード
【アーダジオ】領主屋敷の執事を勤める、背の高い初老の紳士。45歳。
元凄腕冒険者であり、執事でありボディーガードでもある万能超人。その鋭い眼光は、スキルを使っているわけでもないのにこちらを見透かしているように感じてしまうほど。
基本的には紳士的な姿勢を崩さず、どんな人間にも礼儀正しく接するが、敵対するようなことがあれば……
冒険者時代にハーマンと共にアンナマリアに教えを受けたことがある。その為彼女が一線を退いたときは驚いたらしい。
・ハーマン・アーダジオ
【アーダジオ】を治める伯爵位の貴族。42歳。
貴族にしては非常に考え方が庶民よりであり、その生活も質実剛健、質素倹約を地で行く珍しい人。
自らの屋敷に関しても過度の装飾などは好まず、言い方を変えれば地味である。
若い頃に実家を飛び出して冒険者をしており、その時にアンナマリアやダスティンと知り合う。
実家のゴタゴタで渋々戻り、領主の座へ就いたが、未だに心は冒険者であるとは本人の談。
とはいえ元々貴族の一員として教えを受けていたこともあり、領地経営者としての腕はある。
尚、冒険者時代にアンナマリアに告白して玉砕した過去があるが、それは本人とアンナマリア、ダスティンしか知らない秘密である。
・ララーナ・ベルデナット
【アーダジオ】にある闇ギルドの窓から飛び出してきたところをアンナマリアに拘束されたダークエルフでござるな忍者の女性。207歳。
家名のベルデナットは自らの住んでいた森の名前であり、正確には【黒い森ベルデナット】のララーナとなる。
エルフ達は森と共に生まれた、と言われており、彼等にとっては生まれた森が親であり、家なのである。
幼少期から【不幸体質】スキルのせいで、酷い目に合い続けてきた。同じく持っていた【悪運】スキルのお陰で本当の最悪は回避していたようではあるが。
ダークエルフは非常に希少な種族で、エルフ以上に身体能力に優れる反面、魔法は得意ではない。
闇ギルドで隷属紋を描かれたが辛くも逃れた……所でマキジのスキルを受けてしまい、マキジの奴隷になってしまう。
その事もあって、初めは隷属紋を解くまでの間、マキジを主として契約する、という話だったのだが……マキジに【不幸体質】スキルを中和してもらってからは彼を「生涯の主」と慕うようになってしまう。チョロい。まぁそれほどまでに【不幸体質】は彼女の人生に影を落としていたとも言えるのだが。
性格は今まで苦労してきた割には明るく、ちょっと天然。
ちなみに、今まであまり食べてこなかった割りにスタイルはとんでもなくいい。忍者をやるなら邪魔なんじゃないかというくらい胸が大きいのに体の均整が取れている。マール曰く「ズルい」らしい。
・ゲイル・ガストン
【モデラータ】所属の冒険者で自称【勇者】。金髪碧眼、イケメン優男というモテる要素てんこ盛りの23歳。
ここでいう【勇者】とは各街のギルドで最も強い者が呼ばれる呼称であり、今のところ女神に選ばれたとかそういうわけではない。
若いが【勇者】と呼ばれるに相応しい強さを持つが、それゆえに傲慢不遜な部分が目立ち、マキジともトラブルを起こす。
イケメンで女好きという人によっては受け付けない組み合わせを持ち、ララーナ、マールに自分のパーティーに入るよう迫ったのである。
結局、マキジとの勝負に負けて諦めることになるが、その分マキジへの怨みを持つことになる。
・ナターシャ&ミルフィ
ゲイルのパーティーメンバーの女性。見た目だけなら美人である。
が、性格の方は残念であり、マキジとの決闘の時も堂々と不正を行うつもりだった。
再登場するかどうかは不明。
・エレミア・ハーミルトン
【モデラータ】に住む、ゲイルのパーティーに入ろうとしていた紋章術士。長い金髪と透き通るような白磁の肌が神秘的な女性。19歳。
【無声病】という難病にかかっており、それを治して貰うことを条件にゲイルのパーティーに入ろうとしていたが、あまりの傍若無人ぶりについていけず、契約を破棄されたところをマキジがパーティーに誘う。
喋ることが出来ないため、筆談と頷く、首を振るといったリアクションでコミュニケーションをとる。その筆速はかなりのもの。
また長くこの方法でコミュニケーションをとってきたからか、相手がメモを読んでいるタイミングでリアクションを取るなど芸が細かい。
優秀な紋章術士というのは嘘ではなく、若くしてスキルレベルはLv4とその才能を伺わせる。
ただ、本人は考古学者になりたかったようで、古代言語やエルフ言語も少し理解がある。
いろいろな本を読んできたこともあり、知識はかなり豊富で、マキジは彼女を先生に【レムリアリア】で勉強をするつもりである。
・スティーブ・ハーミルトン
エレミアの叔父。初対面のマキジに吟遊詩人の格好で対応するなど、変人。30歳
ハーミルトン家は名家であり、その事に誇りをもっているような家であるが、彼はそんな家が嫌で嫌で仕方なかった。
その為、自分のしたいことをし続けた結果、実家から勘当される。
温情で使っていない小さな家を与えられ、同じように実家から勘当されたエレミアを住まわせていた。
変人ではあるが、人並みに姪を心配する程度にはいい人。
・ジャスパー
【モデラータ】所属の冒険者。槍使い。
ゲイルを倒したマキジのパーティーに入れて貰おうとするが、これ以上メンバーが増えても責任もてるか分からないと断られる。
今後の登場に関しては不明。
・エドワード・エーデリック
【レムリアリア】にあるレムリア王国ギルド本部のギルド長。身長二メートルを越える大男でがっしりとした体型がまだまだ現役さを伝えてくる。60歳。
レムリア王国のギルドを纏めるだけあり、元々は国を代表する冒険者でもあった。見た目からは分からないほど繊細な部分もあり、子供っぽさもある。非常に親しみやすい人物。
書類仕事は嫌いではないが、やはり元冒険者だからかあまりじっとしているのは好きではなく、たまに執務室から逃げ出してはナタリアに怒られるという日常を過ごす。
こう見えても妻帯者。子供が2人いる。
・ナタリア・クィンズウェイ
【レムリアリア】にあるレムリア王国ギルド本部の受付嬢。長身かつスレンダーな見た目の女性。28歳。
ギルド本部の受付嬢の取り纏めをしている人物で、エドワードの秘書のようなこともしている。非常に仕事熱心で、手抜きは許さない。
本人もやる仕事は完璧にをモットーにしており、【特派】になったマキジには丁寧に対応する。
本部の受付嬢ということに誇りを持ってはいるが、その仕事に対する熱意と厳しさも相まって、いい相手に巡り会えないのが最近の悩み。