表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/26

二話

サラとは定期的に手紙のやり取りをしていた。

今どういう所にいてどんな人が仲間になったのか

とか色々である。


勿論俺もただ待っているわけではない。

知り合いに凄腕の冒険者のおっさんが

二人いる。その二人に暇な時間に

稽古して貰っている。


「お、今日も来たみたいだな

 シードの坊主!」


「ここの所生が出ますねシード君は」


この二人の名前はオーマさんとリュウヤさん。

二人は二年ほど前からお世話になっている人たちで

ここらに冒険者の依頼できた時に

魔物との戦闘の最中荷物を焼かれて

食べ物が無くなってしまい途方に暮れていた所、

訓練の為に偶々通りかかった俺に飯をくれと

せがんで来たおっさんたちである。

オーマさんはガタイがかなり大きい割に

戦闘自体はとてもしなやかに戦う人で

リュウヤさんは長身で尚且つ

程よい位に筋肉がついているとても

かっこいい人だ。戦闘方法は主に

魔法を使っての後方支援を行っている。


二人とは今いる村から少し離れた

森でその事件以来も何度か会い

知らぬうちに打ち解けあっていた。


そして先日の事があって以来

俺は二人に頼み込んで稽古をつけて貰ている。

近接戦闘はオーマさん。魔法関連はリュウヤさんに

教えてもらっている。ま、魔法関連といっても

俺が使えるのは強化魔法だけだから

効率のいい魔力の練り方とか精密な部分である。


「オーマさん、リュウヤさん

 今日もよろしくお願いします。」


「おうよろしくな!

 しかしお前はスゲーな、

 ほとんど毎日俺とリュウヤの

 稽古を受けているのに弱音

 一つ上げずについてくるんだもんな。」


「そうですね。私もここまで

 肝が据わっている子を見るのは

 久しぶりな気がします。」


「そうですか?

 もしもそう思うならそれはサラの

 ためですよ。一日でも早く強くなって

 魔王討伐軍に合流してサラの負担を

 減らしてやりたいですからね。」


「お、出た出た惚気話。

 もう惚気は腹一杯だから十分だぞ~。」


「そうだね。もうシード君がその手の話を

 初めてしまうときりがないから

 早く始めてしまおう。」


「む、二人してなんだよつめてーなー。」


「冷てえじゃねえよ!

 お前さん前に俺らが止めずにいたら

 一日中ずっと話してたじゃねえかよ。」


「あの時はあまりの疲労で倒れてしまう

 所でしたよ。全く現役の武人が戦闘も

 してないのに倒されるなんて笑い話にも

 なりませんよ。」


「全くだ。」


「え、俺そんなに話し込んでいましたっけ?」


「何!? お前まさか無自覚だったのか!」


「ああ、それに日が暮れたのだって

 あれは日が短かっただけだろ?」


「.....確かあの日は一年で一番日が長かった

 日だったはずですが。」


「そうだけ? そんな事より早く稽古つけてくれよ!

 二人に稽古つけて貰ってから実力がついているのが

 分かるから楽しいんだ。」


「...よしいいだろう。俺らの苦労が

 わからないような馬鹿弟子には

 少しきつい稽古をつけてやろう。」


「シード君覚悟してくださいね。」


「え、なんで二人ともそんなにキれてるの?

 ちょ、オーマさんいつも稽古で使っている

 木刀じゃなくてなんで真剣使おうとしてるの?」


「安心してくださいシード君多少腕や足が

 切り落とされても私が治して差し上げますので。」


「ゴメン全然安心できる要素が無いんだけど!?

 な、なんでそんなに殺る気なの!?」


「「それは自分の胸に聞いてみろ(聞いてください)!!」」


「ぎゃあああああああ」


俺は稽古という名の地獄をたっぷり味わった。



そんな退屈しない幸せな時間は

突然音を立てて崩れ散った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ